第2章「I 人体の構造と働き」1-1)消化器系
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1-1)消化器系
1-1)消化器系 からはおおよそ3~5問の出題があります。
ページ数は4.5pですので、1ページ1問は出る、といったところです。
出題されそうな項目は限定できます。しっかり押さえておきましょう。
第4項(過去4回出題)
消化には、消化腺から分泌される消化液による化学的消化と、咀嚼(食物を噛み、口腔内で粉砕すること)や消化管の運動による機械的消化とがある。 |
消化には、消化腺から分泌される消化液による化学的消化と、咀嚼や消化管の運動による機械的消化とがある。(H23) |
消化液に含まれる消化酵素の作用によって飲食物を分解することを化学的消化という。(H25) |
口腔における咀嚼や、消化管の運動などによって消化管の内容物を細かくして消化液と混和し、消化を容易にすることを機械的消化という。(H25) |
化学的消化とは、消化液に含まれる消化酵素の作用によって飲食物を分解することをいう。(H28) |
過去問は全てYesです。
消化酵素などによる「化学的消化」と噛む、腸が動くなどの「機械的消化」があると押さえておきましょう。
(a)口腔
第9項(過去6回出題)…必出です!
唾液には、デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素(プチアリン。唾液アミラーゼともいう)が含まれ、また、味覚の形成にも重要な役割を持つ。 唾液は、リゾチーム等の殺菌・抗菌物質を含んでおり、口腔粘膜の保護・洗浄、殺菌等の作用もある。 |
唾 液には、消化酵素(プチアリン)や殺菌・抗菌物質(リゾチーム等)が含まれている。(H22) |
唾 液には、消化酵素(プチアリン。唾液アミラーゼともいう)やリゾチーム等の殺菌・抗菌物質が含まれている。(H24) |
唾液には、デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素(プチアリン。唾液アミラーゼともいう。)が含まれている。(H26) |
唾液には、デンプンを分解する消化酵素が含まれる。(H28) |
デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素(プチアリン。唾液アミラーゼともいう。)が含まれる。(H29) |
リゾチーム等の殺菌・抗菌物質を含んでおり、口腔粘膜の保護・洗浄、殺菌等の作用もある。(H29) |
こちらも過去問は全てYesです。
唾液には消化、味覚形成、口腔粘膜の保護・洗浄・殺菌などの役割があります。
また、殺菌・抗菌物質のリゾチームを含んでいます。
覚えきれない場合は、唾液の問題はYesで勝負してもいいでしょう。
(b)咽頭、食道
第13項(過去4回出題)
嚥下された飲食物は、重力によって胃に落ち込むのでなく、食道の運動によって胃に送られる。 |
嚥下された飲食物は、重力によって胃に落ち込むのではなく、食道の運動によって胃に送られる。(H21) |
嚥下された飲食物は、重力によって胃に落ち込むのではなく、食道の運動によって胃に送られる。(H24) |
嚥下された飲食物は、食道の運動によって胃に送られるのではなく、重力によって胃に落ち込む。(H28) |
嚥下された飲食物は、重力によって胃に落ち込むのでなく、食道の運動によって胃に送られる。(H29) |
ごっくんと飲み込んだ後は逆立ちしても胃に到着するよ、ということです。(良い子はマネしないでね)
第15項(過去4回出題)
食道は喉もとから上腹部のみぞおち近くまで続く、直径1~2cmの管状の器官で、消化液の分泌腺はない。 |
食道は喉元から上腹部のみぞおち近くまで続く管状の器官で、消化液の分泌腺はない。(H21) |
食道は喉もとから上腹部のみぞおち近くまで続く管状の器官で、消化液の分泌腺はない。(H24) |
食道には、消化液の分泌腺がある。(H28,29) |
直径1~2cmというのは、大人の手の人差し指または親指くらいの太さです。
食道は口から胃に食べ物を運ぶのが役割で、食道では消化は行われないし、消化液も分泌されません。
(c)胃
第17項
胃の内壁は粘膜で覆われて多くのひだをなしている。粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃腺につながって塩酸(胃酸)のほか、ペプシノーゲンなどを分泌している。 |
胃の内壁の粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃腺につながって塩酸(胃酸)のほか、ペプシノーゲンを分泌している。(H21) |
胃の内壁は、ひだがなく平滑となっている。(H24) |
胃内壁の粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃腺につながって塩酸(胃酸)のほか、ペプシノーゲンなどを分泌している。(H25) |
胃の内壁の粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃腺につながって塩酸(胃酸)のほか、トリプシノーゲンを分泌している。(H28) |
胃粘膜には多くのひだ>無数の微細な孔>胃腺につながっている
胃腺からは胃液(=胃酸+ペプシノーゲン)が分泌される
ということを押さえておきましょう。
第22項
食道から送られてきた内容物は、胃の運動によって胃液と混和され、かゆ状となって小腸に送り出されるまで数時間、胃内に滞留する。滞留時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的短く、脂質分の多い食品の場合には比較的長い。 |
胃内容物の滞留時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的長く、脂質分の多い食品の場合には比較的短い。(H22) |
脂質分の多い食品は、炭水化物主体の食品より胃内の滞留時間が比較的短い。(H24) |
食道から送られてきた内容物は、胃の運動によって胃液と混和され、かゆ状となって小腸に送り出されるまで数時間、胃内に滞留する。(H25,28) |
炭水化物は消化されやすく、脂質は消化に時間がかかるんです。脂っこいものは胃もたれしやすい、というのを思い出せば簡単ですよね。
