登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

過去問を完全分析して見えてくる最強対策

第2章「III 症状からみた主な副作用 」3-1)消化器系に現れる副作用、2)呼吸器系に現れる副作用

 

3-1)消化器系に現れる副作用、2)呼吸器系に現れる副作用

 2年に1~2問出題されている感じです。

頻出問題は8題ありますので、しっかり押さえましょう。 

f:id:ashomopapa:20181118182225p:plain

1)消化器系に現れる副作用

 

(a)消化性潰瘍

 

第1項

医薬品の副作用により胃や十二指腸の粘膜組織が傷害されて、その一部が粘膜筋板を超えて欠損する状態である。胃のもたれ、食欲低下、胸やけ、吐きけ、胃痛、空腹時にみぞおちが痛くなる、消化管出血に伴って糞便が黒くなるなどの症状が現れる。
消化性潰瘍は、医薬品の副作用により胃や十二指腸の粘膜が障害され、組織が損傷した状態であり、胸やけ、空腹時にみぞおちが痛くなる、糞便が黒くなるなどの症状を生じる。(H21)
イレウス様症状(腸閉塞様症状)は、医薬品の作用により胃や十二指腸の粘膜が障害され、組織が損傷した状態である。(H23)
消化性潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜が障害され、組織が損傷した状態であり、胃のもたれ、食欲低下、胸やけ、吐き気、胃痛、空腹時にみぞおちが痛くなる、消化管出血に伴って糞便が黒くなるなどの症状を生じる。(H25)

 自分が胃潰瘍になったら、、、とイメージしておくといいでしょう。

イレウスについては(b)を参照してください。

 

第2項(過去5回出題)頻出です!

自覚症状が乏しい場合もあり、貧血症状(動悸や息切れ等)の検査時や突然の吐血・下血によって発見されることもある。
消化性潰瘍は、自覚症状が乏しい場合もあり、突然の吐血・下血あるいは貧血症状の検査を受けたときに発見されることもある。(H21)
消化性潰瘍は、自覚症状が乏しい場合があり、突然の吐血・下血あるいは貧血症状(動悸や息切れ等)の検査を受けたときに発見されることもある。(H23)

消化性潰瘍は、自覚症状が乏しい場合もあり、貧血症状(動悸や息切れ等)の検査を受けたときに発見されることもある。(H25)

消化性潰瘍は、自覚症状が乏しい場合があり、貧血症状(動悸や息切れ等)の検査時や突然の吐血・下血によって発見されることもある。(H27,28)

 全てYesです。

消化性潰瘍は普通は胃痛などの症状がありますが、じわじわと進行した場合などは自覚症状があまりない、ということもあります。

 

(b)イレウス様症状(腸閉塞様症状)

第3項

イレウスとは腸内容物の通過が阻害された状態をいう。腸管自体は閉塞していなくても、医薬品の作用によって腸管運動が麻痺して腸内容物の通過が妨げられると、激しい腹痛やガス排出(おなら)の停止、嘔吐、腹部膨満感を伴う著しい便秘が現れる。
消化性潰瘍では、激しい腹痛やガス排出(おなら)の停止、嘔吐、腹部膨満感を伴う著しい便秘が現れる。(H26)
消化性潰瘍とは、医薬品の副作用によって腸管運動が麻痺して腸内容物の通過が妨げられた状態である。(H27)
腸内容物の通過が阻害された状態を消化性潰瘍という。(H28)

 全てNoです。消化性潰瘍とイレウスを入れ替えての設問です。

 

第6項

小児や高齢者のほか、普段から便秘傾向のある人は、発症のリスクが高い。
イレウス様症状は、小児や高齢者のほか、普段から便秘傾向のある人は、発症のリスクが低いとされている。(H21)
イレウス様症状は、普段から便秘傾向のある人は発症リスクが低いとされている。(H25)
小児や高齢者のほか、普段から下痢傾向のある人は、医薬品の副作用によるイレウス様症状の発症のリスクが高いとされている。(H27)

普段から便秘傾向の人はイレウスの要注意者となります。 

 

2)呼吸器系に現れる副作用 

(a)間質性肺炎

第9項

通常の肺炎が気管支又は肺胞が細菌に感染して炎症を生じたものであるのに対し、間質性肺炎は肺の中で肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織(間質)が炎症を起こしたものである。
間質性肺炎は、肺の中で肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織で起きた肺炎である。(H21)
間質性肺炎は、気管支又は肺胞が細菌に感染して炎症を生じたものである。(H23)
間質性肺炎は、気管支又は肺胞が細菌に感染して炎症を生じたものであり、その症状は、かぜや気管支炎の症状との区別が容易である。(H27)

