登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

過去問を完全分析して見えてくる最強対策

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」1):出題詳細

概ね毎年1~2問出題されます。

H26,27,29年以外は2問でています。

 

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ページ数からするとお得な範囲ですので、しっかり押さえておきましょう。

 

第1項(過去4回出題)

WHO(世界保健機関)によれば、セルフメディケーションとは、「自分自身の健康 に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする」こととされている。
世界保健機関(WHO)によれば、セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする」こととされている。(H21)
一般用医薬品の利用のほか、食事と栄養のバランス、睡眠・休養、運動、禁煙等の生活習慣の改善を含めた健康維持・増進全般について「セルフメディケーション」という場合もある。(H23)
世界保健機関(WHO)によれば、セルフメディケーションとは「自分自身の健康に責任を持ち、全ての身体の不調を自分で手当てする」こととされている。(H24)
一般用医薬品の利用のほか、食事と栄養のバランス、睡眠・休養、運動、禁煙等の生活習慣の改善を含めた健康維持・増進全般について「セルフメディケーション」という場合もある。(H26)

あくまでも軽度な不調くらいは自分で対処しましょう、ということです。

 

第3項(過去5回出題)

一般用医薬品は、法において「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)」(第4条第5項第4号)と定義されている。
医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく( )の選択により使用されることが目的とされているもの(H21)
医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が( a )ものであって、( b )その他の医薬関係者から提供された情報に基づく( c )の選択により使用されることが目的 とされているもの。(H23)
一般用医薬品は、薬事法第25条第1項に「医薬品のうち、その( a )において人体に対する作用が( b )ものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく ( c )の選択により使用されることが目的とされているもの」と定義されている。(H24)
一般用医薬品は、薬事法上「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの」(第25条第1項)と定義されている。(H25)
一般用医薬品は、医薬品医療機器等法において「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)」と定義されている。(H27)

H21,23,24年は穴埋め、H25,27年はYesNo問題でした。穴埋めは、

・その効能及び効果において(1回)

・作用が著しくない(2回)

・薬剤師その他の医薬関係者から情報提供(1回)

・需要者の判断(3回)

この辺を押さえておきましょう。

H25年時点では「薬事法」だったため第〇条のところが違っていますが、第〇条かを問題にすることはありませんのでご安心を!!

 

第4項(過去4回出題)

2~3年に1回、ここだけで1問(1点)の出題となっています。

一般用医薬品の役割は、(1) 軽度な疾病に伴う症状の改善、(2) 生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防、(3) 生活の質(QOL)の改善・向上、(4) 健康状態の自己検査、(5) 健康の維持・増進、(6) その他保健衛生(衛生害虫の防除、殺菌消毒等)の6つがある
その他保健衛生(衛生害虫の防除、殺菌消毒等)(H22)
軽度な疾病に伴う症状の改善(H22,28)
健康状態の自己検査(H22,25,28)
生活の質(QOL)の改善・向上(H22,25,28)
健康の維持・増進(H25)
重度な疾病の治療(H25)
生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防(科学的・合理的に効果が期待できるものに限る。)(H28)
健康の維持・増進に用いられることがある。(H29)
健康状態の自己検査に用いられることがある。(H29)

6項目を押さえておくのも大事ですが、なかなか覚えられませんよね。

これは違うだろ、というのが分かればいいです。

H29年に出題されたので、H30年は出題はないかもしれませんね。

 

第5項(過去3回出題)

近年、専門家による適切なアドバイスの下、身近にある一般用医薬品を利用するセルフメディケーションの考え方がみられるようになってきている。
セルフメディケーションとは、生活者が、医師等の専門家による適切なアドバイスの下、医療用医薬品を利用する考え方である。(H22)
近年、専門家による適切なアドバイスの下、身近にある一般用医薬品を利用するセルフメディケーションの考え方がみられるようになってきている。(H24)
セルフメディケーションとは、専門家によるアドバイスを受けることなく、自己判断により一般用医薬品を利用する考え方である。(H28)

専門家のアドバイスで、一般用医薬品を利用する、という流れです。

 

第6項(過去5回出題)

セルフメディケーションの主役は一般の生活者である。
セルフメディケーションの主役は一般の生活者である。(H21,22)
セルフメディケーションの主役は登録販売者である。(H24)
セルフメディケーションの主役は、一般用医薬品の販売等に従事する専門家である。(H26,27)

これもよく出ます。

我々医薬関係者はあくまでも「アドバイザー」に過ぎないと心得ておきましょう。

 

第8項(過去5回出題)

情報提供は必ずしも医薬品の販売に結びつけるのでなく、医療機関の受診を勧めたり(受診勧奨)、医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合がある
登録販売者は、セルフメディケーションを支援するため、常に医薬品の販売に結びつける情報提供をしなければならない。(H21)
情報提供をする際、医療機関の受診を勧めたり(受診勧奨)、医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合がある。(H22)
一般用医薬品の販売等に従事する専門家の行う情報提供は、必ず医薬品の販売に結びつける必要がある。(H23)
情報提供は、医薬品の販売促進に結びつけることのみを目的としている。(H25)
情報提供は必ずしも医薬品の販売に結びつけるのではなく、医薬品の使用によらない対処等を勧めることが適切な場合もある。(H27)

「販売ありき」では困りますよ、受診勧奨もしてくださいね。ということです。

 

第9項

症状が重いとき(例えば、高熱や激しい腹痛がある場合、患部が広範囲である場合等)に、一般用医薬品を使用することは、一般用医薬品の役割にかんがみて、適切な対処とはいえない。
症状が重いときに、一般用医薬品の使用を促すことは、適切な対処と言える。(H23)
症状が重いときに一般用医薬品を一定期間使用して症状の改善がみられない場合は、一般用医薬品を使用し続ける必要がある。(H24)
一般用医薬品の販売等に従事する専門家は、激しい腹痛があるなど、症状が重いときでも、まず、一般用医薬品を使用して症状の緩和を図るよう勧める必要がある。(H26)
高熱や激しい腹痛がある場合など症状が重いときには、一般用医薬品を使用して症状の軽減を図るよう勧めることが適切な対処である。(H27)
症状が重いときでも、医療機関の受診はせず、まずは一般用医薬品を使用することが適切な対処である。(H28)

症状が重い時は医療機関を受診するように話をしてくださいね。

 

第10項

一定期間若しくは一定回数使用しても症状の改善がみられない又は悪化したときには、医療機関を受診して医師の診療を受ける必要がある。
一般用医薬品を一定回数使用しても症状の改善がみられないときや悪化したときには、登録販売者として、別の一般用医薬品を勧めることでセルフメディケーションを推進する必要がある。(H22)
一般用医薬品を、一定期間使用して症状の改善がみられない又は悪化したときには、医療機関を受診して医師の診療を受けることが望ましい。(H25)
一般用医薬品を、一定期間使用しても症状の改善がみられないときには、医療機関を受診して医師の診療を受けることが望ましい。(H26)
一般用医薬品を一定期間若しくは一定回数使用しても症状の改善がみられない又は悪化したときには、医療機関を受診して医師の診療を受ける必要がある。(H28)

症状の改善がみられないときは、受診勧奨が必要ですね。

 

 

第1章 関連項目リンク

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」3):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)de:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」5):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」6):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」1)2)ab:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」2)cd:出題詳細 とまとめ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

 

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」6):出題詳細

第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識

Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因

 

6)医薬品の品質

 

毎年1問必出です!

