第3章 「Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬」1 強心薬 ( 3.2 p)
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「Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬」からは3~4問の出題が見込まれます。ページ数は10ページほどですので、「Ⅲ 胃腸に作用する薬 ( 22 p)」よりも効率がいいですよ!
1強心薬 からは概ね1問出題されそうです。平成26年は出題がありませんでした。
過去3回以上の出題項目は7つです。
生薬成分に関する出題は一見難しそうに思いますが、出題内容を冷静に見ると意外に楽勝なことに気づくでしょう。
1)動悸、息切れ等を生じる原因と強心薬の働き
第2項
強心薬は、疲労やストレス等による軽度の心臓の働きの乱れについて、心臓の働きを整えて、動悸や息切れ等の症状の改善を目的とする医薬品である。心筋に作用して、その収縮力を高めるとされる成分(強心成分)を主体として配合される。 |
強心薬は、心臓の働きを整えて、動悸や息切れ等の症状の改善を目的とする医薬品であり、代表的な配合成分として、センソやロクジョウ等が用いられる。(H21) |
強心薬は、疲労やストレス等による軽度の心臓の働きの乱れについて、心臓の働きを整えて、動悸 や息切れ等の症状の改善を目的とする医薬品である。(H28) |
強心薬は、疲労やストレス等による軽度の心臓の働きの乱れについて、心臓の働きを整えて、動悸や息切れ等の症状の改善を目的とする医薬品である。心筋に作用して、その収縮力を高めるとされる成分(強心成分)を主体として配合される。(H29) |
全てYesです。
「心筋に作用して」の部分は難しく考えないようにしましょう。
強心成分としては、センソ、ゴオウ、ロクジョウ、ジャコウなどがありますが、ジャコウ以外は頻出項目です。
センソ、ゴオウ、ロクジョウは強心成分と覚えましょう。
2)代表的な配合成分等、主な副作用
(a)強心成分
第3項(過去4回出題)
① センソ ヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬で、微量で強い強心作用を示す。皮膚や粘膜に触れると局所麻酔作用を示し、センソが配合された丸薬、錠剤等の内服固形製剤は、口中で噛み砕くと舌等が麻痺することがあるため、噛まずに服用することとされている。 |
センソは、ヒキガエル科のシナヒキガエル又はヘリグロヒキガエルの毒腺の分泌物を集めたもので、微量で強い強心作用を示す。(H25) |
センソが配合された丸薬、錠剤等の内服固形製剤は、口中でよく噛み砕いて服用することとされている。(H27) |
センソが配合された丸薬、錠剤等の内服固形製剤は、口中で噛み砕くと舌等が麻痺することがあるため、噛まずに服用することとされている。(H28) |
センソが配合された丸薬、錠剤等の内服固形製剤は、吸収を促すため、口中で噛み砕いて服用するものとされている。(H29) |
センソ=刺激性、と覚えましょう。
ついでに余裕があればセンソ=ヒキガエルも覚えておくといいでしょう。
第4項
①センソ 一般用医薬品では、1日用量が 5mg 以下となるよう用法・用量が定められており、それに従って適正に使用される必要がある。なお、通常用量においても、悪心(吐きけ)、 嘔吐の副作用が現れることがある。 |
センソは一般用医薬品では、1日用量が5mg以下になるよう用法・用量が定められている。(H24) |
一般用医薬品において、センソは1日用量が5mg以下となるよう用法・用量が定められてお り、それに従って適正に使用される必要がある。なお、通常用量においても、悪心(吐きけ)、嘔吐の副作用が現れることがある。(H27) |
一般用医薬品では、センソの1日用量が5mg以下となるよう用法・用量が定められている。(H28) |
全てYesです。
カエルの毒ですからね。上限があることを当然だと思っておきましょう。
上限は何mg?という問題は出ません!(たぶん…)
第6項(過去6回出題)最頻出です!
