登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

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第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細②

 

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第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識

Ⅰ 医薬品概論

ここからは、概ね4問の出題が見込まれます。

2)と3)は問題の手引きが改訂されてからの項目で出題歴が浅いので、今後も「初」出題となることも予想されます。

 

勉強法としては、出題歴のある所はしっかり押さえつつも、どこが出題されてもいいように一通り目を通して理解してしておくことです。

とは言っても、常識的に考えればわかる範囲なので、時間をかけすぎることのないようにしましょう。

 

2)医薬品のリスク評価

平成27年以降、毎年1問出題されます。 

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出題歴が浅いので1項ずつ出題内容を確認していきます。

第1項

医薬品に対しては製造販売後の調査及び試験の実施基準として Good Post-marketing Study Practice (GPSP) と製造販売後安全管理基準として Good Vigilance Practice (GVP)が制定されている。
医薬品に対しては、製造販売後の調査及び試験の実施基準としてGood Vigilance Practice (GVP)が制定されている。(H27)

医薬品にまつわる「基準」と英語表記については最後にまとめます。 

 

第2項

医薬品の効果とリスクは、薬物曝露時間と曝露量との積で表現される用量-反応関係に基づいて評価される。
医薬品の効果とリスクは、薬物暴露時間と暴露量とので表現される用量-反応関係に基づいて評価される。(H27)
医薬品の効果とリスクは、薬物暴露時間と暴露量ので表現される用量‐反応関係に基づいて評価される。(H28)

「暴露(あばく)」と「曝露(さらす)」の違いも気になるところですが、問題は時間と量の「積」=掛け算が重要ですよ、ということです。

 

第3項

投与量と効果又は毒性の関係は、薬物用量を増加させるに伴い、効果の発現が検出されない「無作用量」から、最小有効量を経て「治療量」に至る。
薬物用量を増加させるに伴い、効果の発現が検出されない「最小有効量」から、「治療量」に至る。(H29)

第4項

治療量上限を超えると、効果よりも有害反応が強く発現する「中毒量」となり、「最小致死量」を経て、「致死量」に至る。
治療量上限を超えると、効果よりも有害反応が強く発現する「中毒量」となる。(H29)

第5項

動物実験では50%致死量(LD50)を求めることが可能であるので、薬物の毒性の指標として用いられる。
動物実験で求められる50%致死量(LD50)は、薬物の有効性の指標として用いられる。(H27)
50%致死量(LD50)は薬物の毒性の指標として用いられる。(H29)

※LD50(50%致死量)とは、例えば、100の検体のうち、50の検体が死亡してしまう薬用量のことです。当然、人間では試験できませんので、動物実験オンリーでしか求められません。

 

第3~5項の薬物の用量とリスクの関係を模式図にすると、

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テキスト外ですが、一般用医薬品は治療量の幅が広く容易には中毒量に至らないように設計されています。

 

第6項

少量の投与でも長期投与されれば慢性的な毒性が発現する場合もある。また、少量の医薬品の投与でも発がん作用、胎児毒性や組織・臓器の機能不全を生じる場合もある。
治療量を超えた量を単回投与する場合に、毒性が発現するおそれが高くなるが、投与量が少量であれば長期投与された場合でも、毒性が発現することはない。(H27)
少量の投与でも長期投与されれば慢性的な毒性が発現する場合がある。(H28)
少量の医薬品の投与でも発がん作用、胎児毒性や組織・臓器の機能不全を生じる場合がある。(H29)

第2項でも触れましたが、医薬品のリスクは「曝露量」x「曝露時間」という掛け算で考えるので、少量でも長期投与されれば”塵も積もれば山となる”で、毒性発現することもあり得ます。

 

第7項

新規に開発される医薬品のリスク評価は、医薬品開発の国際的な標準化(ハーモナイゼーション)制定の流れのなかで、個々の医薬品の用量-反応関係に基づいて、医薬品の安全性に関する非臨床試験の基準である Good Laboratory Practice(GLP)に準拠して(略)実施されている。
新規に開発される医薬品のリスク評価は、医薬品の安全性に関する非臨床試験の基準であるGood Clinical Practice(GCP)に準拠して行われる。 【薬害の歴史の項で出題】(H29)

医薬品にまつわる「基準」と英語表記については最後にまとめます。 

 

第8項

ヒトを対象とした臨床試験が行われる。ヒトを対象とした臨床試験における効果と安全性の評価基準には、国際的に Good Clinical Practice (GCP)が制定されている。
ヒトを対象とした臨床試験における効果と安全性の評価基準には、国際的にGood Clinical Practice(GCP)が制定されている。(H28)

医薬品にまつわる「基準」と英語表記については最後にまとめます。 

 

第9項

医薬品については、食品などよりもはるかに厳しい安全性基準が要求されているのである。
医薬品には、食品と同程度の安全性基準が要求される。(H28)

医薬品ですから、食品と同程度では困りますよね。その辺の飲食店で薬が販売できたらおかしいよね、と覚えて下さい。

 

※日常生活では全くなじみのない医薬品にまつわる「基準」と英語表記をまとめます。

医薬品の安全性に関する非臨床試験の基準 Good Laboratory Practice(GLP)
ヒトを対象とした臨床試験における効果と安全性の評価基準 Good Clinical Practice (GCP)
製造販売後の調査及び試験の実施基準 Good Post-marketing Study Practice (GPSP)
製造販売後安全管理基準 Good Vigilance Practice (GVP)

Good:適切な、Practice:基準、という意味

Laboratory:研究室=非臨床ということ

Clinical:臨床的⇒臨床試験における…、ということ

Post-marketing:post(~の後)、market(市場)⇒市場に出回った後の、ということ

Study:調査

Vigilance:監視、警戒⇒安全を管理する、ということです

 

赤字の4つくらいは、一度は聞いたことがある単語ですので、イメージが湧くように準備しておきましょう。

 

 

第1章 関連項目リンク

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」3):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)de:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」5):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」6):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

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