第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細
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第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識
Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
ここからは9~14問、平均約12問が出題されます。
第1章のメイン項目です。しっかり押さえておきましょう。
但し、決して難しい内容ではありませんので、冷静に理解しておきましょう。
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2)不適正な使用と有害事象
この項からは概ね毎年1~2問出題されています。
出題箇所と頻度は下図の通りです。
年度によって、(a)がメインだったり、(b)がメインだったりとなっていますが、H29年は(b)がメインでしたのでH30年は(a)を押さえておきましょう。
ここでもH27年以降に出題された項目と、頻回出題項目をおさらいしましょう。
第4項(過去4回出題)
一般用医薬品を使用して症状を一時的に緩和するだけの対処を漫然と続けているような場合には、いたずらに有害事象を招く危険性が増すばかりでなく、適切な治療の機会を失うことにもつながりやすい |
一般用医薬品を使用して腹痛を一時的に緩和するだけの対処を漫然と続けていたので、医療機関を受診するよう伝える。(H21) |
一般用医薬品を使用して症状を一時的に緩和するだけの対処を漫然と続けても、有害事象を招く危険性はない。(H24) |
症状を一時的に緩和するために、一般用医薬品を漫然と使い続けていても、有害事象を招くおそれはない。(H25) |
一般用医薬品を使用して、腹痛を一時的に緩和するだけの対処を漫然と続けていたので、医療機関への受診を勧めた。(H27) |
キーワードは「漫然と」ですね。
漫然とは…「とりとめのないさま。ぼんやりとして心にとめないさま。」だそうです。
あまり深く考えないまま、同じような対処を繰り返しているということなのでしょうね。
一般用医薬品は「一時的」な対処として、決して「漫然と」続けてはいけません。
このようなお客さんを見かけて受診勧奨など適切なアドバイスをできる登録販売者ってカッコいいですよね!
第5項(過去6回出題)
「薬はよく効けばよい」、「多く飲めば早く効く」等と短絡的に考えて、定められた用量を超える量の医薬品を服用すると有害事象につながる危険性が高い。 |
1回1錠の用量が定められた医薬品であったが、症状を早く改善させる必要があったので、他の医薬品を使用していないことを確認した上で、1回2錠を使用するよう伝える。(H21) |
多く飲めば早く効くので、定められた用量を超えて使用してもかまわない。(H23) |
一般用医薬品は、「よく効けばよい」と考えて、定められた用量を超える量を服用しても問題ない。(H24) |
「薬はよく効けばよい」、「多く飲めば早く効く」等と短絡的に考えて、定められた用量を超える量の医薬品を服用すると有害事象につながる危険性が高い。(H25) |
1回1錠の用量が定められた医薬品であったが、症状を早く改善させる必要があったので、他の医薬品を使用していないことを確認した上で、倍量を服用するよう伝えた。(H27) |
「薬は多く飲めば早く効く」と考えて、定められた用量を超える量を服用すると、有害事象につながる危険性が高い。(H28) |
多く飲んでもそれ以上は効き目は増えない、ということはよくあります。しかも早く効くことと飲む量は関係がありません(薬物動態の話になります)。
決して「素人考え」を助長するようなことはしてはいけません。
第6項(過去7回出題)
小児への使用を避けるべき医薬品を「子供だから大人用のものを半分にして飲ませればよい」として服用させると有害事象につながる危険性が高い。 |
小児への使用を避けるべき医薬品であるが、症状を十分に聴いた上で、大人用のものを半分にして飲ませてもよいと伝える。(H21) |
大人用の一般用医薬品を、子供に服用させる場合は、大人用のものを全て半分にして服用させればよい。(H22) |
小児への使用を避けるべき一般用医薬品であっても、大人の半分の量を服用させるのであれば、有害事象につながる危険性はない。(H23) |
小児への使用を避けるべき医薬品を「子供だから大人用のものを半分にして飲ませればよい」として服用させても、有害事象を招くことはない。(H24) |
大人用の一般用医薬品を小児に服用させる場合は、すべて半分の量を服用させればよい。(H26) |
小児への使用を避けるべき医薬品であるが、症状等を十分に聞いた上で、大人用のものを半量なら飲ませてもよいと伝えた。(H27) |
小児への使用を避けるべき医薬品であっても、大人用のものを半分にして小児に服用させれば、有害事象につながる危険性は低い。(H28) |
過去7回すべて「No」です!
まず、「大人用」=「小児用ではない」、と理解すること。
そして、勝手に半量にしたりして飲ませることは絶対にNGです!