細菌性の肺炎は気管支や肺胞の内側(空気と触れる部分)に炎症を生じますが、間質性肺炎は肺胞の間(空気には触れない部分)に炎症を生じます。

 

第10項

間質性肺炎を発症すると、肺胞と毛細血管の間のガス交換効率が低下して血液に酸素を十分取り込むことができず、体内は低酸素状態となる。
肺胞と毛細血管の間でのガス交換効率が低下して、血液に酸素が十分取り込めずに低酸素状態となる。(H22)
間質性肺炎を発症すると、肺胞と毛細血管の間のガス交換効率が低下して血液に酸素を十分取り込むことができず、体内は低酸素状態となる。(H27,28)

肺胞の周りで炎症が生じているので、肺胞の機能自体が低下することは避けられません。肺胞の機能は「ガス交換」ですので、体内の酸素が不足するということが分かりますね。 

 

第11項(過去5回出題)頻出です!

息切れ・息苦しさ等の呼吸困難、空咳(痰の出ない咳)、発熱等の症状を呈する。 一般的に、医薬品の使用開始から1~2週間程度で起きることが多い。(略)必ずしも発熱は伴わない。(略)症状が一過性に現れ、自然と回復することもあるが、悪化すると肺線維症(肺が線維化を起こして硬くなる状態)に移行することがある。
間質性肺炎では、一般的に、痰を伴う咳が起こる。発熱は、必ずしも伴わないことがある。(H21)
息切れ・息苦しさ等の呼吸困難、空咳(痰の出ない咳)、発熱等が、医薬品の使用から1~2週間程度の間に起こる。(H22)
間質性肺炎の症状は、一般的に医薬品の使用から1~2時間程度の間に起こり、必ず発熱を伴う。(H25)
間質性肺炎では、息切れ・息苦しさ等の呼吸困難、空咳 (痰の出ない咳 )等の症状を呈し、悪化すると肺線維症に移行することがある。(H26)
間質性肺炎は、息切れ・息苦しさ等の呼吸困難、空咳(痰の出ない咳 )、発熱等の症状を呈し、 医薬品の使用開始から1~2週間程度で起きることが多い。(H28)

間質性肺炎の特徴は、①空咳(痰の出ない咳)、②使用開始から1~2週間で発症、③発熱を伴わない場合もある、あたりです。

 

第12項(過去4回出題)

これらの症状は、かぜや気管支炎の症状と区別が難しいこともあり、細心の注意を払ってそれらとの鑑別が行われている。
かぜ、気管支炎等の症状と区別することは容易である。(H22)
間質性肺炎の症状は、かぜや気管支炎等の症状と区別が難しい。(H25)
間質性肺炎は、気管支又は肺胞が細菌に感染して炎症を生じたものであり、その症状は、かぜや気管支炎の症状との区別が容易である。(H27再掲)
間質性肺炎の症状は、かぜや気管支炎の症状と簡単に区別できる。(H28)

 間質性肺炎の初期症状は、かぜとよく似ていて、店頭で区別することはほぼ無理です。医療機関ではレントゲンや血中酸素飽和度などを基に医師が鑑別します。

 

(b)喘息

第14項(過去5回出題)頻出です!

喘息は、内服薬のほか、坐薬や外用薬でも誘発されることがある。(略)特に、これまでに医薬品(内服薬に限らない)で喘息発作を起こしたことがある人は重症化しやすいので、同種の医薬品の使用を避ける必要がある。
喘息は、内服薬だけでなく坐薬や外用薬でも誘発されることがあるが、坐薬や外用薬の使用によって喘息発作を起こしたことがある人の場合、重症化しにくいため、使用を避ける必要はない。(H21)
喘息は、内服薬だけでなく坐薬や外用薬でも誘発されることがある。(H23)
喘息は、内服薬によって引き起こされ、外用薬で誘発されることはない。(H25)
喘息は、内服薬のほか、坐薬や外用薬でも誘発されることがある。(H27)
喘息は、坐薬や外用薬では誘発されない。(H28)

