第1章「Ⅳ 薬害の歴史」2)cd:出題詳細 とまとめ
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4つの薬害訴訟について、それぞれ1問ずつ出題されると思っておきましょう。
2)医薬品による副作用等にかかる主な訴訟
(c) HIV訴訟(d) CJD訴訟
(c) HIV訴訟
H29年は頻出問題と、初出題や2回目の出題と別れていましたが、概ね過去3回以上出題されているところを押さえておけばいいでしょう。
第1項(過去8回出題)必出です!
HIV訴訟とは、血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿(しょう)から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。 |
HIV訴訟は、血友病患者が、プリオンが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。(H21) |
ヒト免疫不全ウイルスのことをHIVという。(H22) |
血友病患者が、HIVが混入した原料血漿から製造されたアルブミン製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。(H22) |
( a )患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料( b )から製造され た血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟で ある。(H23) |
脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染したことに対する損害賠償訴訟である。(H24) |
HIV訴訟とは、( a )患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した( b )から製造された( c )製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。(H25) |
HIV訴訟とは、血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から 製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。(H27) |
血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。(H28,29) |
原因物質について、次項の「CJD訴訟」と混同してミスを誘う出題がチョクチョクとあります。
HIV訴訟とは、
「血友病患者」が
「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)」が混入した
「原料血漿」から製造された「血液凝固製剤」の投与を受けてHIVに感染した
ことに対する訴訟です。
H21年、24年はCJD訴訟と混同していますね。
H22年は「血液凝固製剤」のところを「アルブミン製剤」としている違いに気づきましょう。
第3項(過去4回出題)
本訴訟の和解を踏まえ、国は、HIV感染者に対する恒久対策として、エイズ治療研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の様々な取組みを推進してきている。 |
HIV訴訟の和解を踏まえ、国は、HIV感染者に対する恒久対策として、拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の取組みを推進している。(H22) |
本訴訟の和解を踏まえ、国は、エイズ治療研究開発センター及び拠点病院の整備等の様々な取組みを推進してきている。(H24) |
エイズ治療研究開発センターが整備された。(H25) |
この訴訟の和解を踏まえ、国は、HIV感染者に対する恒久対策として、エイズ治療研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の様々な取り組みを推進している。(H28) |
全てYesです。ここでも難しい政治がらみの話は全てYesだと思っていてよさそうですよ。
第6項
緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度の創設等を内容とする改正薬事法が1996年に成立し、翌年4月に施行された。 |
緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度が創設された。(H25) |
( )訴訟を契機として、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(当時)との連携による承認審査体制の充実、製薬企業に対し従来の副作用報告に加えて感染症報告の義務づけ、緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度の創設等を内容とする改正薬事法が1996年に成立し、翌年4月に施行された。(H26) |
HIV訴訟を契機として、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(当時)との連携による承認審査体制の充実、緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度の創設等を内容とする改正薬事法が1996年に成立し、翌年4月に施行された。(H29) |
ここも全てYesです。H26年の穴埋め問題は「HIV」が正解です。
緊急輸入⇔HIV訴訟 と関連して覚えておきましょう。
第7項
血液製剤の安全確保対策として検査や献血時の問診の充実が図られた。 |
HIV訴訟を契機に血液製剤の安全確保対策の1つとして、献血時の問診の充実が図られた。(H22) |
献血時の問診の充実が図られた。(H25) |
この訴訟を契機に、血液製剤の安全確保対策として検査や献血時の問診の充実が図られた。(H28) |
ここも全てYesです。
(d) CJD訴訟
小問が沢山出題されるイメージで、ひっかけが多いですね。
第8項(過去7回出題)必出です!
脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。 |
CJD訴訟は、脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。(H21) |
CJD訴訟は、ヒト乾燥硬膜を介してCJDに罹 (り)患したことに対する損害賠償訴訟である。(H23) |
CJD訴訟とは、脳外科手術等に用いられたヒト乾燥硬膜を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟である。(H25) |
CJD訴訟は、脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟である。(H26) |
CJD訴訟とは、脳外科手術等に用いられていたウシ乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。(H27) |
(a )外科手術等に用いられた( b )乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。(H28) |
CJD訴訟とは、脳外科手術等に用いられていたウシ乾燥硬膜を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟である。(H29) |
CJD訴訟とは、
「脳外科手術等」に用いられていた、
「ヒト乾燥硬膜」を介して、
「クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)」に罹患した、
ことに対する訴訟です。
類似疾患の狂牛病をイメージしてか、「ヒト乾燥硬膜」⇔「ウシ乾燥硬膜」で引っ掛けてくることがありますので注意しましょう。
※クロイツフェルト、ヤコブ、というのは人の名前(2人)です
第9項(過去7回出題)必出です!