出題範囲は0.5ページと限られていますので、ゼッタイに押さえておきましょう!

 

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範囲が小さいので全てが頻出項目なので、4回以上出題されているところをみていきます。

 

第1項(過去10回出題)

医薬品は、高い水準で均一な品質が保証されていなければならないが、配合されている成分(有効成分及び添加物成分)には、高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしやすいものが多い。
医薬品は、高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こすことはない。(H21)
医薬品の配合成分には、高温や多湿によって品質の劣化を起こしやすいものがある。(H22,27)
光(紫外線)は、医薬品の配合成分の品質劣化には影響を及ぼさない。(H22)
医薬品に配合されている成分が光(紫外線)によって品質の劣化を起こすことがある。(H23)
医薬品に配合されている成分には、高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしやすいものが多い。(H24)
医薬品は、高い水準で均一な品質が保証されていなければならない。(H25)
医薬品は、開封であれば、高温や多湿、光(紫外線)によって品質の劣化(変質・ 変敗)を起こすおそれはない。(H25)
光(紫外線)は、医薬品の配合成分の品質には影響を及ぼさない。(H26)
医薬品は、高い水準で均一な品質が保証されており、配合されている成分(有効成分及び添加物成分)は、高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしにくいものが多い。(H29)

 医薬品を変質させる要因として、

・温度

・湿度

・光(紫外線)

があります。これは開封であっても夏場、車内に放置したりするとダメですよ、ということです。

 

第4項

その品質が承認等された基準に適合しない医薬品、その全部又は一部が変質・変敗した物質から成っている医薬品は、販売してはならない
医薬品は、その一部のみが変質した物質から成っている場合には、販売してもよい。(H21)
医薬品は、変質した場合であっても、それが一部であれば販売することができる。(H24)
品質が承認等された基準に適合しない医薬品、その全部又は一部が変質・変敗した物質から成っている医薬品の販売は禁止されている。(H27)
その品質が承認等された基準に適合しない医薬品、その全部又は一部が変質・変敗した物質から成っている医薬品の販売は医薬品医療機器等法により禁止されている。(H29)

 医薬品は、すべてが基準に適合した状態でないと販売してはいけません。一部でも基準に適合しないことが分かった場合は、メーカーによる「自主回収」が行われます。

 

第5項

医薬品は、適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化による品質の劣化は避けられない。
医薬品は、適切な保管・陳列をすれば、経時変化による品質の劣化はない。(H22,26)
医薬品は、適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化による品質の劣化は避けられない。(H27)
医薬品は、適切な保管・陳列がなされれば、経時変化による品質の劣化はない。(H29)

経年変化には人も医薬品もかないません。。。 

 

第6項(過去6回出題)

一般用医薬品は、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。
一般用医薬品は、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、表示されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。(H21)
一般用医薬品は、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。(H22)
一般用医薬品は、購入後すぐに使用されるとは限らず、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが望ましい。(H23)
一般用医薬品は、薬局又は店舗販売業において購入された後、すぐに使用されるとは限らず、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることも重要である。(H25)
一般用医薬品は、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。(H26)
一般用医薬品では、購入された後、すぐに使用されるとは限らず、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。(H28)

全て〇ですね。

通常ドラッグストアでは使用期限まで1年を切ったものは、見切り販売をするか、メーカーや卸に交渉して代替品と交換するなどします。

 

第7項(過去5回出題)

医薬品に表示されている「使用期限」とは、未開封状態で適切に保管された場合に品質が保持される期限のことである。
使用期限とは、開封状態で保管された場合に品質が保持される期限である。(H23)
医薬品の外箱等に表示されている「使用期限」は、開封状態で保管された場合に品質が保持される期限である。(H24)
外箱等に表示されている「使用期限」は、開封・未開封を問わず、製品の品質が保持される期限である。(H27)
医薬品に表示されている使用期限は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限である。(H28)
液剤などでは、いったん開封されると記載されている「使用期限」まで品質が保証されない場合がある。(H29)

 食品と同様で、メーカーが保証できるのは「未開封」状態のみですよね。

液剤かどうかの剤形は関係ありませんが、H29年の出題は「〇」です。

 

 

第1章 関連項目リンク

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」3):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)de:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」5):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」6):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」1)2)ab:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」2)cd:出題詳細 とまとめ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

 

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」5):出題詳細

第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識

Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因

ここからは9~14問、平均約12問が出題されます。

第1章のメイン項目です。しっかり押さえておきましょう。 

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5)プラセボ効果

H24年以外は毎年1問出ています。

必出の4項とH29年に初めて出題された項目を見ていきましょう。

 

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第1項(過去7回出題)

医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果(偽薬効果)という。
医薬品を使用したとき、目的とした薬理作用が生じることプラセボ効果という。(H21)
医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果という。(H22,26,27,28)
医薬品を使用したとき、薬理作用として意図的に生じさせる効果プラセボ効果という。(H23)
医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に( a )によらない作用を生じることをプラセボ効果(偽薬効果)という。(H25)
薬理作用によりプラセボ効果が生じることもある。(H29)

プラセボ効果とは「薬理作用によらない効果」のことだと覚えましょう。

 

第2項(過去7回出題)

プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等が関与して生じると考えられている。
プラセボ効果は、条件付けによる生体反応等が関与して生じると考えられている。(H21)
プラセボ効果に関与しているものの一つとして、条件付けによる生体反応が考えられている。(H22)
プラセボ効果は、暗示効果等が関与して生じるものと考えられている。(H23)
プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による( b )な結果への期待や、条件付けによる生体反応、時間経過による( c )な変化等が関与して生じると考えられている。(H25)
プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)等が関与して生じると考えられている。(H27)
プラセボ効果は、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)は関与していないと考えられている。(H28)
プラセボ効果は、条件付けによる生体反応が関与して生じる場合がある。(H29)

プラセボ効果は、

・楽観的な結果への期待(暗示効果)

・条件付けによる生体反応

・自然発生的な変化(自然緩解など)

の3つの関与があります。キーワードは「条件付け」でしょう。

 

第4項(過去6回出題)

プラセボ効果によってもたらされる反応や変化には、望ましいもの(効果)と不都合なもの(副作用)とがある。
プラセボ効果によってもたらされる反応や変化には、望ましいもの(効果)と不都合なもの(副作用)とがある。(H21,28)
プラセボ効果によってもたらされる反応や変化は、すべて望ましいもの(効果)である。(H22)
プラセボ効果によってもたらされる反応や変化は、すべて望ましいものである。(H23)
プラセボ効果によってもたらされる反応や変化には、不都合なもの(副作用)はない。(H26,27)

