登録販売者試験 過去問から導く最強対策《東海北陸版》

過去問を完全分析して見えてくる最強対策

第3章 「Ⅲ 胃腸に作用する薬 」1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬) ( 6.5 p)

「Ⅲ 胃腸に作用する薬」1-1)胃の不調、薬が症状を抑える仕組み ( 1 p)からは1つ、1-2)代表的な配合成分等、主な副作用、相互作用、受診勧奨 ( 5.5 p)からは6つの頻出項目があります。

H21~23年の3年間は3問出題されましたが、それ以降は1~2問の出題となっています。

 

7つの項目を押さえておけば、2問は得点できるでしょう。

 

1-1)胃の不調、薬が症状を抑える仕組み

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 第1項

制酸薬は、胃液の分泌亢進による胃酸過多や、それに伴う胸やけ、腹部の不快感、吐きけ等の症状を緩和することを目的とする医薬品である。その配合成分としては、胃酸の働きを弱めるもの、胃液の分泌を抑えるものなどが用いられる。
制酸薬は、胃液の分泌亢進による胃酸過多や、それに伴う胸やけ、腹部の不快感、吐き気等の症状を緩和することを目的とする医薬品である。(H22)
消化薬は、胃液の分泌亢進による胃酸過多や、それに伴う胸やけ、腹部の不快感、吐き気等の症状を緩和することを目的とする医薬品である。(H24)
制酸薬は、胃液の分泌低下に伴う腹部の不快感、吐きけ等の症状を緩和することを目的とする。(H26)

まずは、制酸薬についての問題です。

(胃)酸を制する(=抑える)薬ということを理解しておけば難しくはないでしょう。

 

 1-2)代表的な配合成分等、主な副作用、相互作用、受診勧奨

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 (a)制酸成分

第7項

中和反応によって胃酸の働きを弱めること(制酸)を目的として、

i) 炭酸水素ナトリウム(重曹)のほか、

ii) 乾燥水酸化アルミニウムゲル、ジヒドロキシアルミニウムモノアセテート等のアルミニウムを含む成分、

iii) ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等のマグネシウムを含む成分、

iv) 合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等のアルミニウムとマグネシウムの両方を含む成分、

v) 沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等のカルシウムを含む成分、又はこれらの成分を組み合わせたもの 等が配 合されている場合がある。

合成ヒドロタルサイト - 制酸作用(H22)
酸化マグネシウム - 中和反応によって胃酸の働きを弱める。(H27)
炭酸水素ナトリウム - 胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する。(H29)

無機塩類(=ミネラル系)を含む成分は制酸薬として利用されます。

ミネラル系は酸を抑えると覚えておきましょう。

 

第11項

制酸成分のうちアルミニウムを含む成分については、透析療法を受けている人が長期間服用した場合にアルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を引き起こしたとの報告があり、透析療法を受けている人では使用を避ける必要がある。また、透析治療を受けていない人でも、長期連用は避ける必要がある。

3包(3.84g)中 銅クロロフィリンカリウム 120 mg 無水リン酸水素カルシウム 1020 mg 沈降炭酸カルシウム 1020 mg 水酸化マグネシウム 960 mg ロートエキス3倍散 90 mg ***********************************

沈降炭酸カルシウムは、無機塩類を含む医薬品成分であるため、腎臓病の診断を受けた人が使用する場合には、事前に医師等に相談をすることが望ましい。(H21)

透析療法を受けている人に対し、制酸成分としてアルミニウムを含む胃腸薬の使用を避けるよう説明した。(H24)
メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、胃酸の中和作用のほか、胃粘膜にゼラチン状の皮膜を形成して保護する作用もあるとされるが、アルミニウムを含む成分であるため、透析療法を受けている人では使用を避ける必要がある。(H25)

全てYesです。

アルミニウムだけに限らずカルシウムやマグネシウムなど、無機塩類を含む成分は腎臓に負担がかかることがあると理解しましょう。

更に透析患者さんにおいてはアルミニウムは透析で効率よく除去できないため、要注意です。

 

(b) 健胃成分

第15項

② センブリ

リンドウ科のセンブリの開花期の全草を基原とする生薬で、苦味による健胃作用を期待して用いられる。

センナ - 苦味により、弱った胃の働きを高める。(H23)
センブリは、リンドウ科のセンブリの開花期の全草を基原とする生薬で、苦味による健胃作用を期待して用いられる。(H26)
センブリ - 胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する、荒れた胃粘膜の修復を促す。(H27)

バラエティ番組の罰ゲームでおなじみの「センブリ」は、千回振り出し(煎じ)てもまだ苦い、という意味で名づけられたそうです。

その苦みによって胃を元気にする「苦味健胃」成分として覚えておきましょう。

  

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 (c) 消化成分

第20項

胆汁末や動物胆(ユウタンを含む。)、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸は、胆汁の分泌を促す作用(利胆作用)があるとされ、消化を助ける効果を期待して用いられる。これらの成分は肝臓の働きを高める作用もあるとされるが、肝臓病の診断を受けた人ではかえって症状を悪化させるおそれがある。

