第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細
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第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識
Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
ここからは9~14問、平均約12問が出題されます。
第1章のメイン項目です。しっかり押さえておきましょう。
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4)小児、高齢者などへの配慮
第1章Ⅱのメインです。ここから例年3~5問出題されます。テキストのページ数もそこそこありますが、「1ページで1問以上出る」と思ってしっかり理解しておきましょう。
ボリュームがあるので3回に分けます。
まずは、(a)小児、までの出題内容を確認しておきましょう。
(a)小児 では、1~2問出題されています。H27年以降は1問です。
どれも頻出項目ですね。はじめの総論的なところからの出題もあり得ますので、さっと押さえておきましょう。
第1項(総論からの出題)
小児、高齢者等が医薬品を使用する場合においては、保健衛生上のリスク等に関して、成人と別に考える必要がある。 |
小児が医薬品を使用する場合においては、保健衛生上のリスク等に関して、成人と別に考える必要がある。(H26) |
子供や高齢者、妊婦さんや授乳婦さんなどが医薬品を使用する場合は、一般的な「成人」とは別にリスクを考える必要がありますよ。
第2項
【第2章】以前、薬疹を経験したことがある人が再度同種の医薬品を使用すると、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症等のより重篤なアレルギー反応を生じるおそれがあるので、同種の医薬品の使用を避けなければならない。 |
過去に医薬品を服用し薬疹を経験した人から、再度同種の医薬品を服用したいと申し出があり、定められた用量の半量で様子を見ながら服用するよう説明した。(H29) |
またまた反則技です。本来第2章で出題されるべき内容ですが、第1章で出題されました。
一度薬疹などアレルギーを起こしたことがある医薬品はもちろん、同種の医薬品であっても使用は避けるべき。ということを絶対に理解しておきましょう。
※これは店頭でも絶対に必要で責任問題にも直結することがあります。
第3項(過去5回出題)
乳児:1歳未満、幼児:7歳未満、小児:15歳未満 |
乳児とは( a )、幼児とは( b )、小児とは( c )をいう。(H21) |
小児という場合のおおよその目安は、12歳未満である。(H24) |
おおよその目安としては、乳児とは( a )、幼児とは( b )、小児とは( c )をいう。(H26) |
医薬品の使用上の注意等において、乳児という場合には、おおよその目安として3歳未満を指す。(H28) |
医薬品の使用上の注意において、幼児のおおよその目安は3歳未満である。(H29) |
鉄板です!!
乳児とは離乳食が始まる頃まで=1歳未満
幼児とは小学校入学前=7歳未満
小児とは中学生まで=15歳未満 とざっくり覚えましょう!!
ちなみに薬の世界では高校生は大人と同じ扱いになります。
また、新生児とは生後1か月までをいいます。
第5項(過去7回出題)
小児は、大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が高い。 |
小児は、大人と比べて身体の大きさに対して腸が短く、服用した医薬品の吸収率が低い。(H21,24,25) |
小児は、服用した医薬品の吸収率が低い。(H22) |
小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長いため、服用した医薬品の吸収率が高い。(H23) |
小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が短く、服用した医薬品の吸収率が相対的に低い。(H26,28) |
またまた大鉄板です。H27,29年以外は毎年出題されてます。
「小児の腸は長い」ということと「腸が長いと吸収率が高くなる」ということを押さえましょう。
第6項(過去6回出題)
血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。 |
小児は、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすいため、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。(H21,22) |
乳児では、循環血液中に移行した医薬品の成分が血液脳関門により防御されるため、中枢神経系の副作用は起こりにくい。(H23) |
小児は、血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。(H26) |
小児は、大人と比べて血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しにくい。(H27) |
小児は血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。(H28) |
脳はとても重要な臓器なので、そう簡単にたどり着かれたら困るため、血液脳関門という「関所」があります。しかし、小児はまだ完璧ではないため、医薬品の成分が脳に達しやすいという特徴があります。
H23年の出題では、「乳児では」となっていますが、惑わされないようにしましょう。
第7項(過去5回出題)
肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。 |
小児では、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。(H21) |
小児は、医薬品の成分の代謝・排泄速度が速く、作用が現れにくい。(H22) |
一般的に小児は、肝臓や腎臓の機能が発達しているので、医薬品の作用は減弱する。(H23) |
小児は、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。(H27) |
小児は肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。(H28) |
鉄板の未発達シリーズですね。
小児は、肝臓や腎臓をはじめ様々な臓器や機能が未発達なんだと理解しておきましょう。肝臓や腎臓の機能が十分でなければ、代謝や排泄に時間がかかるので、効果や副作用の増強のリスクがあります。
第8項
医薬品の販売等に従事する専門家においては、保護者等に対して、成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう説明することが重要である。 |
保護者等に対して、成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう説明がなされることが重要である。(H23) |
医薬品の販売等に従事する専門家においては、保護者等に対して、成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう説明することが重要である。(H25) |