副作用は内服薬だけでなく、坐薬や外用薬でも起こり得る、ということを理解していれば正解できます。一度アレルギーや副作用を経験した場合、同じ医薬品を再度使用した場合には重症化することがあるので絶対にやめましょう。 

 

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  第2章関連リンク======================

第2章 出題傾向(H21~29年)

Ⅰ 人体の構造と働き(10~13問)

 1-1)消化器系

 1-2)呼吸器系

 1-3)循環器系

 1-4)泌尿器系

 2-1)目

 2-2)鼻、3)耳

 3-1)外皮系

 3-2)骨格系、3)筋組織

 4-1)中枢神経系 、2)末梢神経系

Ⅱ 薬が働く仕組み (3問) 

 1)薬の生体内運命

 2)薬の体内での働き

 3)剤形ごとの違い、適切な使用方法

Ⅲ 症状からみた主な副作用(4~6問)

 1-1)ショック(アナフィラキシー)

 1-2)重篤な皮膚粘膜障害

 1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等

 2-1)精神神経障害、2)無菌性髄膜炎

 3-1)消化器系に現れる副作用、2)呼吸器系に現れる副作用

 3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用

 3-6)皮膚に現れる副作用

 

第2章「III 症状からみた主な副作用 」2-1)精神神経障害、2)無菌性髄膜炎

2-1)精神神経障害、2)無菌性髄膜炎 範囲は約0.5ページですが3回出題の項目は2つあります。f:id:ashomopapa:20181118182031p:plain

1)精神神経障害

 第1項

医薬品の副作用によって中枢神経系が影響を受け、物事に集中できない、落ち着きがなくなる等のほか、不眠、不安、震え(振戦)、興奮、眠気、うつ等の精神神経症状を生じることがある。
医薬品の作用によって中枢神経系が刺激され、物事に集中できない、落ち着きがなくなる、 不眠、不安、震え(振戦)、興奮等の症状を生じることがある。(H25)
医薬品の副作用によって中枢神経系が影響を受け、物事に集中できない、落ち着きがなくなる、不眠、不安、震え(振戦)、興奮等の症状を生じることがある。(H27)
医薬品の副作用による精神神経症状には、不眠、不安、震え(振戦)、興奮、眠気、うつ等がある。(H28)

全てYesです。

精神神経症状としては不眠、興奮などや逆に眠気が出たりすることもあります。

ちなみに、うつは神経的には「興奮」の状態にあります。 なので不眠だったり食事が摂れなかったりします。

 

2)無菌性髄膜炎

第4項

医薬品の副作用が原因の場合、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、関節リウマチ等の基礎疾患がある人で発症リスクが高い。
無菌性髄膜炎は、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、関節リウマチ等の基礎疾患がある人で、発症するリスクが低いとされている。(H23)
無菌性髄膜炎は、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、関節リウマチ等の基礎疾患がある人には発症しない。(H25)
無菌性髄膜炎は、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、関節リウマチ等の基礎疾患がある人で発症リスクが高い。(H28)

 全身性エリテマトーデスなどは自己免疫疾患という分類になり、それらの疾患になっていると無菌性髄膜炎の発症リスクが高くなるということです。難しい話ですので、「発症リスクが低い」という問題は疑ってかかるといいでしょう。

 

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  第2章関連リンク======================

第2章 出題傾向(H21~29年)

Ⅰ 人体の構造と働き(10~13問)

 1-1)消化器系

 1-2)呼吸器系

 1-3)循環器系

 1-4)泌尿器系

 2-1)目

 2-2)鼻、3)耳

 3-1)外皮系

 3-2)骨格系、3)筋組織

 4-1)中枢神経系 、2)末梢神経系

Ⅱ 薬が働く仕組み (3問) 

 1)薬の生体内運命

 2)薬の体内での働き

 3)剤形ごとの違い、適切な使用方法

Ⅲ 症状からみた主な副作用(4~6問)

 1-1)ショック(アナフィラキシー)

 1-2)重篤な皮膚粘膜障害

 1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等

 2-1)精神神経障害、2)無菌性髄膜炎

 3-1)消化器系に現れる副作用、2)呼吸器系に現れる副作用

 3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用

 3-6)皮膚に現れる副作用

 

