登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

過去問を完全分析して見えてくる最強対策

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細

 

sponsored Link

 

 

第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識

Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因

ここからは9~14問、平均約12問が出題されます。

第1章のメイン項目です。しっかり押さえておきましょう。 

===========================

4)小児、高齢者などへの配慮

第1章Ⅱのメインです。ここから例年3~5問出題されます。テキストのページ数もそこそこありますが、「1ページで1問以上出る」と思ってしっかり理解しておきましょう。

3ページ中2ページ目です。

 

(b)高齢者(c)妊娠又は妊娠していると思われる女性

f:id:ashomopapa:20180729103402p:plain

概ね毎年(b)と(c)で1問ずつ出題されています。

 

(b)高齢者

第15項(過去7回出題)

医薬品の使用上の注意においては、おおよその目安として65歳以上を「高齢者」としている。
医薬品の使用上の注意等において高齢者という場合には、おおよその目安として75歳以上を指す。(H21)
医薬品の使用上の注意において「高齢者」という場合には、おおよその目安として( )以上を指す。(H22)
医薬品の使用上の注意等において「高齢者」という場合には、おおよその目安として65歳以上を指す。(H23,25)
医薬品の使用上の注意等において「高齢者」という場合には、おおよその目安として65歳以上を指す。(H27)
医薬品の使用上の注意等において、高齢者という場合は、おおよその目安として60歳以上を指す。(H29)

薬の世界も、行政の様々な制度上も「65歳からが高齢者」となります。

ちなみに、年金受給開始も原則65歳から、65~74歳=前期高齢者、75歳以上=後期高齢者と、65歳が区切りとなっています。

 

 

第16項(過去6回出題)

一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすく、若年時と比べて副作用を生じるリスクが高くなる。しかし、基本的には、定められた用量の範囲内で使用されることが望ましく、それ以下に量を減らしても十分な効果が得られなくなるだけで、必ずしもリスクの軽減にはつながらない。既定用量の下限で使用してもなお作用が強過ぎる等の問題を生じる場合もあるので注意が必要である。
一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすい。(H22)
一般用医薬品を使用する際、定められた用量以下に量を減らしても十分な効果が得られなくなるだけで、必ずしもリスクの軽減にはつながらない。(H22)
高齢者が一般用医薬品を定められた用量の下限で使用してもなお作用が強すぎる等の問題が生じる場合は、それ以下に量を減らして服用を続けることが望ましい。(H23)
一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、肝臓や腎臓の機能が低下しているが、医薬品による副作用のリスクは高くない。(H24)
一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすくなるが、既定用量の下限で使用していれば注意する必要はない。(H25)
高齢者では、一般用医薬品を使用する場合は、定められた用量よりも少ない用量から様子を見ながら使用しなければならない。(H27)
肝臓や腎臓の機能が低下していると、医薬品の作用が強く現れやすく、若年時と比べて副作用を生じるリスクが高くなる。(H29)
生理機能が衰えている高齢者では、既定用量の下限で一般用医薬品を使用しても、なお作用が強過ぎる等の問題を生じる場合がある。(H29)

 鉄板です!!

小児は生理機能が未発達で、高齢者は衰えつつあるために肝臓や腎臓の機能低下の影響を考慮する必要があります。

しかし、定められた用法用量ではそのようなことも織り込み済みです!なので用法用量通りに使用することが基本です。

既定用量の下限で使用して、作用が強く出てしまう場合はそもそもその医薬品の選択が適切でない可能性もあります。

 

 

第17項(過去5回出題)

高齢者であっても基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概にどの程度リスクが増大しているかを判断することは難しい。一般用医薬品の販売等に際しては、実際にその医薬品を使用する高齢者の個々の状況に即して、適切に情報提供や相談対応がなされることが重要である。
一般用医薬品の販売等に際しては、実際にその医薬品を使用する高齢者の個々の状況に応じて、適切に情報提供や相談対応がなされることが重要である。(H21)
高齢者の場合、どの程度副作用を生じるリスクが増大しているか、その年齢のみから判断することができる。(H22)
高齢者へ一般用医薬品を販売する際、その医薬品を使用する高齢者の個々の状況は考慮しなくてよい。(H24)
基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概にどの程度副作用を生じるリスクが増大しているかを判断することは難しい。(H26)
高齢者は基礎体力や生理機能の衰えの度合いの個人差が小さく、年齢からどの程度副作用のリスクが増大しているか容易に判断できる。(H29)

年の取り方は人それぞれで、60年以上生きてるとそのふり幅は大きく違いますよね。健康面でも同じことがいえるので、80歳でとても元気な人もいれば、60歳で病気がちな人等いろいろです。年齢だけでは判断できません。

それぞれの状況・事情をしっかりとヒアリングすることが大事です。 

 

第19項

医薬品の副作用で口渇を生じることがあり、その場合、誤嚥 えん (食べ物等が誤って気管に入り込むこと)を誘発しやすくなるので注意が必要である。
医薬品の副作用で口渇を生じることがあり、その場合、誤嚥(食べ物等が誤って気管に入り込むこと)を誘発しやすくなるので注意が必要である。(H29)

H29年に初めて誤嚥に関する出題がありました。

 

 

第20項(過去7回出題)

高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって 基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなったりする場合がある。
高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多いが、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなることはない。(H21)
高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなる場合がある。(H22)
高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって、その症状が悪化する場合がある。(H23)
高齢者は持病(基礎疾患)を抱えていることが多いが、一般用医薬品を用法用量どおりに使用していれば、基礎疾患の症状悪化や治療の妨げになることはない。(H25)
持病(基礎疾患)を抱えていることが多いが、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなる場合はない。(H26)
高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなる場合がある。(H27)
持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなる場合がある。(H28)

鉄板です!!