(e)膵臓
第30項(過去4回出題)
膵液は弱アルカリ性で、胃で酸性となった内容物を中和するのに重要である。 |
膵(すい)液は、強アルカリ性であり、胃で酸性となった内容物を中和するのに重要である。(H21) |
膵液は、中性であり、胃で酸性となった内容物を中和することはできない。(H24) |
膵液は弱酸性である。(H27) |
膵液は酸性で、胃で弱アルカリ性となった内容物を中和する。(H29) |
膵液の液性の問題で、すべてNoです。
胃液は酸性、膵液は弱アルカリ性で、最終的に中和されます。
第31項(過去6回出題)
膵臓は、炭水化物、蛋白質、脂質のそれぞれを消化するすべての酵素の供給を担っている。 |
膵(すい)臓は、炭水化物、蛋たん白質、脂質のそれぞれを消化するすべての酵素の供給を担っている。(H21) |
膵 すい 臓は、炭水化物、蛋白質、脂質のそれぞれを消化するすべての酵素の供給を担っている。(H23) |
膵臓は、炭水化物、蛋 白質、脂質のそれぞれを消化するすべての酵素の供給を担っている。(H24) |
膵臓は、炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれを消化するすべての酵素の供給を担っている。(H26) |
膵臓は膵液アミラーゼやリパーゼなど、炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれを消化する酵素の供給を担っている。(H27) |
膵臓では、炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれを消化する酵素の供給は担っていない。(H29) |
唾液は主に炭水化物を消化
胃液は主に蛋白質を消化
膵液は炭水化物、蛋白質、脂質を消化します。
第32項(過去6回出題)
膵臓は、消化腺であるとともに、血糖値を調節するホルモン(インスリン及びグルカゴン)等を血液中に分泌する内分泌腺でもある。 |
膵(すい)臓は、血糖値を調節するホルモン(インスリン及びグルカゴン)を十二指腸に分泌する。(H21) |
また、膵(すい)臓は、消化腺せんであるとともに、( b )を調節するホルモン等を血液中に分泌する内分泌腺せんでもある。(H22) |
膵 すい 臓は、消化腺 せん であるとともに、血圧を調節するホルモンを血液中に分泌する内分泌腺 でも ある。(H23) |
膵臓は、血糖値を調節するホルモン(インスリン及びグルカゴン)を分泌することはない。(H24) |
膵臓は、グルカゴンを血液中に分泌する。(H27) |
膵臓は、消化腺であるとともに、血糖値を調節するホルモン(インスリン及びグルカゴン)等を血液中に分泌する内分泌腺でもある。(H29) |
膵臓は血糖値を調節する重要な役割を持っています。
膵液は十二指腸に分泌されますが、ホルモンは血液中に分泌されます。
第33項(過去4回出題)
胃の後下部に位置する細長い臓器で、膵液を十二指腸へ分泌する。 |
膵(すい)臓は、膵(すい)液を大腸へ分泌する。(H21) |
膵臓は、膵液を大腸へ分泌する。(H24) |
膵臓は、胃の後下部に位置する細長い臓器で、膵液を空腸へ分泌する。(H27) |
膵臓は、胃の後下部に位置する細長い臓器で、膵液を十二指腸へ分泌する。(H29) |
膵液は胃酸を中和する働きも重要です。
胃酸は強酸なのでなるなるべく早く中和する必要があります。そのため「十二指腸」に分泌される、と覚えておきましょう。
第40項
小腸で吸収されたブドウ糖は、血液によって肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられる。グリコーゲンは、ブドウ糖が重合してできた高分子多糖で、血糖値が下がったときなど、必要に応じてブドウ糖に分解されて血液中に放出される。 |
小腸で吸収されたグリコーゲンは、血液によって肝臓に運ばれてブドウ糖として蓄えられる。(H22) |
小腸で吸収されたブドウ糖は、血液によって肝臓に運ばれて( a )として蓄えられる。 ( a )は、( b )が下がったときなど、必要に応じてブドウ糖に分解されて血液中に放出される。(H23) |
肝臓に蓄えられたグリコーゲンは、血糖値が下がったときなど、必要に応じてブドウ糖に分解されて血液中に放出される。(H27,28) |
腸で吸収された( a )は、血液によって肝臓に運ばれて( b )として蓄えられる。( b )は、( a )が重合してできた高分子多糖で、血糖値が下がったときなど、必要に応じて( a )に分解されて血液中に放出される。(H29) |
ブドウ糖⇔グリコーゲンの関係を理解しておきましょう。
第42項
肝臓は、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D等のほか、ビタミンB6やB12等の水溶性ビタミンの貯蔵臓器でもある。 |
肝臓は脂溶性ビタミンであるビタミンA、D等のほか、水溶性ビタミンであるビタミンB6、B12等の貯蔵臓器でもある。(H22) |
ビタミンB6やB12等の水溶性ビタミンの貯蔵臓器であるが、ビタミンAやD等の脂溶性ビタミンの貯蔵臓器ではない。(H24) |
肝臓は、ビタミンA、D等の脂溶性ビタミンは貯蔵するが、ビタミンB6やB12等の水溶性ビタミンは貯蔵しない。(H27) |
肝臓は、脂溶性ビタミンを貯蔵することはできるが、水溶性ビタミンを貯蔵することはできない。(H28) |
肝臓は素晴らしい化学工場と倉庫を兼ね備えた臓器です。
グリコーゲンも貯蔵するし、ビタミンは脂溶性も、水溶性も貯蔵できます。
ここで取り上げた12題だけでも、しっかり押さえておけば3問は正解できると思いますよ。
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第2章関連リンク======================
Ⅰ 人体の構造と働き(10~13問)
Ⅱ 薬が働く仕組み (3問)
Ⅲ 症状からみた主な副作用(4~6問)
1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等
3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用