3包(3.84g)中 銅クロロフィリンカリウム 120 mg 無水リン酸水素カルシウム 1020 mg 沈降炭酸カルシウム 1020 mg 水酸化マグネシウム 960 mg ロートエキス3倍散 90 mg ***********************************

銅クロロフィリンカリウムは、胆汁の分泌を促す作用により消化を助ける効果を期待して用いられるが、肝臓病の診断を受けた人では、かえって症状を悪化させるおそれがある。(H21)

ウルソデオキシコール酸 - 利胆作用(H22)
ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸は、胆汁の分泌を促す作用(利胆作用)があるとされ、消化を助ける効果を期待して用いられる。これらの成分は肝臓の働きを高める作用もあるとされるが、肝臓病の診断を受けた人では、かえって症状を悪化させるおそれがある。(H25)

ウルソデオキシコール酸は医療用としても汎用されている、肝機能改善薬です。

消化を促進する作用と肝臓の機能を高める作用がありますが、肝臓に働きかける成分なのでかえって肝臓に負担がかかることがあることに注意しましょう。

  • 〇〇コール酸=利胆作用(胆汁分泌促進)=消化促進
  • 〇〇コール酸=肝機能改善あり ⇔ 肝臓病ではかえって悪化

の2点を押さえましょう。

 

 (d)その他の成分

第21項(過去3回出題)

① 胃粘膜保護・修復成分

胃粘液の分泌を促す、胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する、荒れた胃粘膜の修復を促す等の作用を期待して、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)、アルジオキサ、スクラルファート、ゲファルナート、ソファルコン、テプレノン、セトラキサート塩酸塩、トロキシピド、銅クロロフィリンカリウム、銅クロロフィリンナトリウム、メチルメチオニンスルホニウムクロライド等が配合されている場合がある。

塩酸セトラキサート - 胃液の分泌を抑える。(H21)
スクラルファート蛋たん白質の分解に働く酵素を補い、消化を助ける。(H21)
テプレノン - 胃液の分泌を促進する。(H21)
スクラルファート消化管内容物中に発生した気泡の分離を促す。(H27)
アルジオキサ - 過度な胃粘液の分泌を弱める。(H29)

 全てNoです。H21年はこれだけで1問(1点)獲れました。代表的な商品は、

セトラキサート:「新センロック錠」(第一三共

スクラルファート:「スクラート胃腸薬」(ライオン)

テプレノン:「セルベール」(エーザイ

アルジオキサ:「パンシロンキュアSP錠」(ロート)

などです。登録販売者試験では、これくらいを覚えればいいでしょう。しかし現場では商品のパッケージに記載された配合成分を見て、胃粘膜修復系と分かるようにしっかり押さえておきたいですね。

 

第25項(過去5回出題)頻出です!

④ 胃液分泌抑制成分

胃液の分泌は副交感神経系からの刺激によって亢進することから、過剰な胃液の分泌を抑える作用を期待して、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えるロートエキスやピレンゼピン塩酸塩が配合されている場合がある。

胃液の分泌は、( a )神経からの刺激によって亢進することから、過剰な胃液の分泌を抑える作用を期待して、( a )神経の伝達物質である( b )の働きを抑える塩酸ピレンゼピン等が配合されている場合がある。(H21)
塩酸ピレンゼピン   - 健胃作用(H22)
ロートエキス  - 胃粘膜保護作用(H22)
過剰な胃液の分泌を抑える作用を期待して、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えるロートエキスが配合されている場合がある。(H23)
ピレンゼピン塩酸塩 - 炭水化物、脂質、タンパク質、繊維質等の分解に働く酵素を補う。(H27)
ロートエキス  - アセチルコリンの働きを促し、消化を助ける。(H29)
ピレンゼピン塩酸塩 - アセチルコリンの働きを抑え、過剰な胃液の分泌を抑える。(H29)

お腹がすく=消化器官の活動が活発になるのは、緊張している時ではなくリラックスする時です。つまり副交感神経の働きです。

まずは、ピレンゼピンやロートエキス=抗コリン作用 、であることを覚えましょう。

そして、抗コリン作用⇒胃酸分泌抑制、となることも覚えましょう。

 

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第3章関連リンク=====================

第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向) 

Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問) 

 1 かぜ薬 (3~4問)

  1)かぜの諸症状、かぜ薬の働き

  2)主な配合成分等

  3)主な副作用、相互作用、受診勧奨 

 2 解熱鎮痛薬 (1~2問)

 3 眠気を促す薬 (0~1問)

 4 眠気を防ぐ薬 (1問)

 5 鎮暈(うん)薬(乗物酔い防止薬)(1問)

 6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)  (0~1問)

Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)

 1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)

  1)咳や痰が生じる仕組み、鎮咳去痰薬の働き 2)a

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 bcd

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
 2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)

  総論

  1)代表的な配合成分等、主な副作用

  2)相互作用、受診勧奨

Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)

 1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)

 2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)

 3 胃腸鎮痛鎮痙薬 ( 2.5 p) (0~1問)

 

 4 その他の消化器官用薬 ( 3.5 p) (1~2問)

Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)

 1 強心薬 ( 3.2 p)(1問)

 2 高コレステロール改善薬 ( 3 p)(1~2問)

