第5章 「III 医薬品の副作用等による健康被害の救済」 完全出題詳細!
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第5章 「III 医薬品の副作用等による健康被害の救済」では、毎年ほぼ4問の出題があります。
ページ数は約3ページです。しっかり押さえていきましょう。
それでは、出題の詳細を見ていきましょう。
第5章 医薬品の適正使用・安全対策
III 医薬品の副作用等による健康被害の救済
目次
1)医薬品副作用被害救済制度
毎年1問出題されます。
頻出問題は、1,2,3,7項目ですね。
1項目
医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による被害者の迅速な救済を図るため、製薬企業の社会的責任に基づく公的制度として1980年5月より運営が開始された。 |
医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による被害者の迅速な救済を図るため、製薬企業の社会的責任に基づく公的制度として1980年5月より運営が開始された。(H23) |
製薬企業の社会的責任に基づく公的制度として、運営が開始された。(H24) |
製薬企業の社会的責任に基づく公的制度として1980年5月より運営が開始された。(H26) |
この制度は、医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による被害者の迅速救済を図るため、国の社会的責任に基づく公的制度として運営が開始された。(H27) |
薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による被害者の迅速な救済を図るため、( a )に基づく公的制度であり、(略)。(H28) |
「医薬品副作用被害救済制度は製薬企業の社会的責任に基づいた公的な制度」であると覚えておきましょう。
もちろん不適切な使用についてまでは責任は取ってくれません。
2項目
健康被害を受けた本人(又は家族)の給付請求を受けて、その健康被害が医薬品の副作用によるものかどうか、医薬品が適正に使用されたかどうかなど、医学的薬学的判断を要する事項について薬事・食品衛生審議会の諮問・答申を経て、厚生労働大臣が判定した結果に基づいて、医療費、障害年金、遺族年金等の各種給付が行われる。 |
医薬品の副作用によるものかどうか等の最終的な判定は都道府県知事が行う。(H21) |
給付請求は健康被害を受けた者の主治医が行うこととなっている。(H21) |
薬事・食品衛生審議会の諮問・答申を経て、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が判定した結果に基づいて各種給付が行われる。(H23) |
医学的薬学的判断を要する事項について薬事・食品衛生審議会の諮問・答申を経て、厚生労働大臣が判定した結果に基づいて、医療費等の給付が行われる。(H25) |
健康被害を受けた本人又は家族の給付請求により、薬事・食品衛生審議会の諮問・答申を経て、(独)医薬品医療機器総合機構が判定して給付が行われる。(H26) |
( b )の給付請求を受けて、その健康被害が医薬品の副作用によるものかどうか、医薬品が適正に使用されたかどうかなど、医学的薬学的判断を要する事項について( c )の諮問・答申を経て、厚生労働大臣が判定した結果に基づいて、各種給付が行われる。(H28) |
ポイントは
の3つです。
ちなみに、平成28年度の選択肢は「薬事・食品衛生審議会」か「厚生科学審議会」から選ぶようになっていました。「薬事」をキーワードに考えれば楽勝ですよ!