一般的にはプラセボ効果とは「良い面」のことを指すことが多いですが、例えば「この胃薬を飲むと眠くなる」など不都合なこともあります。

※通常胃薬には眠くなる成分は入っておらず、薬理作用によらない効果ということになります

 

第5項(過去6回出題)

プラセボ効果は、主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもあるが、不確実であり、それを目的として医薬品が使用されるべきではない。
プラセボ効果は、客観的に測定可能な変化として確実に現れるものである。(H21)
プラセボ効果は、客観的に測定可能な変化として現れることもあるが、不確実であり、それを目的として医薬品が使用されるべきではない。(H22)
プラセボ効果は、主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることがある。(H26)
医薬品は、プラセボ効果を目的として使用されるべきではない。(H27)
プラセボ効果は、主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもあるが、不確実であり、それを目的として医薬品が使用されるべきではない。(H28)
プラセボ効果は、客観的に測定可能な変化として現れることはない。(H29)

主観的な変化:眠くなる、頭痛が治まる、など本人しか分からない変化

客観的な効果:顔色が良くなる、熱が下がる、など他人が見ても分かる変化

体温は体温計を使えば客観的に測定可能ですね。

 

第6項

購入者等が、(プラセボ効果により)適切な医薬品の選択、医療機関の受診機会を失うことのないよう、正確な情報が適切に伝えられることが重要である。
一般用医薬品の購入者等がプラセボ効果により、適切な医薬品の選択、医療機関の受診機会を失うことのないよう、正確な情報が適切に伝えられることが重要である。(H29)

プラセボ効果とは「あてにならない効果」なので、それで体調が良くなったからもう大丈夫、としてはいけませんよ。ということですね。

 

 

第1章 関連項目リンク

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」3):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)de:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」5):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」6):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」1)2)ab:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」2)cd:出題詳細 とまとめ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

 

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)de:出題詳細

第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識

Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因

ここからは9~14問、平均約12問が出題されます。

第1章のメイン項目です。しっかり押さえておきましょう。 

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4)小児、高齢者などへの配慮(3/3)

第1章Ⅱのメインです。ここから例年3~5問出題されます。テキストのページ数もそこそこありますが、「1ページで1問以上出る」と思ってしっかり理解しておきましょう。

 

(d)母乳を与える女性(授乳婦)(e)医療機関で治療を受けている人等

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概ね(d)(e)で合わせて1問出題されるかな?という感じでしょう。

それでも、第31項目は必出です!

 

(d)母乳を与える女性(授乳婦)

第31項(過去6回出題)

医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、母乳を介して乳児が医薬品の成分を摂取することになる場合がある。
医薬品の種類を問わず、授乳婦の体に吸収された医薬品の成分は、乳汁中に移行することはない。(H22)
医薬品の種類によっては、体に吸収された医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られている。(H24)
授乳婦が医薬品を服用しても、医薬品成分が乳汁中に移行することはない。(H25)
一般用医薬品の成分の一部が、乳汁中に移行することはない。(H26)
授乳婦が医薬品を使用しても、乳汁中に移行することはなく、母乳を介して乳児が医薬品の成分を摂取することはない。(H27)
医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、母乳を介して乳児が医薬品の成分を摂取する場合がある。(H28)

逆に言うと、乳汁中に移行しない医薬品はないと思っておくといいでしょう。

 

 

(e)医療機関で治療を受けている人等

第34項

生活習慣病等の慢性疾患を持ちながら日常生活を送る生活者が多くなっている。疾患の種類や程度によっては、一般用医薬品の有効性や安全性に影響を与える要因となることがあり、また、一般用医薬品を使用することによってその症状が悪化したり、治療が妨げられることもある。
購入者の生活習慣病等の慢性疾患の種類や程度は、一般用医薬品の有効性や安全性に影響を与えることはない。(H22)
生活習慣病等の慢性疾患を持っている場合、疾患の種類や程度によっては、一般用医薬品の有効性や安全性に影響を与える要因となることがある。(H24)

例えば肝臓や腎臓の疾患があれば、医薬品の代謝や排泄に影響して、効果が弱くなったり、副作用が増強してしまうことが十分にあり得ます。

 

 

一般用医薬品に限らず医薬品の有効性や安全性は様々な要因によって影響を受ける、と覚えておきましょう。

 

 

第37項

医療機関・薬局で交付された薬剤を使用している人については、登録販売者において一般用医薬品との併用の可否を判断することは困難なことが多く、その薬剤を処方した医師若しくは歯科医師又は調剤を行った薬剤師に相談するよう説明する必要がある。
医療機関・薬局で交付された薬剤を使用している人については、登録販売者において一般用医薬品との併用の可否を判断することは困難なことが多い。(H22)
医療機関で治療を受けている人に対して、医療機関・薬局で交付された薬剤と一般用医薬品との併用の可否を登録販売者において判断することは、困難なことが多く、その薬剤を処方した医師若しくは歯科医師又は調剤を行った薬剤師に相談するよう説明した。(H29)

例えば心不全の薬を使用していたりする人だったら、登録販売者(あなた)は対応できますか?

医療用医薬品のことは医師や薬剤師に任せておきましょう。

ただし、病院で便秘の薬をもらっているという人の場合、一般用医薬品にも同成分の医薬品がある場合も多いので、薬品名や配合成分を確認して併用の可否を判断できるケースもあるでしょう。

 

第38項

過去に医療機関で治療を受けていた(今は治療を受けていない)購入者への情報提供時には、どのような疾患について、いつ頃かかっていたのか、考慮する必要がある。
過去に医療機関で治療を受けていた(今は治療を受けていない)購入者への情報提供時には、どのような疾患について、いつ頃かかっていたのか、考慮する必要がある。(H22)
過去に医療機関で治療を受けていた(今は治療を受けていない)という人に対して、購入しようとする一般用医薬品についての情報提供を行う場合には、どのような疾患にいつ頃かかっていたのかは、特に注意する必要はない。(H28)

今は治療を受けていない=疾患は治癒している、とは限りません。

なので、できるだけ事情を聴いて医薬品使用への影響を考慮する必要があります。

 

第39項

医療機関での治療は特に受けていない場合であっても、医薬品の種類や配合成分等によっては、特定の症状がある人が使用するとその症状を悪化させるおそれがある。
医療機関での治療は特に受けていない場合であっても、医薬品の種類や配合成分等によっては、特定の症状がある人が使用するとその症状を悪化させるおそれがある。(H22,28)

別表5-2を参照した問題も出ることがあります。

例えばむくみのある人が、グリチルリチン酸を含む医薬品を使用すると偽アルドステロン症候群を起こしやすくなる恐れがあります。

医薬品を使用する際には「絶対大丈夫、はない」と覚えておきましょう。

 

 

