登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

過去問を完全分析して見えてくる最強対策

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」1)2)ab:出題詳細

 

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Ⅳ薬害の歴史 からは毎年4~5問出題されます。

1)はH27年に初めて出題されて、H29年にも出題されましたが、H30年は出題されないかもしれませんね。

 

2)からは4つの薬害から各1問出題されると思っておきましょう

 

1)医薬品による副作用等に対する基本的考え方

 

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テキストはわずか8行だけですので、しっかり読んで理解しましょう。

一応出題詳細を見ておくと、

医薬品は、人体にとって本来異物であり、治療上の効能・効果とともに何らかの有害な作用(副作用)等が生じることは避けがたいものである。
医薬品は、人体にとって本来異物であり、治療上の効能・効果とともに何らかの有害な作用(副作用)等が生じることが避けがたいものである。(H29)
副作用は、眠気や口渇等の比較的よく見られるものから、日常生活に支障を来す程度の健康被害を生じる重大なものまで様々である。
医薬品による副作用には、眠気、口渇等の比較的よく見られるものは含まない。(H27)
それまでの使用経験を通じて知られているもののみならず、科学的に解明されていない未知のものが生じる場合もある。
医薬品の副作用として、科学的に解明されていない未知のものが生じる場合もある。(H29)
医薬品の副作用被害やいわゆる薬害は、医薬品が十分注意して使用されたとしても起こり得るものである。
医薬品の副作用は、医薬品が十分注意して使用されれば起こらないものである。(H27)
いわゆる薬害は、医薬品を十分注意して使用すれば起こらない。(H29)

副作用の程度は様々であり、医薬品を十分注意して使用したとしても避けられないこともある。ということを理解しておきましょう。

だからこそ、医薬品販売に係る専門家が安全性の確保への努力を惜しまないことが求められるのです。

 

 

2)医薬品による副作用等にかかる主な訴訟

 

最後に4つの薬剤訴訟のポイントをまとめますが、まずがいつもの流れで。。。

(a) サリドマイド訴訟 (b) スモン訴訟

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どれも必出問題ですので、ざっと見ていきましょう。

(a) サリドマイド訴訟

 

第1項(過去6回出題)

催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
サリドマイド訴訟は、妊娠している女性がサリドマイド製剤を使用したことにより、出生児に四肢欠損等が発生したことに対する損害賠償訴訟である。(H21,24)
サリドマイド訴訟とは、催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟をいう。(H25)
サリドマイド訴訟は、サリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。(H26)
サリドマイド訴訟は、催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。(H27)
妊娠している女性が、催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。(H28)

全てYesNo問題で答えは全てYesです。

「催眠鎮静剤」の

サリドマイド製剤」で

「出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常」が発生した

ことに対する訴訟です。

 

第3項(過去4回出題)

サリドマイドは催眠鎮静成分として承認された(その鎮静作用を目的として、胃腸薬にも配合された)が、副作用として血管新生を妨げる作用もあった。
サリドマイドは催眠鎮静成分として承認されたが、副作用として血管新生を妨げる作用もあった。(H24)
サリドマイド製剤は、一般用医薬品としても販売されていた。(H25)
サリドマイドは催眠鎮静剤や胃腸薬に配合されていた。(H26)
過去には、催眠鎮静成分として承認され、その鎮静作用を目的として、胃腸薬にも配合されていた。(H29)

全てYesです。が、H25年の出題「サリドマイド製剤は、一般用医薬品としても販売されていた。」はテキストには明記されていないので非常に難しいですが、「一般用医薬品の胃薬に配合されていたので被害が増えた」と覚えておきましょう。

  

第6項(過去4回出題)

