第1章「Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因」1):出題詳細
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第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識
Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
ここからは9~14問、平均約12問が出題されます。
第1章のメイン項目です。しっかり押さえておきましょう。
但し、決して難しい内容ではありませんので、冷静に理解しておきましょう。
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1)副作用
この項からは平成26年までは3~4問の出題がありましたが、27年からは1~2問と低調です。
出題箇所と頻度は下図の通りです。
これまで毎年出題されていた項目もH27年からは傾向が変わり、(b)アレルギー…以外からはほぼ出題されていません。
(b)からの1問の出題は続きそうです。
ここではH27年以降に出題された項目と、頻回出題項目をおさらいします。
第1項(過去3回出題)
WHO(世界保健機関)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている |
世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のた め、又は身体の機能を( a )ために、人に( b )量で発現する医薬品の有害かつ( c ) 反応」とされている。(H23) |
世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の( a )、診断、 治療のため、又は( b )の機能を正常化するために、人に( c )用いられる量で発現す る医薬品の有害かつ意図しない反応」である。(H26) |
( )の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体 の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」 とされている。(H28) |
過去3回出題されていて、穴埋め箇所はバラバラ。何度か繰り返し音読するなどしておいて、正しい選択肢を選べるようにしておきましょう。
(a)薬理作用による副作用
第4項(過去4回出題)
薬物が生体の生理機能に影響を与えることを薬理作用という。 |
薬理作用とは、薬物が生体の生理機能に影響を与えることをいう。(H21,24) |
薬物が生体の生理機能に影響を与えることを薬理作用という。(H22,26) |
「生体の生理機能」に影響する、というところがポイントですね。
第6項(過去3回出題)
期待される有益な反応(主作用)以外の反応が現れることがある。主作用以外の反応であっても、特段の不都合を生じないものであれば、通常、副作用として扱われることはないが、好ましくないもの(有害事象)については一般に副作用という。 |
一般用医薬品を使用した場合、期待される有益な反応(主作用)以外の反応が現れることは ない。(H22,26) |
医薬品を使用した場合には、期待される有益な反応(主作用)以外の反応が現れることがある。特段の不都合を生じないものであれば、通常、副作用として扱われることはないが、好ましくないもの(有害事象)については一般に副作用という。(H29) |
「 医薬品を使用した場合、有益な反応以外の反応が起こり得る」ということと、特段の不都合があれば「副作用」と呼び、不都合がなければ副作用とは言わない。ということです。
第8項(過去4回出題)
複数の疾病を有する人の場合、ある疾病のために使用された医薬品の作用が、その疾病に対して薬効をもたらす一方、別の疾病に対しては症状を悪化させたり、治療が妨げられたりすることもある |
複数の疾病を有する人の場合、ある疾病のために使用された医薬品の作用が、別の疾病の症状を悪化させることはない。(H21) |
複数の疾病を有する人の場合、ある疾病のために使用された医薬品の作用が、別の疾病に対しては症状を悪化させることがある。(H22) |
複数の疾病を有する人の場合、ある疾病のために使用された医薬品の作用が、別の疾病の症状を悪化させることもある。(H24) |
複数の疾病を有する人の場合、ある疾病のために使用された医薬品の作用が、その疾病に対して薬効をもたらす一方、別の疾病に対しては症状を悪化させることがある。(H26) |
ある疾病(しっぺい)に使用する薬が、他の疾病の症状を悪化させてしまうことがあります。だから、医薬品の販売には資格が必要なんだ!、と理解しておきましょう。
(b)アレルギー(過敏反応)
第9項(過去6回出題)
免疫は、本来、細菌やウイルスなどが人体に取り込まれたとき、人体を防御するために生じる反応であるが、免疫機構が過敏に反応して、好ましくない症状が引き起こされることがある。通常の免疫反応の場合、炎症やそれに伴って発生する痛み、発熱等は、人体にとって有害なものを体内から排除するための必要な過程であるが、アレルギーにおいては過剰に組織に刺激を与える場合も多く、引き起こされた炎症自体が過度に苦痛を与えることになる |
免疫は、本来、細菌等が人体に取り込まれたとき、人体を防御するために生じる反応であるが、免疫機構が過敏に反応して、好ましくない症状が引き起こされることがある。(H21) |
( a )は、本来、細菌やウイルスなどが人体に取り込まれたとき、人体を防御するために生じる反応であるが、( a )機構が過敏に反応して、好ましくない症状が引き起こされることがある。これを( b )という。通常の( a )反応の場合、炎症やそれに伴って発生する痛み、発熱等は、人体にとって( c )ための必要な過程であるが、( b )においては過剰に組織に刺激を与える場合も多く、引き起こされた炎症自体が過度に苦痛を与えることになる。(H23) |