第1章 関連項目リンク

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」3):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)de:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」5):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」6):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」1)2)ab:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」2)cd:出題詳細 とまとめ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

 

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細

 

 

第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識

Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因

ここからは9~14問、平均約12問が出題されます。

第1章のメイン項目です。しっかり押さえておきましょう。 

===========================

4)小児、高齢者などへの配慮

第1章Ⅱのメインです。ここから例年3~5問出題されます。テキストのページ数もそこそこありますが、「1ページで1問以上出る」と思ってしっかり理解しておきましょう。

3ページ中2ページ目です。

 

(b)高齢者(c)妊娠又は妊娠していると思われる女性

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概ね毎年(b)と(c)で1問ずつ出題されています。

 

(b)高齢者

第15項(過去7回出題)

医薬品の使用上の注意においては、おおよその目安として65歳以上を「高齢者」としている。
医薬品の使用上の注意等において高齢者という場合には、おおよその目安として75歳以上を指す。(H21)
医薬品の使用上の注意において「高齢者」という場合には、おおよその目安として( )以上を指す。(H22)
医薬品の使用上の注意等において「高齢者」という場合には、おおよその目安として65歳以上を指す。(H23,25)
医薬品の使用上の注意等において「高齢者」という場合には、おおよその目安として65歳以上を指す。(H27)
医薬品の使用上の注意等において、高齢者という場合は、おおよその目安として60歳以上を指す。(H29)

薬の世界も、行政の様々な制度上も「65歳からが高齢者」となります。

ちなみに、年金受給開始も原則65歳から、65~74歳=前期高齢者、75歳以上=後期高齢者と、65歳が区切りとなっています。

 

 

第16項(過去6回出題)

一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすく、若年時と比べて副作用を生じるリスクが高くなる。しかし、基本的には、定められた用量の範囲内で使用されることが望ましく、それ以下に量を減らしても十分な効果が得られなくなるだけで、必ずしもリスクの軽減にはつながらない。既定用量の下限で使用してもなお作用が強過ぎる等の問題を生じる場合もあるので注意が必要である。
一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすい。(H22)
一般用医薬品を使用する際、定められた用量以下に量を減らしても十分な効果が得られなくなるだけで、必ずしもリスクの軽減にはつながらない。(H22)
高齢者が一般用医薬品を定められた用量の下限で使用してもなお作用が強すぎる等の問題が生じる場合は、それ以下に量を減らして服用を続けることが望ましい。(H23)
一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、肝臓や腎臓の機能が低下しているが、医薬品による副作用のリスクは高くない。(H24)
一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすくなるが、既定用量の下限で使用していれば注意する必要はない。(H25)
高齢者では、一般用医薬品を使用する場合は、定められた用量よりも少ない用量から様子を見ながら使用しなければならない。(H27)
肝臓や腎臓の機能が低下していると、医薬品の作用が強く現れやすく、若年時と比べて副作用を生じるリスクが高くなる。(H29)
生理機能が衰えている高齢者では、既定用量の下限で一般用医薬品を使用しても、なお作用が強過ぎる等の問題を生じる場合がある。(H29)

 鉄板です!!

小児は生理機能が未発達で、高齢者は衰えつつあるために肝臓や腎臓の機能低下の影響を考慮する必要があります。

しかし、定められた用法用量ではそのようなことも織り込み済みです!なので用法用量通りに使用することが基本です。

既定用量の下限で使用して、作用が強く出てしまう場合はそもそもその医薬品の選択が適切でない可能性もあります。

 

 

第17項(過去5回出題)

高齢者であっても基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概にどの程度リスクが増大しているかを判断することは難しい。一般用医薬品の販売等に際しては、実際にその医薬品を使用する高齢者の個々の状況に即して、適切に情報提供や相談対応がなされることが重要である。
一般用医薬品の販売等に際しては、実際にその医薬品を使用する高齢者の個々の状況に応じて、適切に情報提供や相談対応がなされることが重要である。(H21)
高齢者の場合、どの程度副作用を生じるリスクが増大しているか、その年齢のみから判断することができる。(H22)
高齢者へ一般用医薬品を販売する際、その医薬品を使用する高齢者の個々の状況は考慮しなくてよい。(H24)
基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概にどの程度副作用を生じるリスクが増大しているかを判断することは難しい。(H26)
高齢者は基礎体力や生理機能の衰えの度合いの個人差が小さく、年齢からどの程度副作用のリスクが増大しているか容易に判断できる。(H29)

年の取り方は人それぞれで、60年以上生きてるとそのふり幅は大きく違いますよね。健康面でも同じことがいえるので、80歳でとても元気な人もいれば、60歳で病気がちな人等いろいろです。年齢だけでは判断できません。

それぞれの状況・事情をしっかりとヒアリングすることが大事です。 

 

第19項

医薬品の副作用で口渇を生じることがあり、その場合、誤嚥 えん (食べ物等が誤って気管に入り込むこと)を誘発しやすくなるので注意が必要である。
医薬品の副作用で口渇を生じることがあり、その場合、誤嚥(食べ物等が誤って気管に入り込むこと)を誘発しやすくなるので注意が必要である。(H29)

H29年に初めて誤嚥に関する出題がありました。

 

 

第20項(過去7回出題)

高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって 基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなったりする場合がある。
高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多いが、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなることはない。(H21)
高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなる場合がある。(H22)
高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって、その症状が悪化する場合がある。(H23)
高齢者は持病(基礎疾患)を抱えていることが多いが、一般用医薬品を用法用量どおりに使用していれば、基礎疾患の症状悪化や治療の妨げになることはない。(H25)
持病(基礎疾患)を抱えていることが多いが、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなる場合はない。(H26)
高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなる場合がある。(H27)
持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなる場合がある。(H28)

鉄板です!!

例えば、高血圧の人が、血管収縮成分の入った鼻炎薬などを使用すると血圧が上昇することがあります。 

 

 

第22項

高齢者では、手先の衰えのため医薬品を容器や包装から取り出すことが難しい場合や、医薬品の取り違えや飲み忘れを起こしやすいなどの傾向もあり、家族や周囲の人(介護関係者等)の理解や協力も含めて、医薬品の安全使用の観点からの配慮が重要となることがある。
高齢者では、手先の衰えのため医薬品を容器や包装から取り出すことが難しい場合や、医薬品の取り違えや飲み忘れを起こしやすいなどの傾向がある。(H23,27)
手先の衰えのため医薬品を容器や包装から取り出すことが難しい場合や、医薬品の取り違えや飲み忘れを起こしやすいなどの傾向がある。(H26)
高齢者にみられる傾向として、医薬品の取り違えや飲み忘れを起こしやすいことがある。(H28)

 高齢者全般としての身体的特徴と、精神的特徴(うっかりミスが増えるなど)を押さえておきましょう。

 

(c)妊娠又は妊娠していると思われる女性

第23項(過去5回出題)