 3 貧血用薬(鉄製剤) ( 2 p)(1問)

 4 その他の循環器用薬 ( 2.5 p)(0~1問)

Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)

Ⅵ 婦人薬(1~2問)

Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)

Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)

Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)

Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)

  1)きず口等の殺菌消毒成分 ( 3 p)

  2)~6)(12p)

XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)

 1 歯痛・歯槽膿漏用薬 ( 3 p)

 2 口内炎用薬 ( 1.5 p)

Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)

XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)

XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)

XV 公衆衛生用薬(2~3問)

  1 消毒薬( 2.5 p)

 2 殺虫剤・忌避剤 ( 6.5 p)

XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)

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第3章「Ⅱ 呼吸器官に作用する薬」2-2)3)

2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽薬)の相互作用、受診勧奨 からは頻出問題は1項だけ。ヨウ素とビタミンCに関する問題のみです。 

 

f:id:ashomopapa:20190120124236p:plain

 

第21項

ヨウ素は、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンC等の成分と反応すると脱色を生じて殺菌作用が失われるため、ヨウ素系殺菌消毒成分が配合された含嗽薬では、そうした食品を摂取した直後の使用や混合は避けることが望ましい。
ヨウ素は、ビタミンC等の成分と反応すると殺菌作用が失われるため、レモンやお茶などの食品を摂取した直後は、ヨウ素系殺菌消毒成分が配合された含嗽薬を使用しないよう伝えた。(H22)
塩化リゾチームは、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンC等の成分と反応すると脱色を生じて殺菌作用が失われる。(H23)
ヨウ素系殺菌消毒成分が配合された含嗽薬は、ビタミンCが含まれる飲料で希釈すると殺菌作用が増強すると説明した。(H25)
ヨウ素は、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンC等の成分と反応すると殺菌作用が増強される。(H26)
ヨウ素は、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンC等の成分と反応すると、殺菌作用が失われるため、ヨウ素系殺菌消毒成分が配合された含嗽薬では、そうした食品を摂取した直後の使用や混合は避けることが望ましい。(H28)

ヨウ素とビタミンCはとても相性が悪いと覚えておきましょう。

これだけ押さえておけば、あとはスルーでいいです。

   

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第3章関連リンク=====================

第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向) 

Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問) 

 1 かぜ薬 (3~4問)

  1)かぜの諸症状、かぜ薬の働き

  2)主な配合成分等

  3)主な副作用、相互作用、受診勧奨 

 2 解熱鎮痛薬 (1~2問)

 3 眠気を促す薬 (0~1問)

 4 眠気を防ぐ薬 (1問)

 5 鎮暈(うん)薬(乗物酔い防止薬)(1問)

 6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)  (0~1問)

Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)

 1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)

  1)咳や痰が生じる仕組み、鎮咳去痰薬の働き 2)a

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 bcd

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
 2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)

  総論

  1)代表的な配合成分等、主な副作用

  2)相互作用、受診勧奨

Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)

 1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)

 2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)

 3 胃腸鎮痛鎮痙薬 ( 2.5 p) (0~1問)

 

 4 その他の消化器官用薬 ( 3.5 p) (1~2問)

Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)

 1 強心薬 ( 3.2 p)(1問)

 2 高コレステロール改善薬 ( 3 p)(1~2問)

 3 貧血用薬(鉄製剤) ( 2 p)(1問)

 4 その他の循環器用薬 ( 2.5 p)(0~1問)

Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)

Ⅵ 婦人薬(1~2問)

Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)

Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)

Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)

Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)

  1)きず口等の殺菌消毒成分 ( 3 p)

  2)~6)(12p)

XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)

 1 歯痛・歯槽膿漏用薬 ( 3 p)

 2 口内炎用薬 ( 1.5 p)

Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)

XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)

XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)

XV 公衆衛生用薬(2~3問)

  1 消毒薬( 2.5 p)

 2 殺虫剤・忌避剤 ( 6.5 p)

XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)

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第3章「Ⅱ 呼吸器官に作用する薬」2-1)

 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽薬)の代表的な配合成分等からの出題は大変ばらついています。

過去3回以上の出題は1項だけで、H27年まではほぼ毎年出題されていました。 

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 第8項(過去6回出題)

声がれ、喉の荒れ、喉の不快感、喉の痛み又は喉の腫れの症状を鎮めることを目的として、リゾチーム塩酸塩、グリチルリチン酸二カリウム、トラネキサム酸等の抗炎症成分が用いられる。 (中略)リゾチーム塩酸塩については、(略)鶏卵アレルギーの既往歴がある人では使用を避ける必要がある。
塩化リゾチームは、鼻粘膜や喉の炎症を生じた組織の修復に寄与するほか、痰の粘りけを弱める作用を示すとされるが、鶏卵アレルギーがある人では、使用を避ける必要がある。(H21)
塩化リゾチーム - 鶏卵アレルギーの既往歴がある人は使用を避ける。(H22)
塩化リゾチーム - くしゃみや鼻汁を抑える。(H24)
d-マレイン酸クロルフェニラミンは、鶏卵の卵白から抽出した蛋白質であるため、鶏卵アレルギーがある人では使用を避ける必要がある。(H25)
リゾチーム塩酸塩が配合された含嗽薬は、鶏卵アレルギーの既往歴がある人が使用しても問題ない。(H26)
リゾチーム塩酸塩は、口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させたり、その増殖を抑えることを目的として用いられる。(H27)