例えば、高血圧の人が、血管収縮成分の入った鼻炎薬などを使用すると血圧が上昇することがあります。 

 

 

第22項

高齢者では、手先の衰えのため医薬品を容器や包装から取り出すことが難しい場合や、医薬品の取り違えや飲み忘れを起こしやすいなどの傾向もあり、家族や周囲の人(介護関係者等)の理解や協力も含めて、医薬品の安全使用の観点からの配慮が重要となることがある。
高齢者では、手先の衰えのため医薬品を容器や包装から取り出すことが難しい場合や、医薬品の取り違えや飲み忘れを起こしやすいなどの傾向がある。(H23,27)
手先の衰えのため医薬品を容器や包装から取り出すことが難しい場合や、医薬品の取り違えや飲み忘れを起こしやすいなどの傾向がある。(H26)
高齢者にみられる傾向として、医薬品の取り違えや飲み忘れを起こしやすいことがある。(H28)

 高齢者全般としての身体的特徴と、精神的特徴(うっかりミスが増えるなど)を押さえておきましょう。

 

(c)妊娠又は妊娠していると思われる女性

第23項(過去5回出題)

妊婦の状態を通じて胎児に影響を及ぼすことがないよう配慮する必要があり、そもそも一般用医薬品による対処が適当かどうかを含めて慎重に考慮されるべきである。
妊婦が一般用医薬品を使用する際には、胎児に影響を及ぼすことがないよう配慮する必要がある。(H22)
妊婦は、体の変調や不調を起こしやすいので、原則として、一般用医薬品で症状を緩和することとされている。(H23)
全ての医薬品について、妊婦に使用する場合は、十分注意して適正に使用する必要があるが、使用そのものを避ける必要はない。(H24)
妊婦は、体の変調や不調を起こしやすいため、一般用医薬品を使用することにより、症状の緩和等を図ろうとする場合もあるが、一般用医薬品による対処が適当かどうかを含めて慎重に考慮されるべきである。(H26)
妊婦が一般用医薬品を使用しようとする場合は、そもそも一般用医薬品による対処が適当かどうか慎重に検討するべきである。(H29)

 妊婦さんには、そもそも一般用医薬品による対処が適当かどうかから考えてあげましょう。

 

第24項

胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)がある。
胎盤には、胎児の血液と母胎の血液とが混ざり合う仕組み(胎盤関門)がある。(H23)
胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)がある。(H26,28)

※H26年から問題の手引きが改訂されました

 血液胎盤関門があるから、母親の血液型と赤ちゃんの血液型が違っても大丈夫なんです。

 

第26項

一般用医薬品においても、多くの場合、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難であるため、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。
一般用医薬品は、多くの場合、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難である。(H23)
一般用医薬品において、多くの場合、妊婦の使用の可否について明示されている。(H27)
医療用医薬品と異なり、妊婦が一般用医薬品を使用した場合における安全性に関する評価は確立されているため、一般用医薬品はすべて使用してもよい。(H28)
一般用医薬品の妊婦の使用については「大量に使用しないこと」としているものが多い。(H29)

医療用医薬品でも一般用医薬品でも、妊婦に対する安全性の評価は難しいんです。

医薬品は治験といって、最終的には人で実験が行われますが、さすがに妊婦さんでは実験ができません。なので動物実験でどうだったかを頼りに判断するしかありません。

なので、「絶対大丈夫」とも「絶対ダメ」とも言えない場合は「相談すること」としているものが多いのです。 

 

第27項

ビタミンA含有製剤のように、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている ものがある
( )含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている。(H22)
ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取しても胎児には影響はない。(H24)
ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている。(H25)
ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性を低くすることができる。(H27)

ビタミンAは要注意ビタミンと覚えておきましょう。

これとは逆に、ビタミンの一種である「葉酸」は、妊娠前後の一定期間に意識的に摂取することが推奨されています。 

 

第28項

便秘薬のように、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。
便秘薬は、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがある。(H22)
便秘薬は、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。(H24)
一般用医薬品には、流産や早産を誘発するおそれがあるものはない。(H26)
便秘薬のように、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。(H27)
医薬品によっては、胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされているものがあるが、流産や早産を誘発するおそれのあるものはない。(H28)

便秘薬の中には内臓平滑筋を刺激するものがあり、子宮に思わぬ影響を及ぼすこともあるため要注意です。

この他、妊娠後期には解熱鎮痛薬を使用してはいけない、などもあります。 

 

 

第30項

【第3章】妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化等が原因であり、睡眠改善薬の適用対象ではない。妊婦又は妊娠していると思われる女性には、睡眠改善薬の使用は避ける。
妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化等が原因であり、抗ヒスタミン成分を主薬とする睡眠改善薬の適用対象である。(H29)

これまた第3章からの反則出題ですが、妊婦に対して安易に一般用医薬品を使用してはいけない、と覚えておきましょう。

 

 

きっと2問でますので、確実に正解できるようにしておきましょう。 

 

 

第1章 関連項目リンク

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」3):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)de:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」5):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」6):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」1)2)ab:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」2)cd:出題詳細 とまとめ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》