妊婦の状態を通じて胎児に影響を及ぼすことがないよう配慮する必要があり、そもそも一般用医薬品による対処が適当かどうかを含めて慎重に考慮されるべきである。
妊婦が一般用医薬品を使用する際には、胎児に影響を及ぼすことがないよう配慮する必要がある。(H22)
妊婦は、体の変調や不調を起こしやすいので、原則として、一般用医薬品で症状を緩和することとされている。(H23)
全ての医薬品について、妊婦に使用する場合は、十分注意して適正に使用する必要があるが、使用そのものを避ける必要はない。(H24)
妊婦は、体の変調や不調を起こしやすいため、一般用医薬品を使用することにより、症状の緩和等を図ろうとする場合もあるが、一般用医薬品による対処が適当かどうかを含めて慎重に考慮されるべきである。(H26)
妊婦が一般用医薬品を使用しようとする場合は、そもそも一般用医薬品による対処が適当かどうか慎重に検討するべきである。(H29)

 妊婦さんには、そもそも一般用医薬品による対処が適当かどうかから考えてあげましょう。

 

第24項

胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)がある。
胎盤には、胎児の血液と母胎の血液とが混ざり合う仕組み(胎盤関門)がある。(H23)
胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)がある。(H26,28)

※H26年から問題の手引きが改訂されました

 血液胎盤関門があるから、母親の血液型と赤ちゃんの血液型が違っても大丈夫なんです。

 

第26項

一般用医薬品においても、多くの場合、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難であるため、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。
一般用医薬品は、多くの場合、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難である。(H23)
一般用医薬品において、多くの場合、妊婦の使用の可否について明示されている。(H27)
医療用医薬品と異なり、妊婦が一般用医薬品を使用した場合における安全性に関する評価は確立されているため、一般用医薬品はすべて使用してもよい。(H28)
一般用医薬品の妊婦の使用については「大量に使用しないこと」としているものが多い。(H29)

医療用医薬品でも一般用医薬品でも、妊婦に対する安全性の評価は難しいんです。

医薬品は治験といって、最終的には人で実験が行われますが、さすがに妊婦さんでは実験ができません。なので動物実験でどうだったかを頼りに判断するしかありません。

なので、「絶対大丈夫」とも「絶対ダメ」とも言えない場合は「相談すること」としているものが多いのです。 

 

第27項

ビタミンA含有製剤のように、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている ものがある
( )含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている。(H22)
ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取しても胎児には影響はない。(H24)
ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている。(H25)
ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性を低くすることができる。(H27)

ビタミンAは要注意ビタミンと覚えておきましょう。

これとは逆に、ビタミンの一種である「葉酸」は、妊娠前後の一定期間に意識的に摂取することが推奨されています。 

 

第28項

便秘薬のように、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。
便秘薬は、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがある。(H22)
便秘薬は、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。(H24)
一般用医薬品には、流産や早産を誘発するおそれがあるものはない。(H26)
便秘薬のように、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。(H27)
医薬品によっては、胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされているものがあるが、流産や早産を誘発するおそれのあるものはない。(H28)

便秘薬の中には内臓平滑筋を刺激するものがあり、子宮に思わぬ影響を及ぼすこともあるため要注意です。

この他、妊娠後期には解熱鎮痛薬を使用してはいけない、などもあります。 

 

 

第30項

【第3章】妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化等が原因であり、睡眠改善薬の適用対象ではない。妊婦又は妊娠していると思われる女性には、睡眠改善薬の使用は避ける。
妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化等が原因であり、抗ヒスタミン成分を主薬とする睡眠改善薬の適用対象である。(H29)

これまた第3章からの反則出題ですが、妊婦に対して安易に一般用医薬品を使用してはいけない、と覚えておきましょう。

 

 

きっと2問でますので、確実に正解できるようにしておきましょう。 

 

 

第1章 関連項目リンク

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」3):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)de:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」5):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」6):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」1)2)ab:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」2)cd:出題詳細 とまとめ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

 

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細

第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識

Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因

ここからは9~14問、平均約12問が出題されます。

第1章のメイン項目です。しっかり押さえておきましょう。 

===========================

4)小児、高齢者などへの配慮

第1章Ⅱのメインです。ここから例年3~5問出題されます。テキストのページ数もそこそこありますが、「1ページで1問以上出る」と思ってしっかり理解しておきましょう。

ボリュームがあるので3回に分けます。

 

まずは、(a)小児、までの出題内容を確認しておきましょう。

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(a)小児 では、1~2問出題されています。H27年以降は1問です。

どれも頻出項目ですね。はじめの総論的なところからの出題もあり得ますので、さっと押さえておきましょう。

 

第1項(総論からの出題)

小児、高齢者等が医薬品を使用する場合においては、保健衛生上のリスク等に関して、成人と別に考える必要がある。
小児が医薬品を使用する場合においては、保健衛生上のリスク等に関して、成人と別に考える必要がある。(H26)

子供や高齢者、妊婦さんや授乳婦さんなどが医薬品を使用する場合は、一般的な「成人」とは別にリスクを考える必要がありますよ。

 

第2項

第2章】以前、薬疹を経験したことがある人が再度同種の医薬品を使用すると、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症等のより重篤なアレルギー反応を生じるおそれがあるので、同種の医薬品の使用を避けなければならない。
過去に医薬品を服用し薬疹を経験した人から、再度同種の医薬品を服用したいと申し出があり、定められた用量の半量で様子を見ながら服用するよう説明した。(H29)

またまた反則技です。本来第2章で出題されるべき内容ですが、第1章で出題されました。

一度薬疹などアレルギーを起こしたことがある医薬品はもちろん、同種の医薬品であっても使用は避けるべき。ということを絶対に理解しておきましょう。

※これは店頭でも絶対に必要で責任問題にも直結することがあります。

 

第3項(過去5回出題)

乳児:1歳未満、幼児:7歳未満、小児:15歳未満
乳児とは( a )、幼児とは( b )、小児とは( c )をいう。(H21)
小児という場合のおおよその目安は、12歳未満である。(H24)
おおよその目安としては、乳児とは( a )、幼児とは( b )、小児とは( c )をいう。(H26)
医薬品の使用上の注意等において、乳児という場合には、おおよその目安として3歳未満を指す。(H28)
医薬品の使用上の注意において、幼児のおおよその目安は3歳未満である。(H29)

鉄板です!!

乳児とは離乳食が始まる頃まで=1歳未満

幼児とは小学校入学前=7歳未満

小児とは中学生まで=15歳未満 とざっくり覚えましょう!!