成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用すべきである。(H29) |
これも未発達シリーズからの延長問題です。
小児にはいろいろ未発達な部分があるから、安易な使用はしてはいけませんよ!ちゃんと年齢に応じた用法用量を守るんですよ!ってことですね。
第9項(過去5回出題)
医薬品によっては、形状等が小児向けに作られていないため、小児に対して使用しないことなどの注意を促している場合もある。 |
医薬品によっては、形状等が小児向けに作られていないため、小児に対して使用しないことなどの注意を促している場合もある。(H21) |
小児には、錠剤やカプセル剤などの医薬品は、そのまま飲み下させることが難しいことが多い。(H23) |
全ての医薬品は、形状等が小児向けに作られている。(H24) |
医薬品によっては、形状等が小児向けに作られていないため小児に対して使用しないことなどの注意を促している場合もある。(H26,27) |
小児が服用しにくい剤型としてカプセル剤や錠剤があります。これらを無理に服用しようとすると窒息や誤嚥性肺炎、食道潰瘍などのリスクが生じますので、使用しないように注意を促されたものもあります。
第10項
5歳未満の幼児に使用される錠剤やカプセル剤などの医薬品では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されている。 |
5歳未満の幼児に使用される錠剤やカプセル剤などの医薬品では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されている。(H26,27) |
幼児に使用される錠剤やカプセル剤などの医薬品では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されているものがある。(H29) |
H29年の出題はひっかけ問題という訳ではないのですが、真面目な人はひっかけだと思ってしまいそうです。正解はYesです。
この出題は他に3題の出題がありそれぞれの正誤の組み合わせを選ぶ問題でしたので、他の出題と合わせて選択肢を選ぶといいでしょう。
第11項(過去5回出題)
乳児向けの用法用量が設定されている一般用医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、また、状態が急変しやすく、その医薬品の使用の適否が見極めにくいため、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限にとどめるのが望ましい。 |
乳児は、医薬品の影響を受けにくく、また状態が急変することは少ないので、医師の診療を受けるよりも乳児向けの用法用量が設定された一般用医薬品を使用することが望ましい。(H21) |
乳児向けの用法用量が設定されている一般用医薬品については、基本的には医師の診療を受けることよりも、一般用医薬品による対処が優先されることが望ましい。(H23) |
乳児向けの用法用量が設定されている一般用医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、また、状態が急変しやすく、その医薬品の使用の適否が見極めにくいため、基本的には医師の診療を受けることが優先される。(H25) |
乳児は、基本的には医師の診療を受けることよりも、乳児向けの用法用量が設定されている一般用医薬品による対処が優先される。(H26) |
乳児向けの用法用量が設定されている一般用医薬品であれば、使用の適否を見極めやすいため、乳児にはこのような一般用医薬品による対処が最優先される。(H29) |
乳児(=1歳未満) には、安易に一般用医薬品による対処を続けてはいけません。
また厚生労働省から、2008年に「2歳未満の用法を有する一般用かぜ薬(内用)、鎮咳去痰薬(内用)、鼻炎用内服薬について、[用法及び用量に関連する注意]の項に「2歳未満の乳幼児には、医師の診療を受けさせることを優先し、止むを得ない場合にのみ服用させること。」を記載するよう」指示が出されています。
原則として、医師の診療より一般用医薬品による対処が優先されることはありません!
第12項
一般に乳幼児は、容態が変化した場合に、自分の体調を適切に伝えることが難しいため、医薬品を使用した後は、保護者等が乳幼児の状態をよく観察することが重要である。何か変わった兆候が現れたときには、早めに医療機関に連れて行き、医師の診察を受けさせることが望ましい。 |
一般に乳幼児は、容態が変化した場合に、自分の体調を適切に伝えることが難しいため、医薬品を使用した後は、保護者等が乳幼児の状態をよく観察することが重要である。(H23,26) |
一般に乳幼児は、容態が変化した場合に、自分の体調を適切に伝えることが難しいため、医薬品使用後の乳幼児の状態を保護者等がよく観察することが重要である。(H25) |
乳幼児は自分で体調を訴えることが難しいことは分かりますよね。
一般用医薬品に限らず医薬品を使用した後の体調変化を保護者がしっかり見てあげることが大事ですよ、何かあったら早めに医療機関に連れて行ってね。ということです。
第13項
乳幼児が誤って薬を大量に飲み込んだ、又は目に入れてしまったなどの誤飲・誤用事故の場合には、通常の使用状況から著しく異なるため、想定しがたい事態につながるおそれがある。このような場合には、一般用医薬品であっても高度に専門的判断が必要となることが多いので、応急処置等について関係機関の専門家に相談し、又は様子がおかしいようであれば医療機関に連れて行くなどの対応がなされることが必要である |
乳幼児による医薬品の誤飲・誤用事故の場合、一般用医薬品であれば、一般用医薬品の販売に従事する者が処置し、関係機関の専門家に相談する必要はない。(H21) |
乳幼児の誤飲・誤用事故の場合には、想定しがたい事態につながるおそれがある。(H24) |
乳幼児が誤って薬を大量に飲み込んだなどの誤飲・誤用事故の場合には、通常の使用状況から著しく異なるため、想定しがたい事態につながるおそれがある。(H26) |
誤飲・誤用事故の場合は、状況の把握も難しくそのためその後の事態の想定も難しいため、専門家の判断を仰ぐべきです。
この中から4~8題ほどが出題される見込みですので頑張りましょう。
第1章 関連項目リンク
第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」3):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)de:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」5):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」6):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
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第1章「Ⅳ 薬害の歴史」2)cd:出題詳細 とまとめ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》