登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

過去問を完全分析して見えてくる最強対策

第3章 「XIV 漢方処方製剤・生薬製剤」 ( 6 p)

 

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XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p) からは1~3問出題されています。

ここ数年は2~3問出題されているので、2問は出る、と思っておきましょう。

ページ数は多めですが、出題項目は限定的です。

過去3回以上の出題項目は8つあります。

8つ押さえて2問GETというつもりでいきましょう。

 

漢方処方で押さえておくべきものは、「防風通聖散」だけです。

 

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1-1)漢方の特徴・漢方薬使用における基本的な考え方 ( 1.5 p)

第2項

漢方薬を使用する場合、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要である。漢方の病態認識には虚実、陰陽、気血水、五臓などがある。一般用に用いることが出来る漢方処方は、現在 270 処方程度であるが、平成 20 年の審査管理課長通知により、医薬品の効能効果の表現に、この「証」の考え方を盛り込んだ見直しが行われた。
漢方薬を使用する場合、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要であり、平成20年の審査管理課長通知により、医薬品の効能効果の表現に、この「証」の考え方を盛り込んだ見直しが行われた。(H26)
漢方処方製剤を使用する場合、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、 有効性を確保するために重要である。(H27)
漢方薬を使用する場合、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要である。(H28,29)

 全てYesです。

漢方薬患者の病態を「証」という概念でとらえた上で、適用すべき処方を決定するというのが特徴であり大前提となっています。

おなじような「風邪」症状でも、「ひき始めだがまだまだ元気」という人と「長引いていて食事を摂るのも大変」という人では適用すべき処方は違います。

 

第7項

漢方処方製剤を利用する場合、患者の「証」に合った漢方処方が選択されれば効果が期待できるが、合わないものが選択された場合には、効果が得られないばかりでなく、副作用を招きやすくなる。【改訂前:患者の証(体質及び症状)に基づく考え方とは、体質を虚証と実証とに分類し、それに応じて処方を選択する考え方である。】
漢方処方製剤においても、患者の証(体質及び症状)に適さない漢方処方製剤が使用されたために症状の悪化や副作用が起こることがある。(H21)
患者の体質を虚証と実証に分類し、処方の選択を考える。(H24)
「証」に適さない漢方処方製剤が使用された場合であっても、症状の悪化や副作用を引き起こすことはない。(H27)

 漢方薬は副作用がない、と一般的に思われているかもしれませんが、漢方薬も医薬品ですので副作用は起こり得ます。

その例として「証が合わない」場合があります。しっかり証を確認して、漢方製剤を選択しましょう。

 

第8項(過去5回出題)頻出です!

漢方処方製剤においても、間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起きることがある。
漢方処方製剤の使用により、肝機能障害のような重篤な副作用を起こすことはない。(H23)
漢方薬はすべて作用が穏やかで、副作用が少ない。(H24)
一般用医薬品として販売される漢方処方製剤は作用が穏やかなので、重篤な副作用が起きることはない。(H25)
漢方処方製剤の使用により、間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起きることがある。(H26)
漢方薬は作用が穏やかなため、間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用は起こらない。(H29)

 漢方薬でも重篤な副作用が起こり得る、としっかり理解しておきましょう。

 

第9項(過去7回出題)最頻出です!

漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないこととされている。
漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないこととされている。(H21,23,24,25,29)
漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、( )には使用しないこととされている。(H22)
漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合、生後3ヶ月未満の乳児にも使用することができる。(H27)

 漢方薬は生後3か月までは使用不可、と絶対覚えましょう!

 

1-2)代表的な漢方処方製剤、適用となる症状・体質、主な副作用 ( 1.5 p)

第12項

(c) 防風通聖散
体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、肥満症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、発汗傾向の著しい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。また、小児に対する適用はない。また、本剤を使用するときには、他の瀉下薬との併用は避けることとされている。
体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸 ・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症、湿疹 、ふきでもの、肥満症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、発汗傾向の著しい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。本剤を使用するときには、他の瀉下薬との併用は避けることとされている。また、小児に対する適用はない。(H26)
防風通聖散 - 体力中等度以上で,のぼせぎみで顔色赤く,いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血、不眠症神経症、胃炎、二日酔い、血の道 症、めまい、動悸 、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎(H28)
力が充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、肥満症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、発汗傾向の著しい人では、激しい腹痛に伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。(H29)

防風通聖散は昔は地味に漢方薬コーナーに商品が陳列されているくらいでしたが、最近はダイエットコーナーで「ナイシトール」「コッコアポ」などを見かけますね。

防風通聖散は体力ある人向けの代謝を上げて便秘がちな人に適しています。

「皮下脂肪」「便秘」などのキーワードがなければ、防風通聖散とは違う!と思いましょう。 

 

 