 リゾチームは最近の研究報告によって、抗炎症作用はほとんどないなどとされましたが、現在の問題の手引きでは抗炎症成分の一つとして載っています。

リゾチーム⇔鶏卵アレルギーには禁忌、となることはしっかり押さえておきましょう。

 

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第3章関連リンク=====================

第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向) 

Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問) 

 1 かぜ薬 (3~4問)

  1)かぜの諸症状、かぜ薬の働き

  2)主な配合成分等

  3)主な副作用、相互作用、受診勧奨 

 2 解熱鎮痛薬 (1~2問)

 3 眠気を促す薬 (0~1問)

 4 眠気を防ぐ薬 (1問)

 5 鎮暈(うん)薬(乗物酔い防止薬)(1問)

 6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)  (0~1問)

Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)

 1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)

  1)咳や痰が生じる仕組み、鎮咳去痰薬の働き 2)a

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 bcd

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
 2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)

  総論

  1)代表的な配合成分等、主な副作用

  2)相互作用、受診勧奨

Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)

 1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)

 2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)

 3 胃腸鎮痛鎮痙薬 ( 2.5 p) (0~1問)

 

 4 その他の消化器官用薬 ( 3.5 p) (1~2問)

Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)

 1 強心薬 ( 3.2 p)(1問)

 2 高コレステロール改善薬 ( 3 p)(1~2問)

 3 貧血用薬(鉄製剤) ( 2 p)(1問)

 4 その他の循環器用薬 ( 2.5 p)(0~1問)

Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)

Ⅵ 婦人薬(1~2問)

Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)

Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)

Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)

Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)

  1)きず口等の殺菌消毒成分 ( 3 p)

  2)~6)(12p)

XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)

 1 歯痛・歯槽膿漏用薬 ( 3 p)

 2 口内炎用薬 ( 1.5 p)

Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)

XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)

XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)

XV 公衆衛生用薬(2~3問)

  1 消毒薬( 2.5 p)

 2 殺虫剤・忌避剤 ( 6.5 p)

XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)

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第3章「Ⅱ 呼吸器官に作用する薬」2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽薬)

「 2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽薬)」の総論からは1問出るかもしれません。

頻出項目は4つです。 

 

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第1項

口腔咽喉薬は、口腔内又は咽頭部の粘膜に局所的に作用して、それらの部位の炎症による痛み、腫れ等の症状の緩和を主たる目的とするもので、トローチ剤やドロップ剤のほか、口腔内に噴霧又は塗布して使用する外用液剤がある。殺菌消毒成分が配合され、口腔及び咽頭の殺菌・消毒等を目的とする製品もある。鎮咳成分や気管支拡張成分、去痰成分は配合されていない。 〔脚注:これらの成分が配合されている場合には、鎮咳去痰薬に分類される。〕

口腔咽喉薬は、口腔内又は咽頭部の粘膜に局所的に作用して、それらの部位の炎症による痛み、腫れ等の症状の緩和を主たる目的とするもので、炎症を和らげる成分、殺菌消毒成分、去痰成分が組み合わされて配合されている。(H22)
殺菌消毒成分が配合され、口腔及び咽頭の殺菌・消毒等を目的とする製品がある。(H23)
口腔咽喉薬は、口腔内又は咽頭部の粘膜に局所的に作用して、それらの部位の炎症による痛み、腫れ等の症状の緩和を主たる目的とするもので、鎮咳成分や気管支拡張成分、去痰成分が配合されている。(H28)

くだらない話ですが、咳止めの成分や去痰の成分が配合されていれば、口腔咽喉薬ではなく鎮咳去痰薬に分類されることになっているので、H22、28年の問題はNoとなります。

 

第3項

トローチ剤やドロップ剤は、有効成分が口腔内や咽頭部に行き渡るよう、口中に含み、噛まずにゆっくり溶かすようにして使用されることが重要であり、噛み砕いて飲み込んでしまうと効果は期待できない。
トローチ剤やドロップ剤は、有効成分が口腔内や咽頭部に行き渡るよう、口中に含み、噛まずにゆっくり溶かすようにして使用することが重要である。(H21)
トローチ剤やドロップ剤は、噛み砕いて飲み込んでしまうと効果は期待できない。(H23)
トローチ剤やドロップ剤は、有効成分が速やかに吸収されるように、噛み砕いて服用する。(H28)

トローチやドロップは「噛まないで口中でゆっくり溶かす」と覚えておきましょう。

 

第4項

噴射式の液剤では、息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまうおそれがあるため、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射することが望ましい。
噴射式の液剤は、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射することが望ましい。(H21)
噴射式の液剤では、息を吸いながら噴射することが望ましい。(H28)
噴射式の液剤は、息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまうおそれがあるため、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射することが望ましい。(H29)

全てYesです。のどスプレーなどは、小さく「あ~」と発生しながら噴霧するといいですよ。

 