ちなみに薬の世界では高校生は大人と同じ扱いになります。

また、新生児とは生後1か月までをいいます。

 

第5項(過去回出題)

小児は、大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が高い。
小児は、大人と比べて身体の大きさに対して腸が短く、服用した医薬品の吸収率が低い。(H21,24,25)
小児は、服用した医薬品の吸収率が低い。(H22)
小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長いため、服用した医薬品の吸収率が高い。(H23)

小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が短く、服用した医薬品の吸収率が相対的に低い。(H26,28)

またまた大鉄板です。H27,29年以外は毎年出題されてます。

「小児の腸は長い」ということと「腸が長いと吸収率が高くなる」ということを押さえましょう。

 

 

第6項(過去6回出題)

血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。
小児は、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすいため、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。(H21,22)
乳児では、循環血液中に移行した医薬品の成分が血液脳関門により防御されるため中枢神経系の副作用は起こりにくい。(H23)
小児は、血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。(H26)
小児は、大人と比べて血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しにくい。(H27)
小児は血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。(H28)

脳はとても重要な臓器なので、そう簡単にたどり着かれたら困るため、血液脳関門という「関所」があります。しかし、小児はまだ完璧ではないため、医薬品の成分が脳に達しやすいという特徴があります。

H23年の出題では、「乳児では」となっていますが、惑わされないようにしましょう。

 

第7項(過去5回出題)

肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。
小児では、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。(H21)
小児は、医薬品の成分の代謝・排泄速度が速く、作用が現れにくい。(H22)
一般的に小児は、肝臓や腎臓の機能が発達しているので、医薬品の作用は減弱する。(H23)
小児は、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。(H27)
小児は肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。(H28)

鉄板の未発達シリーズですね。

小児は、肝臓や腎臓をはじめ様々な臓器や機能が未発達なんだと理解しておきましょう。肝臓や腎臓の機能が十分でなければ、代謝や排泄に時間がかかるので、効果や副作用の増強のリスクがあります。

 

第8項

医薬品の販売等に従事する専門家においては、保護者等に対して、成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう説明することが重要である。
保護者等に対して、成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう説明がなされることが重要である。(H23)
医薬品の販売等に従事する専門家においては、保護者等に対して、成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう説明することが重要である。(H25)
成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用すべきである。(H29)

これも未発達シリーズからの延長問題です。

小児にはいろいろ未発達な部分があるから、安易な使用はしてはいけませんよ!ちゃんと年齢に応じた用法用量を守るんですよ!ってことですね。

 

第9項(過去5回出題)

医薬品によっては、形状等が小児向けに作られていないため、小児に対して使用しないことなどの注意を促している場合もある。
医薬品によっては、形状等が小児向けに作られていないため、小児に対して使用しないことなどの注意を促している場合もある。(H21)
小児には、錠剤やカプセル剤などの医薬品は、そのまま飲み下させることが難しいことが多い。(H23)
全ての医薬品は、形状等が小児向けに作られている。(H24)
医薬品によっては、形状等が小児向けに作られていないため小児に対して使用しないことなどの注意を促している場合もある。(H26,27)

小児が服用しにくい剤型としてカプセル剤や錠剤があります。これらを無理に服用しようとすると窒息や誤嚥性肺炎、食道潰瘍などのリスクが生じますので、使用しないように注意を促されたものもあります。

 

第10項

5歳未満の幼児に使用される錠剤やカプセル剤などの医薬品では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されている。
5歳未満の幼児に使用される錠剤やカプセル剤などの医薬品では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されている。(H26,27)
幼児に使用される錠剤やカプセル剤などの医薬品では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されているものがある。(H29)

 H29年の出題はひっかけ問題という訳ではないのですが、真面目な人はひっかけだと思ってしまいそうです。正解はYesです。

この出題は他に3題の出題がありそれぞれの正誤の組み合わせを選ぶ問題でしたので、他の出題と合わせて選択肢を選ぶといいでしょう。

 

第11項(過去5回出題)

乳児向けの用法用量が設定されている一般用医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、また、状態が急変しやすく、その医薬品の使用の適否が見極めにくいため、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限にとどめるのが望ましい。
乳児は、医薬品の影響を受けにくく、また状態が急変することは少ないので、医師の診療を受けるよりも乳児向けの用法用量が設定された一般用医薬品を使用することが望ましい。(H21)
乳児向けの用法用量が設定されている一般用医薬品については、基本的には医師の診療を受けることよりも、一般用医薬品による対処が優先されることが望ましい。(H23)
乳児向けの用法用量が設定されている一般用医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、また、状態が急変しやすく、その医薬品の使用の適否が見極めにくいため、基本的には医師の診療を受けることが優先される。(H25)
乳児は、基本的には医師の診療を受けることよりも、乳児向けの用法用量が設定されている一般用医薬品による対処が優先される。(H26)
乳児向けの用法用量が設定されている一般用医薬品であれば、使用の適否を見極めやすいため、乳児にはこのような一般用医薬品による対処が最優先される。(H29)

乳児(=1歳未満) には、安易に一般用医薬品による対処を続けてはいけません。

また厚生労働省から、2008年に「2歳未満の用法を有する一般用かぜ薬(内用)、鎮咳去痰薬(内用)、鼻炎用内服薬について、[用法及び用量に関連する注意]の項に「2歳未満の乳幼児には、医師の診療を受けさせることを優先し、止むを得ない場合にのみ服用させること。」を記載するよう」指示が出されています。

原則として、医師の診療より一般用医薬品による対処が優先されることはありません!

 

第12項

一般に乳幼児は、容態が変化した場合に、自分の体調を適切に伝えることが難しいため、医薬品を使用した後は、保護者等が乳幼児の状態をよく観察することが重要である。何か変わった兆候が現れたときには、早めに医療機関に連れて行き、医師の診察を受けさせることが望ましい。
一般に乳幼児は、容態が変化した場合に、自分の体調を適切に伝えることが難しいため、医薬品を使用した後は、保護者等が乳幼児の状態をよく観察することが重要である。(H23,26)
一般に乳幼児は、容態が変化した場合に、自分の体調を適切に伝えることが難しいため、医薬品使用後の乳幼児の状態を保護者等がよく観察することが重要である。(H25)

 乳幼児は自分で体調を訴えることが難しいことは分かりますよね。

一般用医薬品に限らず医薬品を使用した後の体調変化を保護者がしっかり見てあげることが大事ですよ、何かあったら早めに医療機関に連れて行ってね。ということです。

 

第13項

乳幼児が誤って薬を大量に飲み込んだ、又は目に入れてしまったなどの誤飲・誤用事故の場合には、通常の使用状況から著しく異なるため、想定しがたい事態につながるおそれがある。このような場合には、一般用医薬品であっても高度に専門的判断が必要となることが多いので、応急処置等について関係機関の専門家に相談し、又は様子がおかしいようであれば医療機関に連れて行くなどの対応がなされることが必要である
乳幼児による医薬品の誤飲・誤用事故の場合、一般用医薬品であれば、一般用医薬品の販売に従事する者が処置し、関係機関の専門家に相談する必要はない。(H21)
乳幼児の誤飲・誤用事故の場合には、想定しがたい事態につながるおそれがある。(H24)
乳幼児が誤って薬を大量に飲み込んだなどの誤飲・誤用事故の場合には、通常の使用状況から著しく異なるため、想定しがたい事態につながるおそれがある。(H26)

