第4章 「Ⅳ 医薬品販売に関する法令遵守」1)適正な販売広告 ( 2.5 p)
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「Ⅳ 医薬品販売に関する法令遵守」1)適正な販売広告 ( 2.5 p)からは1~2問が出題されます。
頻出項目は10項です。出題されるとするとこの頻出項目からです。しっかり押さえておきましょう。
【総論】
第2項(過去5回出題)頻出です!
誇大広告等については、法第66条において「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」(同条第1項)とされ、「医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布する」ことはこれに該当するものとされている(同条第2項)。 |
薬事法第66条第1項では、「医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器を業務上取り扱う者は、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告してはならない」と規定されている。(H21) |
医師が効能効果を保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。(H22) |
薬事法において、何人も、医薬品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならないとされている。(H26) |
第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、( a )、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、( b )又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。(H27) |
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを( c )したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。(H27) |
化粧品について、明示的でなければ、誇大な記事を広告することは禁止されていない。(H28) |
広告についての規制です。
はっきり書いていても(明示的)、遠回しに表現していても(暗示的)、嘘っぱちや大げさな表現で広告したり、POPに書いたり、お客さんに口頭で言いふらしたりしてはいけません。という規制です。
これには医薬品以外にも医薬部外品、医療機器と化粧品などが含まれます。
また、有名な医師がテレビで紹介した商品だからといって、「〇〇医師もおススメ!」的なPOPを表示するのも不適切ですよ、となります。
第3項
「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない」とされている。 |
医薬品の広告は、薬事法第66条第3項において、「堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない」とされている。(H22) |
医薬品に関して、堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。(H28) |
堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。(H29) |
過去3回出ていますが、これは国民が快楽のために医薬品を用いることがないように規定されているものと思われます。
第4項
承認前の医薬品については、法第68条において~(略)~規定され、未承認の医薬品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告が禁止されている。 |
承認前の医薬品については、その医薬品の製造者が厚生労働大臣に届出をすれば、その医薬品の名称、製造方法、効能又は効果に関する広告をすることができる。(H21) |
承認前の医薬品については、その効能、効果等に関する広告をしてはならないが、名称のみであれば広告することはできる。(H22) |
誇大広告でなければ、未承認の医薬品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告を行うことができる。(H29) |
承認前の医薬品=治験段階の医薬品などについて、承認前にいろいろ宣伝されると医療現場が混乱することが想像できますので、禁止されています。
第5項
法第66条及び第68条は、広告等の依頼主だけでなく、その広告等に関与するすべての人が対象となる。 |
薬事法第66条(誇大広告等)及び薬事法第68条(承認前の医薬品等の広告の禁止)の対象は、広告等の依頼主のみである。(H24) |
新聞広告に医薬品の販売広告を掲載する場合、依頼主である医薬品販売業者は薬事法第66条及び第68条の規制対象となるが、掲載した新聞社は対象とならない。(H26) |
誇大広告等や承認前の医薬品等の広告の禁止は、広告等の依頼主だけでなく、その広告等に関与するすべての人が対象となる。(H28) |
医薬品等に関する広告の規制は、広告を出す側だけではなく、頼まれて広告を掲載したり放送したりする側も守る義務があります。
第7項(過去5回出題)頻出です!