第5項(過去4回出題)

含嗽薬は、水で用時希釈又は溶解して使用するものが多いが、調製した濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分得られない。
含嗽薬は、水で用時希釈又は溶解して使用するものが多いが、調製した濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分得られない。(H21,22,27)
用時水で希釈又は溶解して使用する含嗽薬は、調製した濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分得られないと説明した。(H25)

消毒成分にはそれぞれ至適濃度があり、それ以上でも、それ以下でも十分な効果が得られなくなります。

 

 

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第3章関連リンク=====================

第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向) 

Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問) 

 1 かぜ薬 (3~4問)

  1)かぜの諸症状、かぜ薬の働き

  2)主な配合成分等

  3)主な副作用、相互作用、受診勧奨 

 2 解熱鎮痛薬 (1~2問)

 3 眠気を促す薬 (0~1問)

 4 眠気を防ぐ薬 (1問)

 5 鎮暈(うん)薬(乗物酔い防止薬)(1問)

 6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)  (0~1問)

Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)

 1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)

  1)咳や痰が生じる仕組み、鎮咳去痰薬の働き 2)a

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 bcd

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
 2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)

  総論

  1)代表的な配合成分等、主な副作用

  2)相互作用、受診勧奨

Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)

 1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)

 2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)

 3 胃腸鎮痛鎮痙薬 ( 2.5 p) (0~1問)

 

 4 その他の消化器官用薬 ( 3.5 p) (1~2問)

Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)

 1 強心薬 ( 3.2 p)(1問)

 2 高コレステロール改善薬 ( 3 p)(1~2問)

 3 貧血用薬(鉄製剤) ( 2 p)(1問)

 4 その他の循環器用薬 ( 2.5 p)(0~1問)

Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)

Ⅵ 婦人薬(1~2問)

Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)

Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)

Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)

Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)

  1)きず口等の殺菌消毒成分 ( 3 p)

  2)~6)(12p)

XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)

 1 歯痛・歯槽膿漏用薬 ( 3 p)

 2 口内炎用薬 ( 1.5 p)

Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)

XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)

XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)

XV 公衆衛生用薬(2~3問)

  1 消毒薬( 2.5 p)

 2 殺虫剤・忌避剤 ( 6.5 p)

XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)

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第3章「Ⅱ 呼吸器官に作用する薬」1-2)efg3)

1-2)で合わせて1問の出題になりそうです。 

 

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 (e) 抗ヒスタミン成分

第23項

咳や喘息、気道の炎症は、アレルギーに起因することがあり、鎮咳成分や気管支拡張成分、抗炎症成分の働きを助ける目的で、クロルフェニラミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩等の抗ヒスタミン成分が配合されている場合がある。 気道粘膜での粘液分泌を抑制することで痰が出にくくなることがあるため、痰の切れを良くしたい場合は併用に注意する必要がある。
マレイン酸クロルフェニラミンは、気道粘膜からの粘液分泌を促進する作用を示す。(H23)
鎮咳成分や気管支拡張成分、抗炎症成分の働きを助ける目的で、カルボシステインが配合されている場合があるが、気道粘膜での粘液分泌を抑制するため、痰が出にくくなることがある。(H27)
咳や喘息、気道の炎症はアレルギーに起因することがあり、鎮咳成分や気管支拡張成分、抗炎症成分の働きを助ける目的で、クレマスチンフマル酸塩などの抗ヒスタミン成分が配合されている場合がある。(H28)

鎮咳成分の補助を目的に抗ヒスタミン成分も有効だと理解しておきましょう。

決して鼻水だけに効くわけでありません。

カルボシステインは去痰成分ですよ。

 

(g)生薬成分

第25項(過去4回出題)

① キョウニン バラ科のホンアンズ、アンズ等の種子を基原とする生薬で、体内で分解されて生じた代謝物の一部が延髄の呼吸中枢、咳嗽中枢を鎮静させる作用を示すとされる。
バラ科のアンズの種子を用いた生薬で、体内で分解されて生じた代謝物の一部が延髄の呼吸中枢、咳嗽中枢を鎮静させる作用を示すとされる。(H22)
キョウニンは、バラ科のアンズの種子を用いた生薬である。(H24)
キョウニンは、バラ科のホンアンズ、アンズ等の種子を基原とする生薬で、体内で分解されて生じた代謝物の一部が延髄の呼吸中枢、咳嗽中枢を鎮静させる作用を示すとされる。(H26)
キョウニンはオオバコ科のオオバコの花期の全草を基原とする生薬で、去痰作用を期待して用いられる。(H29)

キョウニンは漢字で杏仁と書きます。杏(アンズ)の種という意味です。咳止めと覚えていきましょう。

H29年はシャゼンソウについての解説になっています。

 

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第3章「Ⅱ 呼吸器官に作用する薬」1-2)bcd

1-2)(b)(c)で1問出題されそうです。 

 

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 頻出項目は5つです。

(b) 気管支を拡げる成分(気管支拡張成分)

第12項(過去5回+3回出題最頻出です!

メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、トリメトキノール塩酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩等のアドレナリン作動成分は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。
塩酸トリメトキノール、塩酸メトキシフェナミン等の( a )作動成分は、( b )神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にする。(H22)
塩酸メチルエフェドリンは、自律神経系を介さずに気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、 気管支を拡張させる成分である。(H23)
塩酸トリメトキノール ― 交感神経系を刺激して気管支を拡張させる。(H25)
トリメトキノール塩酸塩は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。(H26)
メチルエフェドリン塩酸塩は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。(H27)

第13項(Ⅶ内服アレルギー用薬で出題)

メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、トリメトキノール塩酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩等のアドレナリン作動成分は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。【Ⅲ-1-2)】
dl-塩酸メチルエフェドリンは、抗コリン作用によって鼻汁分泌やくしゃみを抑えることを目的として、かぜ薬に配合されるが、依存性があるため注意が必要である。(H21)
塩酸メチルエフェドリン - 鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる。(H24)
dl-塩酸メチルエフェドリンは、抗コリン作用によって鼻汁分泌やくしゃみを抑えることを目的として、かぜ薬に配合されるが、依存性がある成分であるため注意が必要である。(H25)

呼吸器の項目での出題と、内服アレルギー薬の項目での出題合わせて、過去8回出題されています。

自律神経=交感神経系+副交感神経系ですので、H23年の問題では混乱しないようにしましょう。

メチルエフェドリンなどエフェドリン成分は、アドレナリン作動成分でありその作用で血管収縮作用などを期待されて鼻炎薬に配合されることがあります。(プソイドエフェドリン塩酸塩など)

 

 

第16項

アドレナリン作動成分及びマオウ(構成生薬にマオウを含む漢方処方製剤も同様。)については、気管支に対する作用のほか、交感神経系への刺激作用によって、心臓血管系や、肝臓でのエネルギー代謝等にも影響が生じることが考えられる。心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがある。
心臓病の診断を受けた人の喘息症状の緩和に、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談することなく、マオウが配合された製品を勧めた。(H22)
マオウは、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺 機能障害の診断を受けた人では、その症状を悪化させるおそれがある。(H23)
1日量の成分 リン酸ジヒドロコデイン 30 mg 塩酸ブロムヘキシン 12 mg フマル酸クレマスチン 1.34 mg dl-塩酸メチルエフェドリン 75 mg ノスカピン 60 mg 無水カフェイン 90 mg ********************* 本剤は、dl-塩酸メチルエフェドリンを含有しており、基礎疾患として糖尿病があると、血糖値を上昇させ、糖尿病を悪化させるおそれがあるため、糖尿病の有無について確認した。(H24)
気管支拡張成分であるメチルエフェドリン塩酸塩は、副交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示すほか、心臓血管系や、肝臓でのエネルギー代謝等にも影響が生じることがある。(H28)

少々難しい話になりますね。

生薬マオウにはエフェドリンが含まれているということを理解していれば、マオウ=アドレナリン作動成分⇒交感神経興奮、とつながり、正解が導けます。

H22年は、「登録販売者が医師、薬剤師に相談することなく」というところで、おかしい!と思えればそれでOKです。

 

第17項

自律神経系を介さずに気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、気管支を拡張させる成分として、ジプロフィリン等のキサンチン系成分がある。
ジプロフィリンは、気道の炎症を和らげることを期待して用いられる。(H24)
ジプロフィリン ― 痰の中の粘性蛋白質に作用し粘りけを減少させる。(H25)
気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、気管支を拡張させる成分として、ジプロフィリンがある。(H29)

 ジプロフィリン=気管支平滑筋直接弛緩、と覚えましょう。

 

(c) 痰の切れを良くする成分(去痰成分)

第19項

気道粘膜からの粘液の分泌を促進する作用を示すもの(グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、クレゾールスルホン酸カリウム)、痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させるもの(エチルシステイン塩酸塩、メチルシステイン塩酸塩、カルボシステイン等)、粘液成分の含量比を調整し痰の切れを良くするもの(カルボシステイン)、さらに、分泌促進作用・溶解低分子化作用・線毛運動促進作用を示すもの(ブロムヘキシン塩酸塩)などがある。
鎮咳去痰たん薬は、咳せきを鎮める成分、気管支を拡げる成分、痰の切れを良くする成分等を組み合わせて配合されている。気管支を拡げる成分として( a )、気道粘膜からの分泌促進により痰の切れを良くする成分として( b )などがある。(H21)
気道粘膜からの分泌を促進させる作用を示す去痰成分として、塩酸エチルシステインがある。(H22)
カルボシステインは、気管支を拡張し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。(H24)
グアイフェネシンは、気道粘膜からの分泌を促進し、痰の切れを良くすることを期待して用いられる。(H24)
グアイフェネシンは、気道の炎症を和らげる抗炎症成分である。(H26)
去痰成分には、気道粘膜からの粘液の分泌を抑制するグアイフェネシンや、痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させるメチルシステイン塩酸塩などがある。(H28)

去痰作用には大きく3つあります。

  • 痰を薄める(分泌促進)
  • 痰の粘性を下げて塊を小さくする(粘性減少)
  • 痰の喀出を促す(線毛運動促進)

