第3章 「Ⅲ 胃腸に作用する薬 」2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p)
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2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) からは、1~2問が出題されていますが、H28年は出題がありませんでした。
2-2)代表的な配合成分等、主な副作用 ( 6.5 p) の頻出項目は4つです。
(b) 止瀉成分
第29項
腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜をひきしめる(収斂)ことにより、腸粘膜を保護することを目的として、次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス等のビスマスを含む成分、タンニン酸アルブミン等が配合されている場合がある。 |
次硝酸ビスマスは、腸粘膜の蛋白質と結合し、収斂作用により炎症を鎮める。(H22) |
次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマスは、腸粘膜の蛋白質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜をひきしめる(収斂)ことにより、腸粘膜を保護し、炎症を鎮める目的で配合されている場合がある。(H25) |
次没食子 (もつしょくし)酸ビスマスは、細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的として用いられる。(H27) |
細菌感染による下痢は下痢止めで止めてはいけません。
異物を体外に早く排出させるために、身体は「下痢」という手段を取っています。それなのに薬で下痢を止めてしまったら、細菌が体内に留まる時間が長くなってしまい症状が長引いたり悪化したりしてしまいます。
ビスマス=収斂で腸粘膜保護と覚えましょう。
第32項(過去5回出題)頻出です!
タンニン酸アルブミンについては、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)から精製された成分であるため、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。 |
タンニン酸アルブミンは、卵に含まれるカゼインに由来するため、鶏卵アレルギーの人には使用を避ける必要がある。(H22) |
タンニン酸アルブミンは、牛乳にアレルギーのある人では使用を避ける必要がある。(H24) |
タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、牛乳に含まれる蛋白質(カゼイン)から精製された成分であるため、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。(H25) |
タンニン酸アルブミンは、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。(H26) |
タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)から精製された成分であるが、タンニン酸と化合しているので牛乳にアレルギーがある人でも使用することができる。(H29) |
タンニン酸アルブミンとアレルギーに関する問題です。
と覚えましょう。
第33項
ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢の症状に用いられることを目的としており、食あたりや水あたりによる下痢については適用対象でない。 |
塩酸ロペラミドは、食べ過ぎ・飲み過ぎによる下痢に用いられる。(H22) |
ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢のほか、食あたりや水あたりによる下痢の症状を鎮めることを目的として用いられている。(H27) |
ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食あたりや水あたりによる下痢の症状に用いられることを目的としており、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢については適用対象でない。(H29) |
食あたりや水あたりによる下痢は、いわゆる細菌性の下痢です。通常の下痢止め薬で下痢を止めてしまうと細菌が体内に留まってしまうため使用してはいけません。
第34項
中枢神経系を抑制する作用もあり、副作用としてめまいや眠気が現れることがあるため、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要がある。また、中枢抑制作用が増強するおそれがあるため、服用時は飲酒しないこととされている。 |
塩酸ロペラミドは、中枢神経系を抑制する作用もあり、副作用としてめまいや眠気が現れることがあるため、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要がある。(H24) |
ロペラミド塩酸塩は、中枢神経系を抑制する作用もあり、副作用としてめまいや眠気が現れることがあるため、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要がある。(H26) |
ロペラミド塩酸塩は中枢神経系を抑制する作用もあり、副作用としてめまいや眠気が現れることがあるため、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要がある。(H29) |
過去3回出題されていますが、3回とも同じ内容です。
- ロペラミドには中枢抑制作用がある
- 中枢抑制=眠気など ⇒ 運転不可!
と押さえておきましょう。
(c)瀉下成分
第40項
【ヒマシ油について】 急激で強い瀉下作用(峻下作用)を示すため、激しい腹痛又は悪心・嘔吐の症状がある人、妊婦又は妊娠していると思われる女性、3歳未満の乳幼児では使用を避けることとされている。 |
ヒマシ油は、瀉下薬として比較的作用が穏やかなため、主に乳幼児の便秘に用いられる。(H22) |
瀉下薬としては比較的作用が穏やかなため、3歳未満の乳幼児に用いられる。(H23) |
ヒマシ油は、弱い瀉下作用を示すため、妊婦又は妊娠していると思われる女性に使用しても問題ない。(H26) |
瀉下成分からは頻出項目は1題のみです。
ヒマシ油は、急激で強い瀉下作用があり、3歳未満や妊婦さんは使用不可です。
2-3)相互作用、受診勧奨(1.2p)からは過去3題だけ出題がありましたが、スルーでいいでしょう。
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第3章関連リンク=====================
第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向)
Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問)
1 かぜ薬 (3~4問)
6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬) (0~1問)
Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)
1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)
2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)
Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)
1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)
2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)
Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)
Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)
Ⅵ 婦人薬(1~2問)
Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)
Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)
Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)
Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)
XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)
Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)
XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)
XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)
XV 公衆衛生用薬(2~3問)
XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)
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