第2章「III 症状からみた主な副作用 」1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等

1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等

 ページ数は合わせて1.2ページで、過去3回出題されたのが3項だけです。f:id:ashomopapa:20181118181331p:plain

3)肝機能障害

 第18項

主な症状に、全身の倦怠感、黄疸のほか、発熱、発疹、皮膚の掻痒感、吐きけ等がある。

主な症状としては、全身の倦怠感、黄疸のほか、発熱、発疹、皮膚の掻痒感、吐き気等を生じる。自覚症状がみられないこともあり、健康診断等の血液検査で初めて判明する場合もある、医薬品による副作用はどれか。

更年期障害 糖尿病、腎機能障害、 肝機能障害 混合性結合組織病(H21)

主な症状に、全身の倦怠感、黄疸、発熱、発疹等がある。(H24)
無菌性髄膜炎では、全身の倦怠感、黄疸のほか、発熱、発疹 、皮膚の掻痒感、吐きけがある。(H26)

黄疸=肝機能障害と覚えておきましょう。

 

第19項

黄疸とは、ビリルビン(黄色色素)胆汁中へ排出されず血液中に滞留することにより生じる、皮膚や白眼が黄色くなる病態である。また、過剰となった血液中のビリルビンが尿中に排出されることにより、尿の色が濃くなることもある。
黄疸とは、( a )が( b )中へ排出されず血液中に滞留して、皮膚や白目が黄色くなる現象である。また、過剰な( a )が尿中に排出され、尿の色が濃くなることもある。(H23)
黄疸は、ビリルビン(胆汁色素)が胆汁中へ排出されず血液中に滞留して、皮膚や白目が黄色くなる現象である。(H24)
黄疸は、グロブリンが胆汁中へ排出されず血液中に滞留することにより生じる。(H28)

黄疸:ビリルビン:胆汁、と関連性を結び付けておきましょう。

 

4)偽アルドステロン症

第22項

偽アルドステロン症とは、体内に塩分(ナトリウム)と水が貯留し、体からカリウムが失われることによって生じる病態である。
体内に塩分(ナトリウム)と水が貯留し、体からカリウムが失われたことに伴う症状である。(H23)
体内にカリウムが貯留し、体からナトリウムが失われたことに伴う症状である。(H24)
偽アルドステロン症は体内にカリウムと水が貯留し、体からナトリウムが失われることによって生じる病態である。(H27)

ナトリウムNaとカリウムKはシーソーの関係です。

どちらかが多くなればどちらかが少なくなります。そうやってバランスを保つようにできています。

そして、ナトリウムは水分を保持する役割もあります。

つまり、カリウムが減る=ナトリウムが増える=水分が増える、と覚えておきましょう。

ちなみに、カリウムは筋肉の収縮にも重要な役割を担っていますので、血中のカリウムが多すぎたり、少なすぎたりすると筋肉の痙攣や心機能異常などが起きる可能性があります。

  

 

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  第2章関連リンク======================

第2章 出題傾向(H21~29年)

Ⅰ 人体の構造と働き(10~13問)

 1-1)消化器系

 1-2)呼吸器系

 1-3)循環器系

 1-4)泌尿器系

 2-1)目

 2-2)鼻、3)耳

 3-1)外皮系

 3-2)骨格系、3)筋組織

 4-1)中枢神経系 、2)末梢神経系

Ⅱ 薬が働く仕組み (3問) 

 1)薬の生体内運命

 2)薬の体内での働き

 3)剤形ごとの違い、適切な使用方法

Ⅲ 症状からみた主な副作用(4~6問)

 1-1)ショック(アナフィラキシー)

 1-2)重篤な皮膚粘膜障害

 1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等

 2-1)精神神経障害、2)無菌性髄膜炎

 3-1)消化器系に現れる副作用、2)呼吸器系に現れる副作用

 3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用

 3-6)皮膚に現れる副作用

 

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第2章「III 症状からみた主な副作用 」1-2)重篤な皮膚粘膜障害

1-2)重篤な皮膚粘膜障害:スティーブンス・ジョンソン症候群、ライエル症候群についての問題で、過去3回以上の頻出問題は4題あります。f:id:ashomopapa:20181118181311p:plain

 第8項(過去5回出題) これは頻出です!!