血管新生を妨げる作用は、サリドマイド光学異性体のうち、一方の異性体( S体)のみが有する作用であり、もう一方の異性体( R 体)にはなく、また、鎮静作用は R 体のみが有するとされている。サリドマイドが摂取されると、 R 体と S 体は体内で相互に転換するため、 R 体のサリドマイドを分離して製剤化しても催奇形性は避けられない。
サリドマイド光学異性体のうち、R体には有害作用がないことから、R体のサリドマイドを分離して製剤化すると催奇形性を避けることができる。(H24,26)
サリドマイドは、光学異性体のS体に血管新生を妨げる作用がある。(H25)
血管新生を妨げる作用は、サリドマイド光学異性体のうち、一方の異性体であるS体のみが有するため、もう一方の異性体であるR体のサリドマイドを分離して製剤化すれば催奇形性は避けられる。(H28)

光学異性体…右手と左手のような関係です。鏡合わせでしか一致しない関係で、それぞれ役割が違うことがあります。(利き手が得意なこと、非利き手が得意なことがあるのに似ています)

・血管新生阻害作用:S体のみ

・体内でS体とR体が一定の割合になるように相互に転換(化学変化)する

⇒R体だけの製剤を作ったとしても催奇形性は避けられない ということになります。

 

第7項(過去6回出題)

1961年11月、西ドイツのレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、西ドイツでは製品が回収されるに至った。一方、我が国では、同年12月に西ドイツ企業から勧告が届いており、かつ翌年になってからもその企業から警告が発せられていたにもかかわらず、出荷停止は1962年5月まで行われず、販売停止及び回収措置は同年9月であるなど、対応の遅さが問題視された。
日本では、1961年12月に西ドイツ(当時)の企業からの勧告を受け、直ちにサリドマイド製剤の販売停止及び回収措置がなされ、対応が早いとされた。(H21)
日本では、1961年12月に西ドイツ(当時)の企業からの勧告を受け、かつ翌年になってからもその企業から警告が発せられていたにもかかわらず、出荷停止は1962年5月まで 行われず、販売停止及び回収措置も同年9月であるなど、対応の遅さが問題視されていた。(H24)
サリドマイド製剤は、1961年、西ドイツ(当時)のレンツ博士から副作用について警告が発せられ、日本では、同年速やかに販売停止及び回収措置がとられた。(H25)
日本では、1961年12月に西ドイツ(当時)の企業からの勧告を受け、かつ翌年になってからもその企業から警告が発せられていたにもかかわらず、出荷停止は1962年5月まで行われず、販売停止及び回収措置も同年9月であるなど、対応の遅さが問題視されていた。(H26)
日本では、1961年12月に西ドイツ(当時)の企業から勧告が届いており、かつ翌年になってからもその企業から警告が発せられていたにもかかわらず、出荷停止は1962年5月まで行われず、販売停止及び回収措置は同年9月であるなど、対応の遅さが問題視された。(H28)
サリドマイドによる薬害事件は、日本でのみ被害が発生し、出荷停止、販売停止及び回収措置等の対応の遅さが問題視された。(H29)

サリドマイド製剤はドイツでも販売されていて先に薬剤が発生したために、ドイツから日本に勧告、警告が届いていたが、日本の対応の遅さが問題とされたことを理解しておきましょう。

※「〇年〇月」は覚えてなくても大丈夫です!

 

 (b) スモン訴訟

 

第9項(過去8回出題)

整腸剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症(英名Subacute Myelo-Optico-Neuropathyの頭文字をとってスモンと呼ばれる。)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
スモン訴訟は、整腸剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹(り)患したことに対する損害賠償訴訟である。(H21)
スモン訴訟は、( a )剤として販売されていた( b )製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹(り)患したことに対する損害賠償訴訟である。(H22)
スモン訴訟は、解熱鎮痛薬として販売されていたアミノ酸製剤を使用したことにより、薬物依存を形成したことに対する損害賠償訴訟である。(H23)
整腸剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、( a )に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。(H24)
スモン訴訟は、解熱鎮痛薬として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。(H25)
スモン訴訟とは、鎮痛剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。(H27)
(   )として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症 (英名Subacute Myelo-Optico-Neuropathyの頭文字をとってスモンと呼ばれる。)に罹患したこ とに対する損害賠償訴訟である。(H28)
整腸剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症(英名Subacute Myelo-Optico-Neuropathy の頭文字をとってスモンと呼ばれる。)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。(H29)