 誤飲・誤用事故の場合は、状況の把握も難しくそのためその後の事態の想定も難しいため、専門家の判断を仰ぐべきです。

 

この中から4~8題ほどが出題される見込みですので頑張りましょう。

 

第1章 関連項目リンク

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」3):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)de:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」5):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」6):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」1)2)ab:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」2)cd:出題詳細 とまとめ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

 

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」3):出題詳細

第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識

Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因

ここからは9~14問、平均約12問が出題されます。

第1章のメイン項目です。しっかり押さえておきましょう。

但し、決して難しい内容ではありませんので、冷静に理解しておきましょう。

 

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3)他の医薬品や食品との相互作用、飲みあわせ

 

まずは出題傾向です。

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H27年度までは概ね2問出題されていましたが、H28年、29年は1問の出題でした。

(なお、H26年はほぼ0でした)

その中でも過去4題以上出題されている項目と、H27年以降に出題されている項目はしっかり押さえておきましょう。

 

第1項(過去4回出題)

複数の医薬品を併用した場合、又は医薬品と特定の食品(保健機能食品や、いわゆる健康食品を含む。)を一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり、減弱したりすることを相互作用という。
医薬品の相互作用では、作用が増強すれば、副作用が発生しやすくなる等の問題があるが、作用が減弱する分にあっては、特に不都合は生じない。(H21)
複数の医薬品を併用した場合、又は特定の食品と一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり、減弱したりすることを相互作用という。(H23)
複数の医薬品を併用すると相互作用が起こることがあるが、医薬品と食品を一緒に摂取しても相互作用は起こることはない。(H24)
複数の医薬品を併用した場合、又は医薬品と特定の食品(保健機能食品や、いわゆる健康食品を含む。)を一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり、減弱したりすることを相互作用という。(H25)

複数の医薬品や、医薬品と特定の食品を同時に摂取(併用)した場合に作用が増強したり減弱したりすることを相互作用と言います。

例えば腸溶性の製剤である下剤(コーラックなど)と牛乳を一緒に摂取すると、牛乳(弱アルカリ性)により胃酸が中和され胃内のpHが上昇し、本来腸で溶けるように設計された薬剤が胃で溶け始めてしまい、効果が減弱してしまうことがあります。

 

 

第3項(過去5回出題)

相互作用には、医薬品が吸収、代謝(体内で化学的に変化すること)、分布又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがある。
相互作用には、医薬品が吸収、代謝(体内で化学的に変化すること)、分布又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがある。(H21,24)
相互作用には、医薬品が吸収、代謝、分布又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがある。(H23)
他の医薬品や食品との相互作用は、医薬品が吸収、代謝(体内で化学的に変化すること)される過程で起き、分布又は排泄される過程では起こらない。(H27)
相互作用には、医薬品が吸収、代謝、分布又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがある。(H28)

相互作用の中には効き目が反対のものや、一方の効果を一方の副作用が打ち消すことがあります。これが「薬理作用をもたらす部位において起こる」といいます。

例えば、便秘薬(下剤)と下痢止めを一緒に服用したらどうなるでしょうか?お互いに期待される効果が得られるとは考えられないですよね。

また胃薬を普段から使用している人が、頭痛薬を服用したらどうでしょう??

頭痛薬の副作用の一つで胃痛が現れることがあります。普段の胃薬の効果が減弱することが予想されますね。。

 

また、薬剤が全身に運ばれたり(分布)、排泄される際に運び屋のアルブミンの取り合いで起こる相互作用もあります。

 

 

第5項

一般用医薬品は、一つの医薬品の中に作用の異なる複数の成分を組み合わせて含んでいる(配合される)ことが多く、他の医薬品と併用した場合に、同様な作用を持つ成分が重複することがあり、これにより、作用が強く出過ぎたり、副作用を招く危険性が増すことがある
一般用医薬品は、一つの医薬品の中に作用の異なる複数の成分を組み合わせて含んでいる(配合される)ことが多く、他の医薬品と併用した場合に、同様な作用を持つ成分が重複することがある。(H21)
一般用医薬品を他の医薬品と併用した場合に、同様な作用をもつ成分が重複することがあるが、これにより、作用が強く出過ぎたり、副作用を招く危険性が増すことはない。(H27)

一般用医薬品の最大の特徴の一つが複数の成分の「配合剤」であることでしょう。

このことにより、効能効果の幅が広がっています。

配合成分の重複についてアドバイスを行うことが店頭薬剤師や登録販売者の腕の見せ所です!!

かぜ薬と頭痛薬は一緒に服用してもいいでしょうか?

一般的にどちらにも解熱鎮痛成分や、鎮静成分、カフェインなどが含まれることが多いので、かぜ薬と頭痛薬を併用すると作用又は副作用が増強されてしまうことが心配になります。

 

第6項(過去5回出題)

かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳 (がい)去痰(たん)薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することが多いため、これらの薬効群に属する医薬品は併用すべきではない。
かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することが多く、通常、これらの薬効群に属する医薬品の併用は避けることとされている。(H22,23)
かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することが多いため、これらの薬効群に属する医薬品は併用すべきである。(H24)
かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬では、成分や作用が重複することはないため、通常、これらの薬効群に属する医薬品の併用を避ける必要はない。(H25)
かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することが多いが、作用が穏やかなため、これらの薬効群に属する医薬品は併用してもよい。(H28)

第5項でも述べた通り、一般的に成分や作用が重複することが多いので、併用すべきではない!ということを覚えておいてください。

 

 

第7項(過去3回出題)

副作用や相互作用のリスクを減らす観点から、緩和を図りたい症状が明確である場合には、 なるべくその症状に合った成分のみが配合された医薬品が選択されることが望ましい。
副作用や相互作用のリスクを減らす観点から、緩和を図りたい症状が明確である場合には、なるべくその症状に合った成分のみが配合された医薬品が選択されることが望ましい。(H23,24)
副作用や相互作用のリスクを減らす観点から、緩和を図りたい症状が明確である場合には、 なるべくその症状に合った成分のみが配合された医薬品が選択されることが望ましい。(H27)

ここで言いたいのは…「自分は風邪だ」と思ってかぜ薬を買いに来たお客様に話を伺って、「風邪だけど今の症状は咳だけ」ということを聞き出せたとしたら、推奨すべきは総合かぜ薬ではなく「咳止め薬」である、ということが分かっていますか、ということです。

 

第9項(過去5回出題)

医療機関で治療を受けている場合には、通常、その治療が優先されることが望ましく、一般用医薬品を併用しても問題ないかどうかについては、治療を行っている医師又は歯科医師若しくは処方された医薬品を調剤する薬剤師に確認する必要がある。
登録販売者は一般用医薬品の購入者に、同時に使用できない薬剤が医療機関等から交付されている場合には、その交付されている薬剤の使用を中止するよう説明すべきである。(H23)
医療機関で治療を受けている場合には、その治療が優先されることが望ましい。(H24)
医療機関で治療を受けている人は、一般用医薬品を併用しても問題ないかどうかについて、治療を行っている医師又は歯科医師若しくは処方された医薬品を調剤する薬剤師に確認する必要がある。(H25)
医療機関で治療を受けている場合には、一般用医薬品を併用しても問題ないかどうかについては、治療を行っている医師又は歯科医師若しくは処方された医薬品を調剤する薬剤師に確認する必要がある。(H27)
医療機関で治療を受けている場合は、一般用医薬品を併用しても問題がないかどうかについて、治療を行っている医師又は歯科医師若しくは処方された医薬品を調剤する薬剤師に確認する必要がある。(H28)

登録販売者はお客様にアドバイスできるのは一般用医薬品の2類、3類のみです!