皮膚粘膜眼症候群は、38℃以上の高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が比較的短時間のうちに全身の皮膚、口、眼等の粘膜に現れる病態
熱(38℃以上)を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が、比較的短期間に全身の皮膚、口、目の粘膜に現れる病態である。(H21)
SJSは、高熱(38℃以上)を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が、比較的短期間に全身の皮膚、口、目の粘膜に現れる病態である。(H22)

高熱(38℃以上)を伴って、発疹 ・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が、比較的短期間に全身の皮膚、口、目の粘膜に現れる。 副作用はどれか。

 ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群スティーブンス・ジョンソン症候群)、 腎障害、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病(H23)

38℃以上の高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が比較的短時間のうちに全身の皮膚、口、眼等の粘膜に現れる病態である。(H27)
38℃以上の高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が、全身の皮膚、口、眼等の粘膜に現れる病態である。(H28)

H23年は選択肢から選ぶ問題ですが、他4回は全てYesでした。

 

第9項

皮膚粘膜眼症候群スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)とも呼ばれる。発生頻度は、人口100万人当たり年間1~6人と報告されている。
皮膚粘膜眼症候群は( )ともよばれる。(H21)
最初に報告をした医師の名前にちなんでライエル症候群とも呼ばれる。(H27)
ライエル症候群とも呼ばれる。(H28)

副作用名がいくつかの言い方があるのでしっかり整理しておきましょう

スティーブンス・ジョンソン症候群 SJS 皮膚粘膜眼症候群
ライエル症候群 TEN 中毒性表皮壊死融解症

 

第11項

発症機序の詳細は不明であり、また、発症の可能性がある医薬品の種類も多いため、発症の予測は極めて困難である。
SJSの発症機序は解明されており、関連する医薬品の種類も限られているため、発症の予測は容易である。(H22)
発症機序の詳細が明確にされているため、発症を予測することが容易である。(H27)
発症の可能性がある医薬品の種類は多いが、発症機序の詳細が明確になっているため、発症の予測が容易である。(H28)

全てNoです。機序不明、関連医薬品も多数で予測不可能。だから厄介なんですよね。

 

第15項

皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症は、いずれも原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多いが、1ヶ月以上経ってから起こることもある。
SJSとTENは、ともに原因と考えられる医薬品の服用後2週間以内に発症することが多いが、1ヶ月以上経ってから起こることもある。(H22)
原因と考えられる医薬品の服用後2週間以内に発症することが多いが、1ヶ月以上経ってか ら起こることもある。(H24)
原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多いが、1ヶ月以上経ってから起こる こともある。(H28)

いずれもYesです。「2週間以内に発症することが多い」というのも、厳密に症例を解析されているわけでもないので、この手の問題ではひっかけはあまりないでしょう。

ひっかけるとすれば、「2週間以内に発症することはない」とか、「1か月以上経ってから起こる事はない」など、「ありえない」系の文であれば注意が必要ですね。

 

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第2章 出題傾向(H21~29年)

Ⅰ 人体の構造と働き(10~13問)

 1-1)消化器系

 1-2)呼吸器系

 1-3)循環器系

 1-4)泌尿器系

 2-1)目

 2-2)鼻、3)耳

 3-1)外皮系

 3-2)骨格系、3)筋組織

 4-1)中枢神経系 、2)末梢神経系

Ⅱ 薬が働く仕組み (3問) 

 1)薬の生体内運命

 2)薬の体内での働き

 3)剤形ごとの違い、適切な使用方法

Ⅲ 症状からみた主な副作用(4~6問)

 1-1)ショック(アナフィラキシー)

 1-2)重篤な皮膚粘膜障害

 1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等

 2-1)精神神経障害、2)無菌性髄膜炎

 3-1)消化器系に現れる副作用、2)呼吸器系に現れる副作用

 3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用

 3-6)皮膚に現れる副作用

 

 

第2章「III 症状からみた主な副作用 」1-1)ショック(アナフィラキシー)

III 症状からみた主な副作用 からは、4~6問程度の出題が見込まれますが、H29年はなんと2問しか出ませんでした。この項が苦手な人は思い切って「捨てる」という選択もありでしょう。または頻出問題だけでも確実に解けるようにしておくだけでも十分かもしれません。

1-1)ショック(アナフィラキシー) 

f:id:ashomopapa:20181118181251p:plain

 第5項

ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する即時型のアレルギー反応の一種である。 原因物質によって発生頻度は異なり、医薬品の場合、以前にその医薬品によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人で起きる可能性が高い。
以前に医薬品の使用によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人は、その医薬品によるアナフィラキシーが起きるリスクは低いとされている。(H22)
医薬品の成分に対する即時型の過敏反応(アレルギー)である。(H22)
以前にその医薬品の使用によって蕁(じん)麻疹 等のアレルギーを起こしたことがある人で起きる可能性が高い。(H26)
ショック(アナフィラキシー)は、医薬品成分に対する遅延型のアレルギー反応である。(H28)