「整腸剤」の

「キノホルム製剤」で

「亜急性脊髄視神経症(スモン)」に罹患したことに対する訴訟です。 

 

第10項(過去6回出題)

スモンはその症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。麻痺は上半身にも拡がる場合があり、ときに視覚障害から失明に至ることもある。
スモンはその症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。(H23)
スモンはその症状として、初期には腹部の( b )から激しい腹痛を伴う( c )を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。麻痺は上半身にも拡がる場合があり、ときに視覚障害から失明に至ることもある。(H24)
スモンの症状は、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。(H25)
スモンはその症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺 (しび)れや脱力、歩行困難等が現れる。(H26)
スモンはその症状として、激しい腹痛を伴う下痢、下半身の痺れ、歩行困難等が現れるが、 麻痺が上半身に拡がることはない。(H27)
スモンは、その症状として初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。麻痺は上半身にも拡がる場合があり、ときに視覚障害から失明に至ることもある。(H28)

症状の経過は、

腹部膨満感⇒激しい腹痛&下痢⇒下半身の痺れ・脱力・歩行困難⇒上半身に麻痺拡大⇒視覚障害・失明

となっています。

お腹→下半身→上半身→目という流れを覚えておきましょう

 

第11項

キノホルム製剤は、1924年から整腸剤として販売されていたが、1958年頃から消化器症状を伴う特異な神経症状が報告されるようになり、米国では1960年にアメーバ赤痢に使用が制限された。
サリドマイド製剤と異なり、キノホルム製剤は、一般用医薬品として販売されていた製品ではない。(H27)
スモンの原因となったキノホルム製剤は、米国では1960年になって、アメーバ赤痢に使用が限定された。(H27)
キノホルム製剤には、一般用医薬品として販売されていた製品もある。(H29)

 サリドマイド製剤と同様一般用医薬品として販売されていたものもあります。

 

第13項

1971年5月に国及び製薬企業を被告として提訴された。被告である国は、スモン患者の早期救済のためには、和解による解決が望ましいとの基本方針に立って、1977年10月に東京地裁において和解が成立して以来、各地の地裁及び高裁において和解が勧められ、1979年9月に全面和解が成立した。
スモン訴訟は、未だ和解が成立していない。(H25)
スモン訴訟は、国及び製薬企業を被告として提訴されたものであり、和解が成立した例はない。(H26)
スモン訴訟の被告である国は、スモン患者の早期救済のためには、和解による解決が望ましいとの基本方針に立っているが、全面和解には至っていない。(H29)

 すでに全面和解しています。

年月は全く問題ではありませんので安心してください。

 

第14項

スモン患者に対しては、治療研究施設の整備、治療法の開発調査研究の推進、施術費及び医療費の自己負担分の公費負担、世帯厚生資金貸付による生活資金の貸付、重症患者に対する介護事業が講じられている。
スモン患者に対しては、治療研究施設の整備、治療法の開発調査研究の推進、重症患者に対する介護事業等が講じられている。(H22)
スモン患者に対しては、治療研究施設の整備、治療法の開発調査研究の推進、施術費及び医療費の自己負担分の公費負担等が講じられている。(H25)
スモン患者に対しては、治療研究施設の整備、治療法の開発調査研究の推進、重症患者に対する介護事業等が講じられている。(H26)

 なんか難しい政治の話はとりあえずYesでよさそうです。

 

第15項

サリドマイド訴訟、スモン訴訟を契機として、1979年、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。
HIV訴訟を契機として、1979年に医薬品副作用被害救済制度が創設された。(H24)
スモン訴訟を契機として、生物由来製品による感染等被害救済制度が創設された。(H26)
スモン訴訟等を契機として、1979年、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。(H27)
HIV訴訟を契機として、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。(H29)

 サリドマイド訴訟、スモン訴訟の後=医薬品副作用被害救済制度

HIV訴訟、CJD訴訟の後=生物由来品による感染等被害救済制度

がそれぞれ創設されました。

 

確実に2点ゲットしましょう!!

 

 

 

第1章 関連項目リンク

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

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