第3章 「Ⅺ 歯や口中に用いる薬」1 歯痛・歯槽膿漏用薬 ( 3 p)
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Ⅺ 歯や口中に用いる薬 からは概ね1問(たまに2問)出題されています。
その中でも、「1 歯痛・歯槽膿漏用薬」 ( 3 p)からだいたい毎年1問出題されるようです。
3ページで1問ですから、平均的な出題数といえるでしょう。
過去3回以上の出題項目は6つです。
このページの最後に出題される成分についてまとめています!
1-1)代表的な配合成分、主な副作用 ( 2.5 p)
第2項
齲蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めることを目的として、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、テーカイン等の局所麻酔成分が用いられる。 |
テーカイン ― 知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮める。(H21) |
歯痛薬には、歯の齲 (う)蝕により露出した知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めることを目的として、局所麻酔成分のフェノールが用いられることがある。(H21) |
塩酸ジブカインは、齲 (う)蝕を生じた部分における細菌の繁殖を抑えることを目的として用いられる。(H23) |
ジブカイン塩酸塩 - 齲蝕を生じた部分における細菌の繁殖を抑える。(H29) |
〇〇カインとアミノ安息香酸エチルは局所麻酔(=一時的に痛みの伝達を止める)と覚えるといいです。
それに対して、フェノールは殺菌成分です。虫刺され薬のような皮膚用外用薬によく配合されています。
第6項(過去4回出題)
① 殺菌消毒成分 歯肉溝での細菌の繁殖を抑えることを目的として、セチルピリジニウム塩化物、クロルヘキシジングルコン酸塩、イソプロピルメチルフェノール、チモール等の殺菌消毒成分が配合されている場合がある。 |
グルコン酸クロルヘキシジン ― 鎮静、鎮痛を目的とする。(H21) |
チモール - 歯周組織の炎症を和らげる(H22) |
塩化セチルピリジニウム - 歯肉溝での細菌の繁殖を抑える(H22) |
歯肉溝での細菌の繁殖を抑えることを目的として、口腔内にグルコン酸クロルヘキシジンが適用される場合があるが、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。(H24) |
塩化セチルピリジニウムは、口腔粘膜の組織修復を促す作用を期待して用いられる。(H25) |
セチルピリジニウム塩化物はCPCと略されてコマーシャルなどで「CPC配合」と謳われることがありますね。
これらの成分名を見て、なんとなく「殺菌成分だな」とイメージできるようになると店頭でも必ず役に立ちますよ。
第9項
② 抗炎症成分 歯周組織の炎症を和らげることを目的として、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸等が配合されている場合がある。 |
歯周組織の炎症を和らげることを目的として、グリチルリチン酸二カリウムが配合されている場合がある。(H23) |
歯周組織の炎症を和らげることを目的として、グリチルリチン酸二カリウムが配合されている外用薬がある。(H28) |
グリチルレチン酸 - 歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮める。(H29) |
グリチルリチン、グリチルレチンは歯磨き粉にも配合されることがある抗炎症成分ですね。押さえておきましょう。
第12項
④ 組織修復成分 炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用を期待して、アラントインが配合されている場合がある。 |
アラントイン - 歯周組織の修復を促す(H22) |
炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用を期待して、アラントインが配合されている場合がある。(H24) |
アラントイン - 炎症を起こした歯周組織の修復を促す。(H29) |
全てYesです。
アラントインは、傷に用いられる外用塗布剤にも配合されることが多い成分です。
第13項
② 止血成分 炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用を期待して、血液の凝固機能を正常に保つ働きがあるフィトナジオン(ビタミンK1)や、カルバゾクロムが配合されている場合がある。 |
内服で用いる歯槽膿漏薬には、止血成分として、フィトナジオンが配合されている場合がある。(H21) |
炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用を期待して、フィトナジオン(ビタミンK1)が配合されている場合がある。(H23) |
患部からの細菌感染を防止することを目的として、フィトナジオンが配合されている場合がある。(H26) |
ビタミンKって、あまり馴染みがありませんが止血に関係していると覚えましょう。
そのビタミンKの化学名がフィトナジオンといいます。
第14項 (過去4回出題)
③ 組織修復成分 炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用のほか、歯肉炎に伴う口臭を抑える効果も期待して、銅クロロフィリンナトリウムが配合されている場合がある。 |
銅クロロフィリンナトリウム - 歯周組織の出血を抑える(H22) |
口腔粘膜の炎症を和らげることを目的として、抗炎症成分である銅クロロフィリンナトリウ ムが配合されている場合がある。(H26) |
炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用のほか、歯肉炎に伴う口臭を抑える効果も期待して、銅クロロフィリンナトリウムが配合されている場合がある。(H27) |
銅クロロフィリンナトリウムは、炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用のほか、歯肉炎に伴う口臭を抑える効果も期待して配合されている場合がある。(H28) |
銅クロロフィリンは口臭抑制と覚えましょう!
ロッテのグリーンガムにも着色料ということで配合されています。胃薬に配合されたりもする、緑色の成分です。
2)相互作用、受診勧奨 はスルーでいいでしょう。
<まとめ>よく出る成分
局所麻酔成分 | アミノ安息香酸エチル ジブカイン、テーカイン |
殺菌消毒成分 | セチルピリジニウム塩化物、クロルヘキシジングルコン酸塩、イソプロピルメチルフェノール、チモール |
抗炎症成分 | グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸 |
組織修復成分(外用) | アラントイン |
止血成分 | フィトナジオン(ビタミンK1)や、カルバゾクロム |
組織修復成分(内服) | 銅クロロフィリン |
太字の部分はしっかり押さえておきましょう!!
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第3章関連リンク=====================
第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向)
Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問)
1 かぜ薬 (3~4問)
6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬) (0~1問)
Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)
1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)
2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)
Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)
1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)
2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)
Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)
Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)
Ⅵ 婦人薬(1~2問)
Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)
Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)
Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)
Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)
XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)
Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)
XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)
XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)
XV 公衆衛生用薬(2~3問)
XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)
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