 一度何かの医薬品で蕁麻疹などのアレルギーが起きたことのある人は、また同じ医薬品を服用したりすると再びアレルギーが起こる可能性が高いのです。

アナフィラキシーの場合その反応速度は「即時型」といわれるほど速いものです。

ちなみに、遅延型のアレルギーとしては貼り薬などの「かぶれ」などがあります。 

  

 

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第2章 出題傾向(H21~29年)

Ⅰ 人体の構造と働き(10~13問)

 1-1)消化器系

 1-2)呼吸器系

 1-3)循環器系

 1-4)泌尿器系

 2-1)目

 2-2)鼻、3)耳

 3-1)外皮系

 3-2)骨格系、3)筋組織

 4-1)中枢神経系 、2)末梢神経系

Ⅱ 薬が働く仕組み (3問) 

 1)薬の生体内運命

 2)薬の体内での働き

 3)剤形ごとの違い、適切な使用方法

Ⅲ 症状からみた主な副作用(4~6問)

 1-1)ショック(アナフィラキシー)

 1-2)重篤な皮膚粘膜障害

 1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等

 2-1)精神神経障害、2)無菌性髄膜炎

 3-1)消化器系に現れる副作用、2)呼吸器系に現れる副作用

 3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用

 3-6)皮膚に現れる副作用

 

第2章「Ⅱ薬の働く仕組み」3)剤形ごとの違い、適切な使用方法

3)剤形ごとの違い、適切な使用方法 

 毎年概ね1問出題されます。2.5ページとやや範囲が広いので、ポイントをしっかり押さえておきたいですね。

f:id:ashomopapa:20181118175019p:plain

 第4項

① 口腔内崩壊錠 口の中の唾液で速やかに溶ける工夫がなされているため、水なしで服用することができる。固形物を飲み込むことが困難な高齢者や乳幼児、水分摂取が制限されている場合でも、口の中で溶かした後に、唾液と一緒に容易に飲み込むことができる。
口腔内崩壊錠は、口の中で唾液によって比較的速やかに溶けるため、水なしで服用できる。(H24)
口腔内崩壊錠は、口の中の唾液で速やかに溶ける工夫がなされているため、水なしで服用することができ、口の中で溶かした後に、唾液と一緒に容易に飲み込むことができる。(H26)

この剤形は、口の中の唾液で速やかに溶ける工夫がなされているため、水なしで服用することができる。固形物を飲み込むことが困難な高齢者や乳幼児、水分摂取が制限されている場合でも、口の中で溶かした後に、唾液と一緒に容易に飲み込むことができる。

口腔内崩壊錠 トローチ 軟膏剤 カプセル剤 散剤(H29)

最近は医療用医薬品でも増えている口腔内崩壊錠についてです。

H24,26年どちらもYesですね。

H29年は5つの選択肢から選ぶ問題で、なんとこれで1問(=1点)でした。

 

第10項

固形製剤よりも飲み込みやすく、また、既に有効成分が液中に溶けたり分散したりしているため、服用後、比較的速やかに消化管から吸収されるという特徴がある。
内用液剤は、比較的速やかに消化管から吸収される点が特長で、血中濃度が上昇しやすいため、習慣性・依存性がある成分等が配合されている製品では、本来の目的以外の意図で服用する不適正な使用がなされることがある。(H21)
内服液剤は固形製剤に比べ、飲み込みやすいが、消化管からの吸収は遅くなる。(H25)
経口液剤は固形製剤に比べ、飲み込みやすいが、消化管からの吸収は遅い。(H27)

経口液剤についての問題です。

剤形による吸収の速さは、

液剤 > 散剤 > 錠剤 と覚えておきましょう。

十数年前にはブ〇ン液という咳止めシロップに「メチルエフェドリン」という成分が配合されていたため、1回10mLの用法用量にもかかわらず、120mLを一気飲みするという不適切な使用が問題になりました。

※メチルエフェドリン:第3章でも出題される「交感神経作動(興奮)薬」に分類される成分で、覚せい剤の原料にもなる成分

 