医療機関等から交付された薬剤に関することには触れてはいけません。

「鉄のおきて」だと思ってください。

 

第11項(過去7回出題)

アルコールは、主として肝臓代謝されるため、酒類(アルコール)をよく摂取する者では、その代謝機能が高まっていることが多い。その結果、アセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されやすくなり、体内から医薬品が速く消失して十分な薬効が得られなくなることがある
酒類(アルコール)は、医薬品の吸収や代謝に影響を与えることがある。(H21,22)
酒類(アルコール)をよく摂取する者では、肝臓の代謝機能が低下していることが多いため、アセトアミノフェンの薬効が増強される。(H23)
酒類(アルコール)は、主として小腸で代謝されるため、医薬品の吸収や代謝に影響を与えることはない。(H25)
アルコールは、主として( a )で代謝されるため、酒類(アルコール)をよく摂取する者では、その代謝機能が高まっていることが多い。その結果、アセトアミノフェンなどでは、通常よりも( b )なり、体内から医薬品が( c )消失し、十分な薬効が得られなくなることがある。(H26)
アルコールは、主として腎臓代謝されるため、酒類(アルコール)をよく摂取する者では、その代謝機能が高まっていることが多い。(H27)
酒類(アルコール)をよく摂取する者では、肝臓の代謝機能が高まっていることが多い。その結果、アセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されやすくなり、体内から医薬品が速く消失して十分な薬効が得られなくなることがある。(H29)

頻出問題ですよ。

アルコール=肝臓の負荷が増える

⇒肝臓鍛えられる

アセトアミノフェン(肝臓で代謝される)の代謝が早まり効果減弱

ということです。

※普段飲酒しない人がたまたま飲酒した場合は、まったく逆になりますので注意(問題には出ません)

 

第12項

外用薬や注射薬であっても、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性がある。
外用薬や注射薬であれば、食品によって医薬品の作用や代謝影響を受けることはない。(H27)
食品と医薬品の相互作用は、しばしば「飲み合わせ」と表現されるが、内服薬以外であっても、食品によって、医薬品の作用や代謝が影響を受ける可能性がある。(H29)

H27年に初めて出題されました。

医薬品の相互作用は内服薬だけの話ではないということです!!

 

 

第13項(過去5回出題)

カフェインやビタミンA等のように、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するために、それらを含む医薬品と食品(例:カフェインとコーヒー)を一緒に服用すると過剰摂取となるものもある

食品中に医薬品の成分と同じ成分が存在することがある。カフェインを主成分とする医薬品と一緒に摂取すると、一般的に、カフェインの過剰摂取となるおそれのある食品はどれか。(H21)

《選択肢》1 卵 2 コーヒー 3 ビール 4 ワイン 5 納豆

食品には、医薬品の成分と同じ物質を含むものもある。(H22)
ビタミンAは、ビタミンAを含む医薬品の服用量にさえ注意すれば、過剰摂取になることはない。(H23)
カフェインやビタミンA等のように、食品中には医薬品の成分と同じ物質が存在する場合があり、それらを含む医薬品と食品を一緒に服用すると過剰摂取となるものがある。(H25)
食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在する場合があり、その物質の摂取される総量が継続して過剰にならないよう注意を促すことが重要となることがある。(H29)

カフェインとコーヒー、ビタミンAとサプリメントカンゾウと甘草を含む甘味料など、同一成分を含む医薬品と食品があります。

(余談ですが、ビタミンAは食品中では主にβ‐カロチンという水溶性成分で含まれています。問題になるのはビタミンAとして含まれる場合です。)

 

第14項

生薬成分等については、医薬品的な効能効果が標榜 ぼう 又は暗示されていなければ、食品(ハーブ等)として流通可能なものもあり、そうした食品を合わせて摂取すると、生薬成分が配合された医薬品の効き目や副作用を増強させることがある。
生薬成分が配合された医薬品とハーブ等の生薬成分を含む食品をあわせて摂取すると、医薬品の効き目や副作用を増強させることがある。(H22)
生薬成分が配合された医薬品は、生薬成分を含有する食品と合わせて摂取すると、効き目や副作用が増強されることがある。(H25)
生薬成分等については、医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていなければ、食品(ハー ブ等)として流通可能なものもある。(H27)

多くの生薬が「ハーブ」や食材、調味料として利用されています。

例えば生姜は薬味として一般的ですが、ショウキョウとして漢方薬にも含まれています。漢方の「医食同源」という考え方があり、食材を上手に利用すると健康にいい、とされています。

これはこれでいいのですが、あくまでも「食品」であり、効能効果を標ぼうしてはいけないことになっています。

 

第15項

【第3章】カフェインは、他の医薬品(かぜ薬、解熱鎮痛薬、乗物酔い防止薬、滋養強壮保健薬等)や医薬部外品(ビタミン含有保健剤等)、食品(お茶、コーヒー等)にも含まれているため、それらが眠気防止薬と同時に摂取されるとカフェインが過量となり、中枢神経系や循環器系等への作用が強く現れるおそれがある。
カフェインを主薬とする眠気防止薬は、お茶と同時に服用すると循環器系に作用が強く現れる場合がある。(H27)

H27年以降、反則な出題がチョクチョクあります。

本来は第3章で出題されるべき事項が第1章で出題されています。

とはいえ、内容的にはそれほど難しくはないので、「こんな問題も出ることがある」と割り切りましょう。

 

第16項

【第3章】制酸成分を主体とする胃腸薬については、酸度の高い食品と一緒に使用すると胃酸に対する中和作用が低下することが考えられるため、炭酸飲料等での服用は適当でない。
中和反応によって胃酸の働きを弱めること(制酸)を目的とする成分を主体とする胃腸薬については、炭酸飲料等の酸度の高い食品と一緒に服用すると、効き目が強くなり過ぎるおそれがある。(H29)

前項と同様です。

この問題では、胃酸+炭酸飲料 ⇔ 制酸成分 の戦いになるということを理解できていれば難しくはありません。

 

 

相互作用については以上です。1~2問の出題が見込まれますので、しっかり押さえておきましょう。

 

 

第1章 関連項目リンク

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」3):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)de:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」5):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」6):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」1)2)ab:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

第1章「Ⅳ 薬害の歴史」2)cd:出題詳細 とまとめ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》