第3章 「XV 公衆衛生用薬」 2 殺虫剤・忌避剤 ( 6.5 p)
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XV 公衆衛生用薬「2 殺虫剤・忌避剤」 ( 6.5 p)からは1問の出題が見込まれます。
ページ数がまあまあありますので、深追い、欲張りは禁物です!しっかり頻出問題を押さえましょう。
過去3回以上の出題項目は5つあります。
2-1)衛生害虫の種類と防除
第19項
蚊(アカイエカ、シナハマダラカ等)は、吸血によって皮膚に発疹や痒みを引き起こすほか、日本脳炎、マラリア、黄熱、デング熱等の重篤な病気を媒介する。 |
( a )は、吸血によって痒みを引き起こすほか、日本脳炎、マラリア、黄熱、デング熱などの重篤な病気を媒介する。(H21) |
蚊(アカイエカ、シナハマダラカ等)は、吸血によって皮膚に発疹や痒みを引き起こすほか、日本脳炎、マラリア、黄熱、デング熱等の重篤な病気を媒介する。(H25) |
イエダニは、吸血によって皮膚に発疹や痒みを引き起こすほか、日本脳炎、マラリア、黄熱、デング熱等の重篤な病気を媒介する。(H29) |
日本で暮らしていると想像が難しいですが、衛生環境の悪い国・地域では蚊が媒介するマラリアなどでの死者がまだまだ多いんですよ。
第20項
燻蒸処理を行う場合、ゴキブリの卵は医薬品の成分が浸透しない殻で覆われているため、殺虫効果を示さない。そのため3週間位後に、もう一度燻蒸処理を行い、孵化した幼虫を駆除する必要がある。 |
燻蒸処理によりゴキブリの駆除を行う場合、ゴキブリの卵は医薬品の成分が浸透しない殻で覆われているため、殺虫効果を示さない。(H25) |
燻蒸処理は、ゴキブリの卵に対して殺虫効果を示さない。(H28) |
ゴキブリの卵は、医薬品の成分が浸透しやすく、燻蒸処理を行うのが効果的とされている。(H29) |
燻蒸(クンジョウ)剤とは、殺虫剤コーナーに並ぶ「アースレッド」「バルサン」などの殺虫成分を煙として部屋に充満させるというものです。
ゴキブリの卵の殻はと非常に立派で、ほとんどの殺虫成分を寄せ付けません。
殺虫成分は卵には効かない、と覚えましょう。
第24項
イエダニは、ネズミを宿主として移動し生息場所を広げていく。吸血による刺咬のため激しい痒みを生じる。また、発疹熱などのリケッチア、ペストなどを媒介する。 |
( b )は、ネズミを宿主として移動し生息場所を広げていく。吸血による刺咬のため激しい痒みを生じ、発疹熱などのリケッチア、ペスト等を媒介する。(H21) |
ヒョウヒダニ類やケナガコナダニはネズミを宿主として移動し生息場所を広げていく。吸血による刺咬のため激しい痒みを生じる。また、発疹熱などのリケッチア、ペストなどを媒介する。(H25) |
イエダニの防除には、殺虫剤による燻蒸処理等が重要であり、宿主動物であるネズミを駆除することは重要ではない。(H28) |
ダニにはいくつかの種類がありますので整理しておくといいでしょう。
イエダニ:ネズミを宿主:吸血・激しい痒み:病気を媒介
ヒョウヒダニ・ケナガコナダニ:吸血はしない:糞や死骸がアレルゲン
イエダニはネズミを宿主とするので、ネズミの駆除も重要ですね。
2-2)代表的な配合成分・用法、誤用・事故等への対処
第26項(過去4回出題)
代表的な有機リン系殺虫成分として、ジクロルボス、ダイアジノン、フェニトロチオン、フェンチオン、トリクロルホン、クロルピリホスメチル、プロペタンホス等がある。 殺虫作用は、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と不可逆的に結合してその働きを阻害することによる。 |
ジクロルボスは、ピレスロイド系殺虫成分である。(H22) |
ダイアジノンは、有機リン系殺虫成分である。(H22) |
( a )は、有機リン系殺虫成分であり、殺虫作用は、( b )と不可逆的に結合してその働きを阻害することによる。 |
有機リン系殺虫成分の殺虫作用は、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と可逆的に結合してその働きを阻害することによる。(H29) |
有機リン系殺虫成分で押さえたいのは、ジクロルボス、ダイアジノンです。
またその作用は不可逆的にコリンエステラーゼの働きを阻害することで神経伝達に異常を起こさせます。
※不可逆的:一方通行の化学反応でいったんそうなったら元には戻らない、ということ
※コリンエステラーゼ:アセチルコリンのエステル結合を分解する酵素(この酵素が働かなくなるとアセチルコリンが過剰となり副交感神経が異常興奮となる)
第32項(過去4回出題)
プロポクスルに代表されるカーバメイト系殺虫成分、メトキサジアゾンに代表されるオキサジアゾール系殺虫成分は、いずれも有機リン系殺虫成分と同様にアセチルコリンエステラーゼの阻害によって殺虫作用を示すが、有機リン系殺虫成分と異なり、アセチルコリンエステラーゼとの結合は可逆的である。ピレスロイド系殺虫成分に抵抗性を示す害虫の駆除に用いられる。 一般に有機リン系殺虫成分に比べて毒性は低いが、高濃度又は多量に曝露して呼吸困難等の症状が出た場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。 |
プロポクスルは、殺虫補助成分である。(H22) |
プロポクスルは、代表的な( a )系殺虫成分であり、殺虫作用は、コリンエステラーゼと( b )に結合してその働きを阻害することによる。一般に( c )系殺虫成分に比べて毒性は( d )。(H23) |
ピレスロイド系殺虫成分であるプロポクスルは、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と不可逆的に結合することで殺虫作用を示す。(H26) |
有機リン系殺虫成分と同様にアセチルコリンエステラーゼの阻害によって殺虫作用を示すが、有機リン系殺虫成分と異なり、アセチルコリンエステラーゼとの結合は可逆的である。ピレスロイド系殺虫成分に抵抗性を示す害虫の駆除に用いられる。一般に有機リン系殺虫成分に比べて毒性は低いが、高濃度又は多量に曝露して呼吸困難等の症状が出た場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。(H27) |
カーバメイト系のプロポクスルも覚えましょう!
カーバメイト系は有機リン系の弟分で同じような作用ですがやや穏やか、とイメージしましょう。
穏やかなので、コリンエステラーゼ阻害作用も「可逆的」で時間が経てば元に戻る、と理解しておきましょう。
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第3章関連リンク=====================
第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向)
Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問)
1 かぜ薬 (3~4問)
6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬) (0~1問)
Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)
1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)
2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)
Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)
1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)
2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)
Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)
Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)
Ⅵ 婦人薬(1~2問)
Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)
Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)
Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)
Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)
XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)
Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)
XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)
XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)
XV 公衆衛生用薬(2~3問)
XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)
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