店頭のかぜ薬に複数の去痰成分が配合されて入れるときにお客様に説明できるように、去痰成分がそれぞれどの働きを持つかを整理しておきましょう。

 

去痰剤と言っても、痰の喀出を促す作用もあるので服用してしばらくの間は、痰が喀出しやすくなり、「痰が増えた」と感じる人も多くいますので、販売時に説明できるといいですね。

 

H21年の(a)(b)の選択肢は(塩酸トリメトキノール、塩化セチルピリジニウム、塩酸ブロムヘキシン)でした。塩化セチルピリジニウムはトローチによく含まれる殺菌成分でテレビCMでは「CPC配合」と言われています。

(a) は塩酸トリメトキノール、(b)は塩酸ブロムヘキシンです。

 

システインというのは痰に含まれる硫黄の分子結合を切断する作用があります。つまり、痰の粘っこさを薄くして、痰の切れをよくする作用があります。

 

 

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第3章関連リンク=====================

第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向) 

Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問) 

 1 かぜ薬 (3~4問)

  1)かぜの諸症状、かぜ薬の働き

  2)主な配合成分等

  3)主な副作用、相互作用、受診勧奨 

 2 解熱鎮痛薬 (1~2問)

 3 眠気を促す薬 (0~1問)

 4 眠気を防ぐ薬 (1問)

 5 鎮暈(うん)薬(乗物酔い防止薬)(1問)

 6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)  (0~1問)

Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)

 1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)

  1)咳や痰が生じる仕組み、鎮咳去痰薬の働き 2)a

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 bcd

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
 2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)

  総論

  1)代表的な配合成分等、主な副作用

  2)相互作用、受診勧奨

Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)

 1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)

 2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)

 3 胃腸鎮痛鎮痙薬 ( 2.5 p) (0~1問)

 

 4 その他の消化器官用薬 ( 3.5 p) (1~2問)

Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)

 1 強心薬 ( 3.2 p)(1問)

 2 高コレステロール改善薬 ( 3 p)(1~2問)

 3 貧血用薬(鉄製剤) ( 2 p)(1問)

 4 その他の循環器用薬 ( 2.5 p)(0~1問)

Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)

Ⅵ 婦人薬(1~2問)

Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)

Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)

Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)

Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)

  1)きず口等の殺菌消毒成分 ( 3 p)

  2)~6)(12p)

XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)

 1 歯痛・歯槽膿漏用薬 ( 3 p)

 2 口内炎用薬 ( 1.5 p)

Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)

XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)

XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)

XV 公衆衛生用薬(2~3問)

  1 消毒薬( 2.5 p)

 2 殺虫剤・忌避剤 ( 6.5 p)

XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)

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第3章「Ⅱ 呼吸器官に作用する薬」1-1)2)a

Ⅱ呼吸器官に作用する薬 からは概ね3問出題されます。

「1 咳止め・痰を出やすくする薬(鎮咳去痰薬)」からは2問出題されます。ページ数は6.5ページです。ポイントをしっかり押さえましょう。

 

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 頻出項目は5つもあります。この1-2)から1問出題されると思っておきましょう。

 

1-2)(a)中枢神経に作用して咳を抑える成分(鎮咳成分)

第4項(過去4回出題)

咳を抑えることを目的とする成分のうち、延髄の咳嗽中枢に作用するものとして、コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、ノスカピンノスカピン塩酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、ジメモルファンリン酸塩、クロペラスチン塩酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩等がある。
延髄の咳嗽中枢に作用し、咳を抑える成分として、塩酸メチルエフェドリンがある。(H22)

1日量の成分 リン酸ジヒドロコデイン 30 mg 塩酸ブロムヘキシン 12 mg フマル酸クレマスチン 1.34 mg dl-塩酸メチルエフェドリン 75 mg ノスカピン 60 mg 無水カフェイン 90 mg *********************

本剤の服用中でも、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要はないと説明した。(H24)

リン酸コデイン炎症によるはれを和らげる。(H24)
塩化リゾチーム ― 延髄の咳嗽中枢に作用し、咳を抑える。(H25)
鎮咳成分であるノスカピンは、延髄の咳嗽中枢に作用する。(H26)
ジメモルファンリン酸塩は、粘液成分の含量比を調整し痰の切れを良くする。(H26)

大きく分けて鎮咳成分にはここで出てくる「中枢性」の鎮咳成分と、気管支に作用する「気管支拡張」作用の成分があります。

中枢性というのは「延髄の咳嗽中枢」(=ここから「咳をしろ」という命令がでている)に作用することを指します。

  • 中枢性なので、副作用に「眠気」があります。
  • メチルエフェドリンは(b)で出てきますが、「気管支拡張」性の鎮咳成分です。
  • 塩化リゾチームは唾液や鼻水などに含まれる抗菌作用の成分

 

第5項(過去4回出題)

コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩については、その作用本体であるコデイン、ジヒドロコデインモルヒネと同じ基本構造を持ち、依存性がある成分であり、麻薬性鎮咳成分とも呼ばれる。長期連用や大量摂取によって倦怠感や虚脱感、多幸感等が現れることがあり、薬物依存につながるおそれがある。
延髄の咳嗽中枢に作用する鎮咳成分の中には、モルヒネと同じ基本構造をもち、依存性があるものがある。(H22)
ジヒドロコデインリン酸塩は、非麻薬性鎮咳成分とも呼ばれ、延髄の咳嗽中枢に作用する。(H26)
コデインリン酸塩について】 長期連用や大量摂取によって倦怠感や虚脱感、多幸感等が現れることがあり、薬物依存につながるおそれがある。(H27)
ノスカピン塩酸塩モルヒネと同じ基本構造を持ち、依存性がある成分であり、麻薬性鎮咳成分とも呼ばれる。(H27)
鎮咳成分であるジヒドロコデインリン酸塩は、その作用本体であるジヒドロコデインモルヒネと同じ基本構造をもち、副作用として便秘が現れることがあるが、依存性はない。(H28)

ポイントは、

コデインモルヒネ、麻薬性鎮咳成分、薬物依存。

 

第6項(過去3回出題)

コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩は、妊娠中に摂取された場合、吸収された成分の一部が血液-胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られている。
延髄の咳嗽中枢に作用する鎮咳成分の中には、吸収された成分が胎盤関門を通過して胎児に移行するものがある。(H22)
コデインリン酸塩について】 妊娠中に摂取された場合、吸収された成分の一部が血液-胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られている。(H27)
コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩は、妊娠中に摂取された場合、吸収された成分の一部が血液-胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られている。(H29)

コデイン胎盤通過 です。

 

第7項(過去4回出題)

コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩は胃腸の運動を低下させる作用も示し、副作用として便秘が現れることがある。
リン酸コデインは胃腸の運動を低下させる作用があり、副作用として便秘が現れることがある。(H23)

1日量の成分 リン酸ジヒドロコデイン 30 mg 塩酸ブロムヘキシン 12 mg フマル酸クレマスチン 1.34 mg dl-塩酸メチルエフェドリン 75 mg ノスカピン 60 mg 無水カフェイン 90 mg *********************

本剤の副作用として、便秘が現れることがあると説明した。(H24)

コデインリン酸塩について】胃腸の運動を亢進させる作用を示し、副作用として下痢が現れることがある。(H27)
コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩は胃腸の運動を低下させる作用も示し、副作用として便秘が現れることがある。(H29)

コデインは下痢止めとしても使われることがあるほど、腸の蠕動運動を抑制します。

コデイン⇒便秘、と覚えましょう。

5,6,7項をまとめると、、、

コデインモルヒネ、麻薬、依存、、胎盤通過、でも便秘」と語呂良くリズムで覚えましょう!!

 

第9項(過去4回出題)

ノスカピンノスカピン塩酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、チペピジンクエン酸塩、ジメモルファンリン酸塩、クロペラスチン塩酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩等は、非麻薬性鎮咳成分とも呼ばれる。
ノスカピンは、咳を抑えることを目的とする成分であり、モルヒネと同じ基本構造を持つため、依存性がある。(H21)
ノスカピン - 炎症による腫れを和らげる。(H23)
臭化水素酸デキストロメトルファンは、非麻薬性鎮咳成分とも呼ばれ、延髄の咳嗽中枢に作用する。(H25)
ノスカピン気道粘膜から粘液の分泌を促進させる。(H25)
ノスカピン - 咳を抑える。(H29)

コデイン以外の中枢性の鎮咳成分は麻薬性ではないので、非麻薬性ということになります。

 

 

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第3章関連リンク=====================

第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向) 

Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問) 

 1 かぜ薬 (3~4問)

  1)かぜの諸症状、かぜ薬の働き

  2)主な配合成分等

  3)主な副作用、相互作用、受診勧奨 

 2 解熱鎮痛薬 (1~2問)

 3 眠気を促す薬 (0~1問)

 4 眠気を防ぐ薬 (1問)

 5 鎮暈(うん)薬(乗物酔い防止薬)(1問)

 6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)  (0~1問)

Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)

 1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)

  1)咳や痰が生じる仕組み、鎮咳去痰薬の働き 2)a

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 bcd

  2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
 2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)

  総論

  1)代表的な配合成分等、主な副作用

  2)相互作用、受診勧奨

Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)

 1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)

 2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)

 3 胃腸鎮痛鎮痙薬 ( 2.5 p) (0~1問)

 

 4 その他の消化器官用薬 ( 3.5 p) (1~2問)

Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)

 1 強心薬 ( 3.2 p)(1問)

 2 高コレステロール改善薬 ( 3 p)(1~2問)

 3 貧血用薬(鉄製剤) ( 2 p)(1問)

 4 その他の循環器用薬 ( 2.5 p)(0~1問)

Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)

Ⅵ 婦人薬(1~2問)

Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)

Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)

Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)

Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)

  1)きず口等の殺菌消毒成分 ( 3 p)

  2)~6)(12p)

XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)

 1 歯痛・歯槽膿漏用薬 ( 3 p)

 2 口内炎用薬 ( 1.5 p)

Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)

XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)

XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)

XV 公衆衛生用薬(2~3問)

  1 消毒薬( 2.5 p)

 2 殺虫剤・忌避剤 ( 6.5 p)

XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)

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