CJDは、細菌でもウイルスでもない蛋(たん)白質の一種であるプリオンが原因とされている。 |
CJDは、細菌でもウイルスでもない蛋白質の一種であるプリオンが原因とされている。(H22) |
CJDは、細菌の一種であるプリオンが原因とされる。(H23) |
CJDは、ウイルスの一種であるプリオンが原因とされる。(H25) |
CJDの原因は、細菌感染によるものではなく、ウイルス感染によるものである。(H26) |
CJDは、ウイルスの一種であるプリオンが脳の組織に感染することによって発症する。(H27) |
CJDは、( c )の一種であるプリオンが原因とされる。(H28) |
CJDは、ウイルスの感染が原因とされる。(H29) |
ほぼひっかけです。
通常は「感染」というと、細菌やウイルスが体内に入り込むことを言いますが、「蛋白質に感染」というのは違和感がありますね。
だから発見も遅れてしまっていたのかもしれません。
必ず出ます。プリオンは細菌でもウイルスでもない、蛋白質だ!覚えておきましょう。
第10項(過去4回出題)
プリオンが脳の組織に感染し、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。 |
CJDは認知症に類似した症状が現れるが、死に至る重篤なものはない。(H22) |
CJDは、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。(H25,27) |
プリオンが( a )の組織に感染し、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。(H28) |
CJDに罹患するといずれ死に至ると覚えておきましょう。
第11項(過去4回出題)
国、輸入販売業者及び製造業者を被告として、1996年11月に大津地裁、1997年9月に東京地裁で提訴された。大津地裁、東京地裁は2001年11月に和解勧告を行い、2002年3月に両地裁で和解が成立した。 |
CJD訴訟では、国は被告とならなかった。(H22) |
CJD訴訟では、国を唯一の被告として提訴された。(H23) |
CJD訴訟は、国、輸入販売業者及び製造業者を被告として提訴された。(H26) |
CJD訴訟は、国、原因となった製品の輸入販売業者及び製造業者を被告として提訴された。(H29) |
年月は問題ではありません。
被告は「国は入っているか?」「国だけか?」 という出題です。
全ての訴訟において、被告には「国も入っているし、国だけではない」と確認しておきましょう。
第12項(過去6回出題)
生物由来の医薬品等によるHIVやCJDの感染被害が多発したことにかんがみ、~(略)~2002年に行われた薬事法改正に伴い、生物由来製品の安全対策強化、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされた。 |
スモン訴訟を契機として、生物由来製品による感染等被害救済制度が創設された。(H23) |
CJD訴訟を契機として、医薬品副作用被害救済制度が創設された。(H23,26) |
CJD訴訟を契機に生物由来製品による感染等被害救済制度の創設がなされた。(H25) |
CJD訴訟を契機に医薬品等安全性情報報告制度が創設された。(H27) |
この訴訟を契機に、医薬品副作用被害救済制度が創設された。(H28) |
CJD訴訟を一因として、2002年に行われた薬事法改正に伴い、生物由来製品の安全対策強化、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされた。(H29) |
サリドマイド訴訟、スモン訴訟の後⇒医薬品副作用被害救済制度
→医薬品の薬効や薬理作用による副作用に係る制度
HIV訴訟、CJD訴訟の後⇒生物由来製品による感染等被害救済制度
→何かに感染することで起こる被害に係る制度
制度の創設については、スモン訴訟の項目でも出題されますので、混同しないように注意しましょう。
これで完璧!薬害まとめ
4つの薬害をまとめると次の表のようになります。
訴訟名 | サリドマイド訴訟 | スモン訴訟 | HIV訴訟 | CJD訴訟 |
どんな人が | 一般用医薬品として | 血友病患者 | 脳外科手術 | |
なにで | 催眠鎮静剤 | 整腸剤 | 血液凝固因子製剤 | ヒト乾燥硬膜 |
何によって | サリドマイド製剤 | キノホルム製剤 | ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に汚染された原料血漿 | プリオン(蛋白質) |
何に罹患 | 出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常 | 亜急性脊髄視神経症(スモン) | HIVに感染 | クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患 |
どんな症状(または作用)? | 血管新生を妨げる |
腹部の膨満感 →激しい腹痛を伴う下痢 →下半身の痺しびれや脱力、歩行困難 →麻痺は上半身に拡大 →視覚障害→失明 |
(出題なし) 潜伏期間を経て、エイズ(後天性免疫不全症候群)を発症し、免疫力が低下し死に至ることもある |
脳の組織に感染し、認知症に似た症状が現れ、死に至る重篤な神経難病 |
その後 | 医薬品副作用被害救済制度 | 生物由来製品による感染等被害救済制度 |
1章の締めにふさわしい?表を作ってみました。
これで完璧です!
1章で満点(20点)目指して頑張ってください。
第1章 関連項目リンク
第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細① - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細② - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅰ医薬品概論」出題詳細③ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」3):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)a:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)bc:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」4)de:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」5):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」6):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」1):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「III 適切な医薬品選択と受診勧奨」2):出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅳ 薬害の歴史」1)2)ab:出題詳細 - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》
第1章「Ⅳ 薬害の歴史」2)cd:出題詳細 とまとめ - 登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》