現実的にはそんなことして何かあったら、あなた責任とれますか?の世界です。
第7項(過去3回出題)
人体に直接使用されない医薬品は、使用する人の誤解や認識不足によって使い方や判断を誤り、有害事象につながることがある。 |
人体に直接使用されない医薬品でも、使用する人の認識不足によって有害事象につながることがある。(H22) |
人体に直接使用されない医薬品は、使用する人の誤解や認識不足によって使い方や判断を誤っても、有害事象につながることはない。(H25) |
人体に直接使用されない医薬品についても、使用する人の誤解や認識不足によって使い方や判断を誤り、有害事象につながることがある。(H26) |
人体に直接使用されない医薬品=検査薬や消毒薬、殺虫剤などをイメージしましょう。
全ての医薬品は正しく使用されることで効果が現れる、と理解しておきましょう。
第9項(過去3回出題)
購入者等が医薬品を使用する前に添付文書や製品表示を必ず読むなどの適切な行動がとられ、その適正な使用が図られるよう、購入者の理解力や医薬品を使用する状況等に即して説明がなされるべきである |
医薬品を使用する前に添付文書や製品表示を読む必要はないと伝える。(H21) |
医薬品の販売等に従事する専門家は、購入者等が医薬品を使用する前に添付文書や製品表示を読むことなどにより、適正な使用が図られるように説明すべきである。(H26) |
一般用医薬品を使用する前には、添付文書や製品表示を読む必要があると伝えた。(H27) |
医薬品のテレビCMなどでおなじみのフレーズ、「使用上の注意をよく読んで、用法用量を守って正しく使用してください」でもわかる通り、添付文書などをしっかり読むように説明しましょう。
第10項
【第2章】有効成分の血中濃度が上昇しやすいため、習慣性や依存性がある成分が配合されているものの場合、本来の目的と異なる不適正な使用がなされることがある。 |
経口液剤は、有効成分の血中濃度が上昇しやすいことから、乱用を防ぐために習慣性や依存性がある成分は、配合されていない。(H29) |
これは反則ですよね~。第2章の「Ⅱ薬が働くしくみ」 の「3)剤形ごとの違い、適切な使用方法」に関する内容でした。
最近はいろいろ対策が取られていますが、かつて咳止めシロップに配合されるリン酸コデインや、塩酸メチルエフェドリンなどを目当てに乱用されることがありました。
第11項(過去4回出題)
医薬品を本来の目的以外の意図で、定められた用量を意図的に超えて服用したり、みだりに他の医薬品や酒類等と一緒に摂取するといった乱用がなされると、過量摂取による急性中毒等を生じる危険性が高くなる。 |
医薬品を本来の目的以外の意図で、定められた用量を意図的に超えて服用したり、みだりに他の医薬品や酒類等と一緒に摂取するといった乱用がなされ、( )を生じることがある。(H24)※ |
定められた用量を意図的に超えて服用したり、みだりに他の医薬品や酒類等と一緒に摂取するといった乱用がなされると、過量摂取による急性中毒等を生じる危険性が高くなる。(H26) |
医薬品を本来の目的以外の意図で、定められた用量を意図的に超えて服用すると、過量摂取による急性中毒等を生じる危険性が高くなる。(H28) |
定められた用量を守って医薬品を服用しても、みだりに他の医薬品や酒類と一緒に摂取することは、適正な使用とはいえない。(H29) |
※H30年度の問題の手引きでは「過剰摂取による急性中毒等」となっていますが、当時は「薬物依存」が正解でした
第12項
乱用の繰り返しによって慢性的な臓器障害等を生じるおそれもある。 |
医薬品の乱用を繰り返すと、慢性的な臓器障害を生じるおそれがある。(H25) |
医薬品の不適正な使用を繰り返すことによって慢性的な臓器障害等を生じるおそれがある。(H29) |
乱用の繰り返し⇒慢性臓器障害(肝障害、腎障害など)につながります。
薬物は肝臓や腎臓の働きで代謝され体外に排出されるため、ただでさえ薬物は肝臓や腎臓の負担になるんだ、ということを覚えておくといいでしょう。
第13項
一般用医薬品には、習慣性・依存性がある成分を含んでいるものがあり、しばしば乱用され ることが知られている。 |
一般用医薬品には、習慣性・依存性がある成分を含んでいるものがあり、しばしば乱用され ることが知られている。(H23) |
一般用医薬品には、習慣性のある成分を含んでいるものはない。(H25) |
一般用医薬品は作用が緩やかなものであり、習慣性・依存性がある成分を含んでいるものはない。(H28) |
第10項とかぶってますので、一緒に覚えておきましょう。
第15項(過去4回出題)
適正な使用がなされる限りは安全かつ有効な医薬品であっても、乱用された場合には薬物依存を生じることがあり、一度、薬物依存が形成されると、そこから離脱することは容易ではない。 |
一般用医薬品は作用が緩和であるため、薬物依存が形成されることはない。(H22) |
一般用医薬品により薬物依存が形成されても、そこから離脱することは容易である。(H25) |
一般用医薬品は作用が緩和であるため、薬物依存が形成されても容易に依存から離脱できる。(H26) |
適正な使用がなされる限りは安全かつ有効な医薬品であっても、不適正な使用により薬物依存が生じることがあり、一度、薬物依存が形成されると、そこから離脱することは容易ではない。(H29) |
危険ドラッグももちろんそうですが、一般用医薬品であっても薬物依存が形成されることはあり得るし、いったんそうなると抜け出すことは容易ではないんです。
だから、薬物は怖いんですよね。
第17項(過去3回出題)
医薬品の販売等に従事する専門家においては、必要以上の大量購入や頻回購入などを試みる不審な購入者等には慎重に対処する必要があり、積極的に事情を尋ねたり、状況によっては販売を差し控えるなどの対応が図られることが望ましい。 |
医薬品の販売等に従事する専門家は、必要以上の大量購入や頻回購入などを試みる不審な購入者等には慎重に対処する必要がある。(H25) |
医薬品の販売等に従事する専門家は、必要以上の大量購入や頻回購入を試みる不審な購入者等には慎重に対処し、状況によっては販売を差し控えるなどの対応をとることが望ましい。(H26) |
必要以上の大量購入や頻回購入を試みる不審な購入者に、積極的に事情を尋ねたり、状況によっては販売を差し控える対応をした。(H29) |
以前、風邪薬から覚せい剤を合成するために大量購入していた外国人が逮捕されたというような事件もありました。よくないことをしようとする人は「気にされる」ことに敏感です。だから、一声かける、ことが求められますよ、って話です。
第1章 関連項目リンク
第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
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第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
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