3項目
救済給付業務に必要な費用は、給付費については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法第19条の規定に基づいて、製造販売業者から年度ごとに納付される拠出金が充てられるほか、事務費については、その2分の1相当額は国庫補助により賄われている。 |
救済給付業務に必要な費用のうち、給付費については、製薬企業から年度ごとに納付される拠出金が充てられる。(H21)※問題の手引き改訂 |
救済給付業務に必要な費用のうち、事務費については、その2分の1相当額は国庫補助により賄われている。(H21,27) |
医薬品副作用被害救済制度の救済給付業務に必要な費用は全て国庫補助により賄われている。(H22) |
給付費・事務費などの救済給付業務に必要な費用は、すべて製薬企業から年度ごとに納付される拠出金が充てられている。(H23) |
救済給付業務に必要な費用のうち、事務費については、その全額が国庫補助により賄われている。(H24) |
救済給付業務に必要なすべての費用は、製薬企業から年度ごとに納付される拠出金で賄われている。(H25) |
救済給付業務に必要な給付費については、すべて国庫補助により賄われている。(H26) |
救済給付業務に必要な費用のうち、給付費については、製造販売業者から年度ごとに納付さ れる拠出金が充てられる。(H27) |
救済給付業務に必要な費用のうち、
- 給付費:製造販売業者から年度ごとに納付される拠出金が充てられる
- 事務費:2分の1相当額は国庫補助により賄われる
ことになっている。職員の給与などの固定費などは、半分を国が持つ、ということです。
7項目(問題の手引きp336 図)
【医薬品医療機器総合機構】 の役割 ・給付請求の窓口 ・結果通知 ・給付 |
医薬品副作用被害救済制度の医療費の給付は、副作用の原因となった医薬品を製造販売した製薬企業から直接行われる。(H24) |
医薬品副作用被害救済制度の給付の請求は、住所地の都道府県知事に行う。(H24) |
医療費の給付は、副作用の原因となった医薬品を製造販売した製薬企業が直接行う。(H25) |
医療費や医療手当などの各種給付の請求は、請求する者の住所地の都道府県知事に対して行う。(H25) |
健康被害者からの給付請求の窓口は(独)医薬品医療機器総合機構である。(H26) |
救済給付を受けようとする場合の請求先窓口は、各都道府県である。(H27) |
医薬品被害救済制度の運用は、総合機構が主体となるようになっていますので、
- 給付請求の窓口
- 請求の結果通知
- 実際の給付業務
はすべて総合機構が担当となっています。
2)医薬品副作用被害救済制度等への案内、窓口紹介
ここからは2~3問出題されます。ページ数を考えると断然お得な項目ですよ!
(a)給付の種類、(b)救済給付の支給対象範囲、(c)救済給付の請求にあたって必要な書類、【医薬品PLセンター】
頻出問題は、8,13,14,16,17,19項目の6題ですね。H27年度のみ給付額が定額のものについての出題がありました。
8項目
(請求期限なし)障害年金;障害児養育年金 |
障害児養育年金については、救済給付の請求の期限はない。(H22) |
障害年金については、救済給付の請求の期限はない。(H22) |
医療手当については、救済給付の請求の期限はない。(H22) |
医療費については、救済給付の請求の期限はない。(H22) |
医薬品副作用被害救済制度の給付の種類のうち、請求の期限の定められていないものはどれか。(H24) |
医薬品副作用被害救済制度による被害者の救済給付の種類のうち、請求期限が定められていないものはどれか。(H25) |
給付の種類としては、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料がある。すべての給付には請求期限があり、期限を過ぎた分については請求できないので注意する必要がある。(H26) |
医療費 ― 医療費の支給の対象となる費用の支払いが行われたときから5年以内(H28) |
障害児養育年金 ― 請求期限なし(H28) |
葬祭料 ― 請求期限なし(H28) |
遺族年金 ― 死亡のときから10年以内(遺族年金を受けることができる先順位者が死亡した場合には、その死亡のときから2年以内)(H28) |
各種給付の請求の期限に関する出題ですが、たくさん覚える必要はありません。
請求期限がないのは障害年金と障害児養育年金の二つだけ!と覚えておきましょう。これだけで正解を導けるはずです。
13項目
医薬品を適正に使用して生じた健康被害であっても、特に医療機関での治療を要さずに寛解したような軽度のものについては給付対象に含まれない。 |
医療機関での治療を要さないような軽度のものについては給付対象に含まれない。(H21) |