一般用医薬品の販売広告としては、製薬企業等の依頼によりマスメディアを通じて行われるもののほか、薬局、店舗販売業又は配置販売業において販売促進のため用いられるチラシやダイレクトメール(電子メールを含む)、POP広告等も含まれる。(POP:Point of Purchase の略号で、購買時点広告と訳される。小売店に設置されているポスター、ステッカー、ディスプレーな どによる店頭・店内広告を指す。 ) |
一般用医薬品の販売広告には、店舗販売業で販売促進のために用いられるダイレクトメールも含まれる。(H21) |
薬局、店舗販売業において設置されているポスターやディスプレーは、一般用医薬品の販売広告にはあたらない。(H22) |
薬事法の規制の対象となる一般用医薬品の販売広告としては、テレビ、ラジオ等のマスメディアを通じて行われるものは含まれるが、店頭に設置されているポスター等のPOP広告は含まれない。(H24) |
薬局等において、販売促進のために用いられるポスターやディスプレーについても販売広告としてみなされる。(H26) |
販売促進のために用いるダイレクトメールは、一般用医薬品の販売広告には含まれない。(H28) |
広告の規制はテレビやラジオCMの放送などだけではなく、店頭のPOPや陳列ディスプレー、ポスターなどにも当てはまります。
【医薬品等適正広告基準】
第10項
漢方処方製剤の効能効果は、配合されている個々の生薬成分が相互に作用しているため、それらの構成生薬の作用を個別に挙げて説明することも不適当である。 |
漢方処方製剤の効能効果は、配合されている個々の生薬成分の作用と直接関連しないため、それらの構成生薬の作用を挙げて説明することは不適当である。(H23) |
複数の生薬で構成される漢方処方製剤について、配合されている個々の構成生薬の作用をあげて効能効果を説明することは不適当である。(H24) |
漢方処方製剤の効能効果は、配合されている生薬の作用を個別に挙げて説明することが適当である。(H29) |
漢方処方は「組み合わせの妙」で成り立っていますので、1+2=A みたいな感じです。「構成生薬の働きを足せばいい」という訳ではないことを理解しておきましょう。
第13項(過去6回出題)最頻出です!
使用前・使用後に関わらず図画・写真等を掲げる際には、こうした効能効果等の保証表現となるものは認められない。 |
医薬品の使用前・使用後を示した写真を用いて広告を行うことは、効能効果等の保証表現とはならないため、虚偽又は誇大な広告とはみなされない。(H23) |
使用前・使用後を示した図画・写真等を掲げることは、医薬品の効能・効果等について、それが確実であることを保証する表現であり、虚偽又は誇大な広告とみなされる。(H24) |
医薬品の使用前・使用後を示した図画・写真を掲げることは、その効能効果の保証表現となる。(H25) |
医薬品の使用前・使用後を示した図画・写真等を掲げることは、その効能効果の保証表現となり、不適当である。(H26) |
医薬品の使用前・使用後を示した図画・写真等を掲げることは、その効能効果等の保証表現となり、不適当である。(H27) |
医薬品の使用前・使用後を示した図画・写真等を掲げることは、不適当とされている。(H29) |
美白系、しわ改善系やダイエット系の商品なんかに多いですが、使用前後の写真を紹介して購入を促すような通販番組を見たことがあると思います。
その場合必ず「結果には個人差があり、商品を使用した結果を保証するものではありません」的な但し書きが画面の端に表示されていますよね。
現状ではこのような但し書きを入れれば、使用前後の写真を使用することは容認されていますが、但し書きがないものは「アウト!」となります。
※H24年は「確実であることを保証する表現であり」と言い切っているのが気にかかりますが、これは「確実であることを保証する表現とみなされるものであり」というふうに読み替えましょう。
第15項(過去4回出題)
チラシやパンフレット等の同一紙面に、医薬品と、食品、化粧品、雑貨類等の医薬品ではない製品を併せて掲載すること自体は問題ないが、医薬品でない製品について医薬品的な効能効果があるように見せかけ、一般の生活者に誤認を与えるおそれがある場合には、必要な承認等を受けていない医薬品の広告とみなされることがあり、その場合には法第68条の違反となる。 |
チラシ、パンフレット等において、医薬品と、食品、化粧品等の医薬品ではない製品を同一紙面に掲載することは、禁止されている。(H25) |
医薬品でない製品について、医薬品的な効能効果があるように見せかけ、一般の生活者に誤認を与えるおそれがある場合には、必要な承認等を受けていない医薬品の広告とみなされることがあり、その場合には薬事法第68条の違反となる。(H26) |
チラシやパンフレットの同一紙面に、医薬品と化粧品を併せて掲載することは認められていない。(H27) |
チラシやパンフレット等の同一紙面に、医薬品と、医薬品ではない製品を併せて掲載してはならない。(H28) |
ドラッグストアのチラシを思い浮かべましょう。
同じ紙面に食品、化粧品、医薬品、衛生用品や雑貨など様々な商品が掲載されていますよね。これ自体は全く問題がありません!
