登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

過去問を完全分析して見えてくる最強対策

第3章 「Ⅷ 鼻に用いる薬」(3p)

 

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 Ⅷ 鼻に用いる薬(3p) からは例年1問の出題です。

3回以上の頻出項目は7つありますので、しっかり確認しておきましょう。

 

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 1)代表的な配合成分、主な副作用 ( 1.5 p) 

(a) アドレナリン作動成分

第1項

交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として、ナファゾリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分が用いられる。
塩酸テトラヒドロゾリンは、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として配合されている場合がある。(H23)
塩酸フェニレフリンは、交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として用いられる。(H25)
ナファゾリン塩酸塩は鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを期待して用いられる。(H28)

全てYesです。

まずは、〇〇ゾリンやフェニレフリン、エフェドリン類などがアドレナリン作動成分であることを覚えましょう。

鼻づまりとは、鼻粘膜の毛細血管が拡張している状態=粘膜が膨らむ(腫れる、ふやける)という状態をイメージしましょう。鼻詰まりを改善するためには腫れの元になっている血管の拡張を改善すればいいのです。

アドレナリン作動成分は交感神経を刺激して、血管を収縮=鼻づまり改善の効果があるということです。店頭で商品選択の際にも重要な知識ですのでこの際しっかり覚えておきましょう。

 

第2項

アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。
塩酸ナファゾリンが配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。(H22)
塩酸ナファゾリンは、過度の使用により、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。(H24)
アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。(H27)

全てYesです。

いわゆるリバウンドですね。効き目がいい分使い過ぎには気を付けて!ということです。これもしっかり覚えておきましょう。

 

(c)ヒスタミンの遊離を抑える成分

第5項(過去6回出題)最頻出です!

クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト(室内塵)等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。

【鼻炎用点鼻薬に配合されるクロモグリク酸ナトリウムに関して】

交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげるアドレナリン作動成分である。(H21)

クロモグリク酸ナトリウムは、抗ヒスタミン薬と併用されると副作用が現れやすいので組み合わせて用いられない。(H22)
マレイン酸クロルフェニラミンは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える抗アレルギー成分である。(H24)
クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト(室内塵)等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として配合される。(H25)
クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。(H26)
クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体に結合するのを妨げることにより、抗アレルギー作用を示す。(H28)

アレルギーは以下のような流れで発症します。

アレルギー物質(アレルゲン)

 ⇒(a)肥満細胞

 ⇒(b)ヒスタミン遊離

 ⇒(c)各部位でアレルギー反応

クロモグリク酸ナトリウムは(b)に、クロルフェニラミンマレイン酸塩など抗ヒスタミン成分は(c)に働いてその反応を抑制します。

クロモグリク酸が(b)を抑制する働きはそれほど強くないため、抗ヒスタミン成分の補助的な役割として配合されることが多いですね。

ほぼ毎年出ると思ってしっかり準備しておきましょう!!

 

(d) 局所麻酔成分

第9項

鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として、リドカイン、リドカイン塩酸塩等の局所麻酔成分が配合されている場合がある。
塩酸リドカインは、鼻粘膜を清潔に保ち、細菌による二次感染を防止することを目的として配合される。(H22)
局所麻酔成分であるリドカインは、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合されている場合がある。(H25)
リドカインは、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合されている場合がある。(H27)

 リドカインは局所麻酔成分と覚えておきましょう。

 

(e) 殺菌消毒成分

第10項(過去5回出題)頻出です!

鼻粘膜を清潔に保ち、細菌による二次感染を防止することを目的として、ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物のような殺菌消毒成分が配合されている場合がある。いずれも陽性界面活性成分で、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示す。結核菌やウイルスには効果がない。
塩化ベンゼトニウムは、局所麻酔成分として、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒かゆみを抑えることを目的として配合される。(H22)
塩化ベンゼトニウムは、細菌による二次感染を防止することを目的として配合される。(H24)
セチルピリジニウム塩化物は、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合される局所麻酔成分である。(H26)
ベンザルコニウム塩化物は、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示すほか、結核菌やウイルスにも効果を示す。(H27)
ベンザルコニウム塩化物は、鼻粘膜を清潔に保ち、細菌などの微生物による二次感染を防止する目的として用いられ、結核菌やウイルスにも効果を示す。(H28)

 ポイントは2つ!

・ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、セチルピリジニウムは殺菌成分で細菌による二次感染を防止するのが目的

・それらは結核菌やウイルスには効果はない

ということです。

セチルピリジニウム塩化物はCMでおなじみヴィックスドロップの主成分ですね。

 

2)相互作用、受診勧奨 ( 0.5 p) 

第12項

一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲は、急性又はアレルギー性の鼻炎及びそれに伴う副鼻腔炎であり、蓄膿症などの慢性のものは対象となっていない。鼻炎用点鼻薬には、それらの症状を緩和する働きはあるが、その原因そのものを取り除くわけではない。
蓄膿症は、一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の適用対象となっていない。(H23)
一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲には、蓄膿症」などの慢性のものが含まれる。(H24)
鼻炎用点鼻薬には、アレルギー性の鼻炎等の症状を緩和し、原因そのものを取り除く作用がある。(H24)
蓄膿症などの慢性のものは、一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲となっていない。(H26)

 一般用医薬品は基本的に慢性的な症状に使用すべきではありません。

また、対症療法が基本で、原因そのものを取り除くものではないですよね。

 

第14項

鼻粘膜が腫れてポリープ(鼻茸・はなたけ)となっている場合には、一般用医薬品により対処を図ることは適当でなく、医療機関における治療(ステロイド性抗炎症成分を含む点鼻薬の処方等)が必要となる。
鼻粘膜が腫れてポリープ(鼻茸)となっている場合には、一般用医薬品のスプレー式鼻炎用点鼻薬の使用が効果的である。(H23)
鼻粘膜が腫れてポリープ(鼻茸)となっている場合には、一般用医薬品を長期連用することにより、回復が期待できるため、医療機関を受診する必要がない。(H24)
鼻粘膜が腫れてポリープ(鼻茸)となっている場合には、一般用医薬品のスプレー式鼻炎用点鼻薬の使用が適当である。(H26)

 鼻腔内に出来た良性のポリープ(腫瘤)のことを鼻茸といいます。文字通り鼻の中に出来た傘のない茸をイメージすると分かりやすいですね。

私も高校3年生の夏に耳鼻科でレーザーで処置をしてもらいました。(その日の夜はジンジンして眠れなかったのを覚えています)

この通り市販薬で何とかするレベルではないですよ、ということを理解していれば大丈夫です。

より詳しく知りたい人は「鼻茸」で画像検索をするとすぐ理解できるでしょう。

 

頑張っても1問しか出題されないので気楽にやるといいでしょう。

 

 

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第3章関連リンク=====================

第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向) 

Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問) 

 1 かぜ薬 (3~4問)

  1)かぜの諸症状、かぜ薬の働き

  2)主な配合成分等

  3)主な副作用、相互作用、受診勧奨 

 2 解熱鎮痛薬 (1~2問)

 3 眠気を促す薬 (0~1問)

 4 眠気を防ぐ薬 (1問)

 5 鎮暈(うん)薬(乗物酔い防止薬)(1問)

 6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)  (0~1問)

Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)

 1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)

  1)咳や痰が生じる仕組み、鎮咳去痰薬の働き 2)a

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 bcd

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
 2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)

  総論

  1)代表的な配合成分等、主な副作用

  2)相互作用、受診勧奨

Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)

 1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)

 2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)

 3 胃腸鎮痛鎮痙薬 ( 2.5 p) (0~1問)

 4 その他の消化器官用薬 ( 3.5 p) (1~2問)

Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)

 1 強心薬 ( 3.2 p)(1問)

 2 高コレステロール改善薬 ( 3 p)(1~2問)

 3 貧血用薬(鉄製剤) ( 2 p)(1問)

 4 その他の循環器用薬 ( 2.5 p)(0~1問)

Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)

Ⅵ 婦人薬(1~2問)

Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)

Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)

Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)

Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)

  1)きず口等の殺菌消毒成分 ( 3 p)

  2)~6)(12p)

XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)

 1 歯痛・歯槽膿漏用薬 ( 3 p)

 2 口内炎用薬 ( 1.5 p)

Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)

XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)

XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)

XV 公衆衛生用薬(2~3問)

  1 消毒薬( 2.5 p)

 2 殺虫剤・忌避剤 ( 6.5 p)

XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)

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