② ジャコウ、ゴオウ、ロクジョウ ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。 |
ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を用いた生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を鎮める等の作用があるとされており、強心薬のほか、小児 鎮静薬に配合されることがある。(H21) |
ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を用いた生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を鎮める等の作用があるとされる。(H22,23,25) |
ジャコウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を用いた生薬で、強心作用のほか、末梢血管拡張による血圧降下、興奮を鎮める等の作用があるとされる。(H24) |
ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされている。(H27) |
ロクジョウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、 末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を鎮める等の作用があるとされる。(H28) |
ほぼ毎年出ると思ってきましょう。
ゴオウは漢字で「牛黄」と書きます。それだけ覚えておけばいいです。
第7項(過去4回出題)
② ジャコウ、ゴオウ、ロクジョウ ロクジョウは、シカ科のマンシュウアカジカ又はマンシュウジカの雄のまだ角化していない、若しくは、わずかに角化した幼角を基原とする生薬で、強心作用の他、強壮、血行促進等の作用があるとされる。 |
ロクジョウは、シカ科のシベリアジカ、マンシュウアカジカ等の雄の幼角を用いた生薬で、強心作用の他、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる等の作用があるとされる。(H22) |
ロクジョウは、シカ科のシベリアジカ、マンシュウアカジカ等の雄の幼角を用いた生薬で、 強心作用の他、強壮、血行促進等の作用があるとされる。(H23) |
ロクジョウは、ウグイスガイ科のアコヤガイ、シンジュガイ又はクロチョウガイ等の外套(とう)膜組成中に病的に形成された顆粒状物質を基原とする生薬で、鎮静作用等を期待して用いられる。(H27再掲) |
ロクジョウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を鎮める等の作用があるとされる。(H28再掲) |
ロクジョウは漢字で「鹿茸」と書きます。その他の作用として血行促進があることも押さえておくといいですね。
H22年の後半は「ジャコウ」に関する記述、
H27年は「シンジュ」に関する記述、
H28年は「ゴオウ」に関する記述です。
(b)強心成分以外の配合成分
第9項(過去4回出題)
② シンジュ ウグイスガイ科のアコヤガイ、シンジュガイ又はクロチョウガイ等の外套(ガイトウ)膜組成中に病的に形成された顆粒状物質を基原とする生薬で、鎮静作用等を期待して用いられる。 |
シンジュは、ウグイスガイ科のアコヤガイ等の殻内肉組織中に形成される球状の塊を粉末にしたもので、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられる。(H22) |
シンジュは、ウグイスガイ科のアコヤガイ等の殻内肉組織中に形成される球状の塊を粉末にしたもので、鎮静作用等を期待して用いられる。(H23,25) |
ロクジョウは、ウグイスガイ科のアコヤガイ、シンジュガイ又はクロチョウガイ等の外套(とう)膜組成中に病的に形成された顆粒状物質を基原とする生薬で、鎮静作用等を期待して用いられる。(H27) |
シンジュはウグイスガイ科のアコヤガイ、シンジュガイ又はクロチョウガイ等の外套膜組成中に病的に形成された顆粒状物質を基原とする生薬で、鎮静作用等を期待して用いられる。(H29) |
シンジュとはあの「真珠」のことです。そして、シンジュ=鎮静、と覚えておきましょう。
3)相互作用、受診勧奨
第12項
強心薬については一般に、5~6日間使用して症状の改善がみられない場合には、心臓以外の要因、例えば、呼吸器疾患、貧血、高血圧症、甲状腺機能の異常等のほか、精神神経系の疾患も考えられる。医薬品の販売等に従事する専門家においては、強心薬を使用した人の状況に応じて、適宜、医療機関の受診を勧奨することが重要である。 |
強心薬について、一般に、5~6日間使用して症状の改善がみられない場合には、心臓以外の要因が考えられるので、強心薬を使用した人の状況に応じて、適宜、医療機関の受診を勧奨することが重要である。(H21) |
強心薬については一般に、5~6日間使用しても症状の改善がみられない場合には、心臓以外の要因も考えられるので、医薬品の販売等に従事する専門家は、医療機関の受診を勧奨することが重要である。(H24) |
一般に、強心薬を5~6日間使用して症状の改善がみられない場合には、心臓以外の要因、例えば、呼吸器疾患、貧血、高血圧症、甲状腺機能の異常等のほか、精神神経系の疾患も考えられる。医薬品の販売等に従事する専門家においては、強心薬を使用した人の状況に応じて、適宜、医療機関の受診を勧奨することが重要である。(H29) |
全てYesです。
息切れや動悸の原因は、一時的な心機能の低下だけとは限らず、様々な要因が関係することもあります。
一時的な症状で強心薬を使用して治まるならいいけど、だらだら使っていて言い訳はありませんよね。だって心臓ですもんね。
まとめ
基原に関すること | 覚えること | |
センソ | カエルの毒 | 刺激性&1日5mgまで |
ジャコウ | ジャコウジカ | 呼吸機能 |
ゴオウ | 牛黄 | 末梢血管の拡張 |
ロクジョウ | 鹿茸 | 血行促進 |
シンジュ | 真珠 | 鎮静 |
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第3章関連リンク=====================
第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向)
Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問)
1 かぜ薬 (3~4問)
6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬) (0~1問)
Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)
1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)
2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)
Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)
1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)
2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)
Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)
Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)
Ⅵ 婦人薬(1~2問)
Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)
Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)
Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)
Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)
XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)
Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)
XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)
XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)
XV 公衆衛生用薬(2~3問)
XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)
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