ここでは、同一紙面に複数のカテゴリーの商品が掲載されること自体は問題ない、と覚えておきましょう。
※問題になるのは、鼻炎のシーズンに内服用鼻炎薬の隣に、食品である「べにふうき茶」なんかを掲載して「症状を楽に!」みたいなコメントを入れて、さも鼻炎の症状を和らげるかのような表現になっている場合などです。
第16項
「天然成分を使用しているので副作用がない」「いくら飲んでも副作用がない」といった事実に反する広告表現は、過度の消費や乱用を助長するおそれがあるだけでなく、虚偽誇大な広告にも該当する。 |
医薬品の販売広告について、「天然成分を使用しているので副作用がない。」といった事実に反する広告表現は、過度の消費や乱用を助長するおそれのある広告に該当する。(H21) |
「天然成分を使用しているので副作用がない」として広告を行うことは、虚偽誇大な広告に該当する。(H24) |
「天然成分を使用しているので副作用がない」といった事実に反する広告表現は、過度の消費や乱用を助長するおそれがあるだけでなく、虚偽誇大な広告にも該当する。(H26) |
全てYesです。
ドラッグストアで「天然成分だから安心!」というPOPをよく見かけますが、
天然成分=安心 というのは単なる妄想です!
天然に存在する有毒なものは驚くほどたくさんあります。毒キノコ、フグ毒なんかを思い浮かべれば簡単に理解できますね。
また、副作用のない薬はない ということも絶対理解しておきましょう。
第17項(過去4回出題)
医薬関係者、医療機関、公的機関、団体等が、公認、推薦、選用等している旨の広告については、一般の生活者の当該医薬品に対する認識に与える影響が大きいことにかんがみて、仮に事実であったとしても、原則として不適当とされている。 |
医療機関や公的機関が公認、推薦している旨の広告は、一般の生活者の医薬品に対する認識に与える影響が大きいため、原則として不適当とされている。(H23) |
専門医が公認、推薦等している旨の広告は、仮に事実であったとしても原則として不適当とされている。(H24) |
医薬関係者、医療機関等が公認、推薦等している旨の広告については、一般の生活者の当該医薬品に対する認識に与える影響が大きいことにかんがみて、仮に事実であったとしても、原則として不適当とされている。(H25) |
医療機関が、公認、推薦、選用等している旨の広告については、仮に事実であったとしても、原則として不適当とされている。(H29) |
これは第2項の内容の再掲となりますね。
商品を売りたいからといって、影響力の大きいと思われる医療機関などの力を勝手に借りるようなことはフェアじゃない、と覚えておきましょう。
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第4章関連リンク=====================
第4章 薬事関係法規・制度(出題傾向)
Ⅰ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の目的等( 0.5 p) (0~1問)
Ⅱ 医薬品の分類・取扱い等(10~12問)
1)医薬品の定義と範囲
2)容器・外箱等への記載事項、添付文書等への記載事項 ( 2 p) (1問)
3)医薬部外品、化粧品、保健機能食品等
Ⅲ 医薬品の販売業の許可(5~7問)
1)許可の種類と許可行為の範囲 ( 6.5 p)(3~5問)
2)リスク区分に応じた販売従事者、情報提供及び陳列等 ( 14 p) (1~3問)
Ⅳ 医薬品販売に関する法令遵守(3~4問)
3)行政庁の監視指導、苦情相談窓口 ( 3.5 p)(1問)
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質問歓迎!!==============
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