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1-3)相互作用、受診勧奨 ( 0.6 p)

第14項

漢方処方を構成する生薬には、複数の処方で共通しているものもあり、同じ生薬を含む漢方処方製剤が併用された場合、作用が強く現れたり、副作用を生じやすくなる恐れがある。
漢方処方を構成する生薬には、複数の処方で共通しているものもあり、同じ生薬を含む漢方処方製剤が併用された場合、作用が強く現れたり、副作用を生じやすくなるおそれがある。(H23,26)
漢方処方を構成する生薬には、複数の処方で共通しているものもあり、同じ生薬を含む漢方処方製剤が併用された場合、作用が強く現れたり、副作用を生じやすくなる恐れがある。(H24)

全てYesです。

H24年は最後のところが「恐れ」と感じになっているだけの違いです。

構成生薬の重複にも気を付ける必要がありますよ、ということです。 

 

2-1)代表的な生薬成分、主な副作用 ( 1.5 p)

第19項(過去4回出題)

(a) ブシ

キンポウゲ科のハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を減毒加工して製したものを基原とする生薬であり、心筋の収縮力を高めて血液循環を改善する作用を持つ。血液循環が高まることによる利尿作用を示すほか、鎮痛作用を示すが、アスピリン等と異なり、プロスタグランジンを抑えないことから、胃腸障害等の副作用は示さない。

ブシ         - 利尿、鎮痛等(H24)
ボウフウは、キンポウゲ科のハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を減毒加工して製したものを基原とする生薬であり、心筋の収縮力を高めて血液循環を改善する作用を持つ。(H27)
キンポウゲ科のハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を減毒加工して製したものを基原とする生薬であり、心筋の収縮力を高めて血液循環を改善する作用を持つ。血液循環が高まることによる利尿作用を示すほか、鎮痛作用を示すが、アスピリン等と異なり、プロスタグランジンを抑えないことから、胃腸障害等の副作用は示さない。(H28)
ブシは、キンポウゲ科のハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を減毒加工して製したものを基原とする生薬であり、心筋の収縮力を高めて血液循環を改善する作用を持つ。(H29)

 トリカブトは毒性の強い植物ですが、適切な処置をすることで生薬として利用できます。その作用はいろいろありますが、細かいことは覚えなくてもよさそうです。

ブシ=トリカブト、と覚えましょう(トリカブシ、と覚えるのはどうですか?)

 

第20項(過去4回出題)

(b) カッコン

マメ科のクズの周皮を除いた根を基原とする生薬で、解熱、鎮痙等の作用を期待して用いられる。

マメ科のクズの根を用いた生薬で、解熱、鎮痙けい等の作用を期待して用いられる。(H21)
カッコン     - 解熱、鎮痙等(H24)
カッコンは、マメ科のクズの周皮を除いた根を基原とする生薬で、解熱、鎮痙等の作用を期待して用いられる。(H27,29)

 全てYesです。

クズ(葛)の「根」なので、葛根ということですね。

カッコンの作用は葛根湯をイメージするとなんとなく分かりますよね。

 

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第3章関連リンク=====================

第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向) 

Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問) 

 1 かぜ薬 (3~4問)

  1)かぜの諸症状、かぜ薬の働き

  2)主な配合成分等

  3)主な副作用、相互作用、受診勧奨 

 2 解熱鎮痛薬 (1~2問)

 3 眠気を促す薬 (0~1問)

 4 眠気を防ぐ薬 (1問)

 5 鎮暈(うん)薬(乗物酔い防止薬)(1問)

 6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)  (0~1問)

Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)

 1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)

  1)咳や痰が生じる仕組み、鎮咳去痰薬の働き 2)a

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 bcd

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
 2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)

  総論

  1)代表的な配合成分等、主な副作用

  2)相互作用、受診勧奨

Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)

 1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)

 2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)

 3 胃腸鎮痛鎮痙薬 ( 2.5 p) (0~1問)

 4 その他の消化器官用薬 ( 3.5 p) (1~2問)

Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)

 1 強心薬 ( 3.2 p)(1問)

 2 高コレステロール改善薬 ( 3 p)(1~2問)

 3 貧血用薬(鉄製剤) ( 2 p)(1問)

 4 その他の循環器用薬 ( 2.5 p)(0~1問)

Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)

Ⅵ 婦人薬(1~2問)

Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)

Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)

Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)

Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)

  1)きず口等の殺菌消毒成分 ( 3 p)

  2)~6)(12p)

XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)

 1 歯痛・歯槽膿漏用薬 ( 3 p)

 2 口内炎用薬 ( 1.5 p)

Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)

XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)

XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)

XV 公衆衛生用薬(2~3問)

  1 消毒薬( 2.5 p)

 2 殺虫剤・忌避剤 ( 6.5 p)

XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)

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