第14項

一般的には、適用する部位の状態に応じて、適用部位を水から遮断したい場合には軟膏剤を用い、患部が乾燥していたり患部を水で洗い流したい場合等にはクリーム剤を用いることが多い。
外用局所に適用する剤型には、軟膏剤やクリーム剤があるが、適用部位を水から遮断する場合等には軟膏剤ではなくクリーム剤を用いる。(H21)
外用局所に用いる剤形として、適用部位を水から遮断する場合等にはクリーム剤を用い、水で洗い流しやすくする場合等では軟膏剤用いなければならない。(H25)
クリーム剤と軟膏剤では、一般的に、適用する部位の状態に応じて、適用部位を水から遮断したい場合にはクリーム剤を用い、患部が乾燥していたり患部を水で洗い流したい場合等には軟膏剤を用いることが多い。(H28)

外用塗布剤の剤形についてです。今までは全てNoです。

軟膏剤の基剤(ベース)はワセリン、つまり油です。ということは、軟膏=水をはじくということが分かりますね。

※実は軟膏剤には「患部を保護する」という働きもあり、軟膏剤とクリーム剤どちらが適しているか迷ったときは、軟膏剤を選択すれば無難です。ただし、塗布部位がテカテカしたり、べとついたりしやすいことは説明しておきましょう。

 

 

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  第2章関連リンク======================

第2章 出題傾向(H21~29年)

Ⅰ 人体の構造と働き(10~13問)

 1-1)消化器系

 1-2)呼吸器系

 1-3)循環器系

 1-4)泌尿器系

 2-1)目

 2-2)鼻、3)耳

 3-1)外皮系

 3-2)骨格系、3)筋組織

 4-1)中枢神経系 、2)末梢神経系

Ⅱ 薬が働く仕組み (3問) 

 1)薬の生体内運命

 2)薬の体内での働き

 3)剤形ごとの違い、適切な使用方法

Ⅲ 症状からみた主な副作用(4~6問)

 1-1)ショック(アナフィラキシー)

 1-2)重篤な皮膚粘膜障害

 1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等

 2-1)精神神経障害、2)無菌性髄膜炎

 3-1)消化器系に現れる副作用、2)呼吸器系に現れる副作用

 3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用

 3-6)皮膚に現れる副作用

 

 

第2章「Ⅱ薬の働く仕組み」2)薬の体内での働き

2)薬の体内での働きからはH22年と26年に1問ずつ出題されたくらいです。0.5ページしかありませんので、さらっと目を通しておくくらいでいいでしょう。

 

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 第6項(過去3回出題)

全身作用を目的とする医薬品の多くは、使用後の一定期間、その有効成分の血中濃度が、最小有効濃度未満の濃度域(無効域)と、毒性が現れる濃度域(危険域、中毒域ともいう)の間の範囲(有効域、治療域ともいう)に維持されるよう、使用量及び使用間隔が定められている。
全身作用を目的とする医薬品は、使用後の一定時間、その有効成分の血中濃度推移が、治療濃度域内となるよう使用量や使用間隔が定められている。(H22)
薬効よりも毒性が強く現れる有効成分の血中濃度域を無効域という。(H22)
全身作用を目的とする医薬品の多くは、使用後の一定期間、その有効成分の血中濃度が、最小有効濃度未満の濃度域(無効域)と、毒性が現れる濃度域(危険域、中毒域ともいう)の間の範囲(有効域、治療域ともいう)に維持されるよう、使用量及び使用間隔が定められている。(H26)

有効成分の血中濃度は、

無効域 治療域(有効域) 中毒域(危険域)

となっています。これくらいはしっかりイメージしておきましょう。

 

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第2章 出題傾向(H21~29年)

Ⅰ 人体の構造と働き(10~13問)

 1-1)消化器系

 1-2)呼吸器系

 1-3)循環器系

 1-4)泌尿器系

 2-1)目

 2-2)鼻、3)耳

 3-1)外皮系

 3-2)骨格系、3)筋組織

 4-1)中枢神経系 、2)末梢神経系

Ⅱ 薬が働く仕組み (3問) 

 1)薬の生体内運命

 2)薬の体内での働き

 3)剤形ごとの違い、適切な使用方法

Ⅲ 症状からみた主な副作用(4~6問)

 1-1)ショック(アナフィラキシー)

 1-2)重篤な皮膚粘膜障害

 1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等

 2-1)精神神経障害、2)無菌性髄膜炎

 3-1)消化器系に現れる副作用、2)呼吸器系に現れる副作用

 3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用

 3-6)皮膚に現れる副作用