第2章「Ⅰ人体の構造と働き」4-1)中枢神経系 、2)末梢神経系
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4-1)中枢神経系と、4-2)末梢神経系のどちらかで概ね1問出題されます。
どちらもだいたい出そうなところは限定できますので、最低限押さえておきましょう。
1)中枢神経系
第4項
脳内には多くの血管が通っているが、脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高く、タンパク質などの大分子や小分子でもイオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しにくい。このように、脳の毛細血管が中枢神経の間質液環境を血液内の組成変動から保護するように働く機能を血液脳関門という。 |
脳内には、多くの血管が通っているが、脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が低い。(H21) |
脳内には多くの血管が通っているが、脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が低い。(H23) |
脳内には多くの血管が通っているが、脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高く、血液中から脳の組織へ移行できる物質の種類は限られている。これを( )という。(H25) |
血液脳関門は、脳の毛細血管が中枢神経の間質液環境を血液内の組成変動から保護するように働く機能のことをいい、脳の血管は末梢の血管に比べて物質の透過に関する選択性が高い。(H29) |
血液脳関門の話です。
動物にとって重要な脳細胞はその周りを埋めている間質液で環境のバランスを保たれているため、そう簡単にバランスを崩すような物質の出入りができないようになっています。そのことを「物質の透過に関する選択性が高い」といいます。
第6項
延髄には、心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢等がある。延髄は多くの生体の機能を制御する部位であるが、複雑な機能の場合はさらに上位の脳の働きによって制御されている。 |
延髄は、心拍数を調節したり、呼吸を調節したりするなど、多くの生体の機能を制御するが、複雑な機能の場合にはさらに上位の脳の働きによって制御されている。(H21) |
延髄には、心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢がある。(H23) |
脊髄には、心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢がある。(H27) |
延髄で、「生きる」ための基本的な機能である《心機能》《呼吸機能》などをコントロールされています。《感情》《思考》といった複雑な機能は脳で支配されます。
脊髄は脊椎(背骨)の中を通る神経の束です。
第7項
脊髄は脊椎の中にあり、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合があり、これを脊髄反射と呼ぶ。 |
脊髄は、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合がある。(H21,22) |
脊髄は脊椎の中にあり、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合がある。(H23) |
延髄は脊椎の中にあり、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合があり、これを末梢反射と呼ぶ。(H27) |
中学校の理科で習いましたね。。
熱いものを触ってしまったときにすぐに指を引っ込める動作や、目に虫が飛び込んできそうになってひたすら瞬きをしたり、椅子に座って膝小僧の下部をこつんと叩くと膝から下がびよーんと前に出たりする、のが脊髄反射です。(脊髄は首から下を支配しているので、目をつぶるのは確かに反射ではあるのですが、脊髄反射ではありませんでした。)
一般に情報の伝達は、末梢(体の先)→脊髄→脳と伝わり、脳で必要な指示を考えて、脳→脊髄→末梢と指示が伝わり、体が動きます。
これでは身を守るの時間がかかる場合もあるため、主に体の危険を避けるために脊髄反射があるのです。
2)末梢神経系
第9項
自律神経系は、交感神経系と副交感神経系からなる。概ね、交感神経系は体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働き、副交感神経系は体が食事や休憩等の安息状態となるように働く。 |
概ね、副交感神経系は体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働き、交感神経は体が食事や休憩等の安息状態となるように働く。(H22) |
概ね、交感神経系は体が食事や休憩等の安息状態となるように働き、副交感神経系は体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働く。(H26,28) |
自律神経系は、交感神経系と副交感神経系からなっていて、概ね、交感神経系は体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働き、副交感神経系は体が食事や休憩等の安息状態をとるように働く。(H29) |
交感神経と副交感神経を入れ替える設問が多いです。いろんな例え方がありますが、
交感神経=スポーツの決勝戦で戦うための神経、副交感神経=家でリラックスするときの神経
と考えるといいと思います。
第11項
交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はノルアドレナリンであり、副交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はアセチルコリンである。 |
一般的に、交感神経の神経伝達物質はアセチルコリン、副交感神経の神経伝達物質はアドレナリンとノルアドレナリンである。(H22) |
交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はアセチルコリンであり、副交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はノルアドレナリンである。(H26,28) |
神経伝達物質についてですね。過去3回とも答えはNoでした。
興奮状態になることを「アドレナリンが出てる」などと表現することがありますが、その通りです。興奮する=交感神経が優位になる、ということです。
副交感神経に係るアセチルコリンは、医薬品の副作用を把握する上でとても重要な物質です。抗コリン作用はこのアセチルコリンの働きを抑制する作用のことです。
第14項
効果器 交感神経系 副交感神経系 気管、気管支 拡張 狭窄 |
副交感神経系の活動が活発になることにより、現れる作用として 気管、気管支の狭窄 (H23) |
交感神経の働きとして 気管、気管支 ― 拡張(H24) |
気管、気管支は、交感神経系が活発になると収縮し、副交感神経系が活発になると拡張する。(H26) |
気管及び気管支は、交感神経系が活発になると収縮し、副交感神経系が活発になると拡張す る。(H28) |
気管や気管支は肺につながって「呼吸に係る器官」であることは分かりますよね。
気管が広がる(拡張)⇒肺に空気がいっぱい入りやすい=酸素が沢山取り込める
ということになります。スポーツをする=体を動かす=筋肉の収縮と弛緩をたくさん繰り返す、ですがそのためにはたくさんの酸素が必要になります。
なので、交感神経が活発な時は気管は拡張することになります。
逆に家でリラックスしたり就寝中は、酸素の必要量が減り、息も穏やかになりますよね。
これまでに、効果器を置き換えての出題もありましたが、気管・気管支(4回)に対して、肝臓(1回)、唾液腺(1回)、心臓(1回)、末梢血管(2回)、目(1回)、膀胱(1回) という出題回数です。
この項目が得意な人は、すべてを押さえておくといいでしょうが、苦手な人は「気管・気管支」だけでいいので、しっかり押さえておきたいですね。
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第2章関連リンク======================
Ⅰ 人体の構造と働き(10~13問)
Ⅱ 薬が働く仕組み (3問)
Ⅲ 症状からみた主な副作用(4~6問)
1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等
3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用