医薬品を適正に使用して生じた健康被害であれば、医療機関での治療を要さずに寛解したような軽度のものについても給付対象となる。(H25) |
医薬品を適正に使用して生じた健康被害であれば、特に医療機関での治療を要さずに寛解したような軽度のものについても給付対象に含まれる。(H26) |
医薬品を適正に使用して生じた健康被害であっても、特に医療機関での治療を要さずに寛解したような軽度のものについては給付対象に含まれない。(H27) |
すぐに治っちゃったような軽度な副作用まで救済してたらキリがない、という当たり前のことです。
14項目
救済制度の対象とならない医薬品が定められており、要指導医薬品又は一般用医薬品では、殺虫剤・殺鼠剤、殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)、一般用検査薬、一部の日局収載医薬品(精製水、ワセリン等)が該当する。 |
一般用医薬品では、一般用検査薬と一部の日局収載医薬品(精製水、ワセリン等)を除いた医薬品を救済制度の対象としている。(H21) |
一般用医薬品は全て救済制度の対象となる。(H22) |
一般用医薬品の殺虫剤・殺鼠(そ)剤による健康被害は救済制度の対象とならない。(H25) |
一般用医薬品の殺虫剤・殺鼠(そ)剤、一般用検査薬も救済制度の対象となる。(H26) |
一般用医薬品である一般用検査薬、一部の日本薬局方収載医薬品(精製水、ワセリン等)も救済制度の対象となる。(H27) |
殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)(H28) |
一般用検査薬(H28) |
鼻炎用薬(H28) |
禁煙補助剤(H28) |
※H28年度は対象とならないものの組み合わせを選べ、という設問でした
人体に直接使用されない医薬品で重篤な副作用が起きる、なんて想定できませんよね。ということです。
- 人体に直接使用されない医薬品:検査薬、殺虫剤・殺鼠剤、一部の殺菌消毒剤
その他、基本的薬効のない精製水やワセリンなども対象外ということを覚えておきましょう。
16項目
救済給付の請求に当たっては、医師の診断書、要した医療費を証明する書類(領収書等)などのほか、その医薬品を販売等した薬局開設者、医薬品の販売業者の作成した販売証明書等が必要となる。 |
一般用医薬品の使用による副作用被害への救済給付の請求に当たっては、( a )、要した医療費を証明する書類などのほか、その医薬品を販売した薬局開設者、( b )の作成した( c )等が必要となる。医薬品の販売等に従事する専門家においては、( c )の発行につき円滑な対応を図る必要がある。(H21) |
一般用医薬品の使用による副作用被害への救済給付の請求に当たっては、医師の診断書、要した医療費を証明する書類(領収書等)などのほか、その医薬品を販売等した医薬品の販売業者等の作成した販売証明書等が必要となる。(H22) |
一般用医薬品の使用による副作用被害への救済給付の請求にあたっては、( a )や要した医療費を証明する書類(領収書等)などのほか、その医薬品を販売等した薬局開設者、( b )の作成した販売証明書等が必要となる。(H23) |
一般用医薬品の使用による副作用被害への救済給付の請求に当たっては、( a )、要した医療費を証明する書類(領収書等)などのほか、その医薬品を販売等した薬局開設者、医薬品の( b )の作成した( c )等が必要となる。(H24) |
一般用医薬品の使用による副作用被害への救済給付の請求にあたっては、医師の診断書等のほか、その医薬品を販売等した薬局開設者、医薬品の販売業者の作成した販売証明書等が必要となる。(H25) |
一般用医薬品の使用による副作用被害への救済給付の請求に当たっては、医師の診断書等のほか、その医薬品を販売等した薬局開設者、医薬品の販売業者の作成した販売証明書等が必要となる。(H27) |
医薬品を適正に使用したこと自体を第三者が証明することは不可能ですが、少なくても医薬品を購入したことは証明してもらいなさいよ、ということで薬局開設者または医薬品販売業者の販売証明書が必要とされています。
次に、副作用被害を回復するために受診して治療を受けた費用の証明(領収証)が必要ですよね。
そして最も肝心なのが、その健康被害は医薬品によるものだとする医師の診断書が絶対的に必要になります。医師の診断書もないのに、副作用だ!薬のせいだ!と勝手に騒いでも仕方がありません。
※薬局開設者:普通はその薬局の社長(代表者)
医薬品販売業:店舗販売業(ドラッグストアなど)、配置販売業、卸売販売業
医薬品販売業者:通常は各販売業の社長や支店長(卸の場合など)
17項目
医薬品副作用被害救済制度の対象とならないケースのうち、製品不良など、製薬企業に損害賠償責任がある場合には、「医薬品PLセンター」への相談が推奨される。 |
医薬品副作用被害救済制度の対象となるケースのうち、十分な救済が得られなかった場合の相談窓口として設立された。(H21) |
製品不良の場合には、本制度(医薬品副作用被害救済制度)と製薬企業からの損害賠償が併用される。(H21) |
医薬品副作用被害救済制度の対象となるケースに限って、苦情の申立てを受け付けている。(H23) |
医薬品の製品不良など、製薬企業に損害賠償責任がある場合には、医薬品PLセンターへの相談が推奨される。(H23) |
医薬品副作用被害救済制度の対象となるケースに限って、苦情申立てを受け付けている。(H24) |
医薬品副作用被害救済制度の対象とならないケースのうち、製品不良など、製薬企業に損害賠償責任がある場合には、「医薬品PLセンター」への相談が推奨される。(H27) |
薬品副作用被害救済制度の対象とならないケースのうち、製薬企業に損害賠償責任が( a )場合には、「医薬品PLセンター」への相談が推奨される。(H28) |
最近はYesの設問です。
- 医薬品副作用被害救済制度の対象とならない
- 製品不良などで製薬企業に賠償責任がある
場合に「医薬品PLセンター」への相談が推奨されます。
19項目《最重要》
消費者(一般用医薬品を使用する生活者のほか、医療関係者も含む)が、医薬品又は医薬部外品に関する苦情(健康被害以外の損害も含まれる)について製造販売元の企業と交渉するに当たって、公平・中立な立場で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行い、裁判によらずに迅速な解決に導くことを目的としている。 |
医薬部外品については相談受付の対象外となっている。(H21) |
消費者が、医薬品などに関する苦情について、製造販売元の企業と交渉するに当たり、裁判によらずに迅速な解決に導くことを目的としている。(H21) |
消費者(一般用医薬品を使用する生活者のほか、医療関係者も含む)が、医薬品又は( a )に関する苦情(健康被害以外の損害( b ))について( c )の企業と交渉するに当たって、公平・中立な立場で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行い、裁判によらずに迅速な解決に導くことを目的としている。(H22) |
医薬部外品に関する苦情の申立ても受け付けている。(H23) |
苦情の申立てをした消費者が製造販売元の企業と交渉するにあたって、裁判による解決に導くことを目的としている。(H23) |
医薬部外品に関する苦情申立ては、受け付けていない。(H24) |
公平・中立な立場で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行っている。(H24) |
苦情を申立てた消費者が、製造販売元の企業と交渉するに当たって、裁判によらず迅速な解決に導くことを目的として設置されている。(H24) |
消費者が、医薬品又は( b )に関する苦情(健康被害以外の損害も含まれる。)について製造販売元の企業と交渉するに当たって、公平・中立な立場で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行い、( c )迅速な解決に導くことを目的としている。(H26) |
消費者が、医薬品又は医療機器に関する苦情(健康被害以外の損害も含まれる)について製造販売元の企業と交渉するに当たって、公平・中立な立場で申立ての相談を受け付けている。(H27) |
苦情を申し立てた消費者が、製造販売元の企業と交渉するに当たって、裁判によらずに迅速な解決に導くことを目的として設置されている。(H27) |
消費者が、医薬品又は医薬部外品に関する苦情(健康被害以外の損害も含まれる)について製造販売元の企業と交渉するに当たって、( b )立場で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行い、( c )迅速な解決に導くことを目的としている。(H28) |
H25年度以外、必ず出題されてますね~
ことを目的としているのが医薬品PLセンターです。
裁判はお互いに時間的、経済的、精神的に負担になるので相談で解決しましょうという趣旨です。
また、H27年には「医薬部外品」と「医療機器」のひっかけが出されていますので要注意です。
さあ、しっかりポイントを押さえていきましょう。
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第5章関連リンク====================
Ⅰ 医薬品の適正使用情報(10~12問)
2)製品表示の読み方(1~2問)、3)安全性情報など、その他の情報(1~2問)
Ⅱ 医薬品の安全対策(2~4問)
1 医薬品の副作用情報等の収集、評価及び措置(0~2問)
2 医薬品による副作用等が疑われる場合の報告の仕方(1~2問)
Ⅲ 医薬品の副作用等による健康被害の救済(3~4問)