アレルギーにおいては、過剰に組織に刺激を与えることはない。(H24) |
免疫機構が過敏に反応して、体の各部位に生じる炎症をアレルギー症状という。(H25) |
免疫は、本来、細菌などが人体に取り込まれたとき、人体を防御するために生じる反応で あるが、免疫機構が過敏に反応して、好ましくない症状が引き起こされることがある。(H26) |
免疫は、本来、細菌やウイルスなどが人体に取り込まれたとき、人体を防御するために生じる反応である。(H29) |
穴埋めが過去1回だけありました。
免疫機構が過敏に反応して、様々な症状(炎症や刺激など)が現れるが、それらは基本的には「有害なものを体内から排除するため」の仕組みなんです。
花粉症も食物アレルギーも仕組みは全て同じです。
第10項(過去5回、8題出題)
アレルギーは、一般的にあらゆる物質によって起こりうるものであるため、医薬品の薬理作用等とは関係なく起こり得るものであり、また、内服薬だけでなく外用薬等でも引き起こされることがある |
アレルギーは、一般的にあらゆる物質によって起こりうるものである。(H21) |
アレルギーは、内服薬だけでなく外用薬でも引き起こされることがある。(H21,26) |
アレルギーは、医薬品の薬理作用等とは関係なく起こり得るものである。(H22) |
アレルギーは、内服薬だけでなく外用薬等でも引き起こされることがある。(H22) |
アレルギーは、内服薬だけではなく外用薬でも引き起こされることがある。(25) |
アレルギーは、一般的にあらゆる物質によって起こり得るものである。(H26) |
アレルギー(過敏反応)は、一般的にあらゆる物質によって起こり得るものであるため、医 薬品の薬理作用等とは関係なく起こり得るものであり、また、内服薬だけでなく外用薬等でも 引き起こされることがある。(H28) |
アレルギーはあらゆる物質で起こり得る。
内服薬だけに限らず、外用薬でも起こり得る。の2点を理解しておきましょう。
第11項(過去3回出題)
医薬品の有効成分だけでなく、基本的に薬理作用がない添加物も、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)となり得る。 |
基本的に医薬品の添加物は、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)にはなりえない。(H22) |
アレルギーを引き起こす原因物質をアナフィラキシーという。(H27) |
医薬品の有効成分だけでなく、基本的に薬理作用がない添加物も、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)となり得る。(H29) |
「アレルゲン」という聞きなれない言葉に惑わされないようにしましょう。
アレルギーの原因=アレル原(ゲン)、と覚えておきましょう。
例えばそばアレルギーや小麦アレルギーでもわかる通り、薬理作用とか関係なくどんな物質でもアレルゲンになり得ます。
第12項(過去3回出題)
普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合には、医薬品がアレルゲンになりやすくなり、思わぬアレルギーを生じることがある |
普段は医薬品を使用してアレルギーを起こしたことがない人であれば、病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合であっても、医薬品によるアレルギーを生じることはない。(H21) |
医薬品を使用してアレルギーを起こしたことがない人であれば、病気等に対する抵抗力が 低下している状態であっても、医薬品によるアレルギーを生じることはない。(H26) |
普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合には、医薬品がアレルゲンになりやすくなり、思わぬアレルギーを生じることがある。(H29) |
第13項(過去5回出題)
アレルギーには体質的・遺伝的な要素もあり、アレルギーを起こしやすい体質の人や、近い 親族にアレルギー体質の人がいる場合には、注意が必要である。 |
アレルギーには遺伝的な要素があり、近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には、注意が必要である。(H22) |
アレルギーには体質的・遺伝的な要素もあり、アレルギーを起こしやすい体質の人や、近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には、注意が必要である。(H25) |
アレルギーには体質的・遺伝的な要素があり、アレルギーを起こしやすい体質の人や、近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には、注意が必要である。(H27) |
アレルギーには体質的な要素があるが、遺伝的な要素はない。(H28) |
アレルギーには遺伝的な要素もあるので、普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には、注意が必要である。(H29) |
体質的や遺伝的な要素もあるので、「今までは大丈夫」でも血縁者にアレルギーがあれば注意しておいた方がいいでしょう。ということです。
第14項(過去2回出題)
医薬品を使用してアレルギーを起こしたことがある人は、その原因となった医薬品の使用を避ける必要がある |
医薬品を使用してアレルギーを起こしたことがある人は、その医薬品に対して免疫ができているため、次回から使用しても問題ない。(H25) |
医薬品を使用してアレルギー(過敏反応)を起こしたことがある人は、その原因となった医薬品に対して免疫ができているため、次回から使用しても問題はない。(H27) |
一度アレルギーを起こしたら、 その原因物質に対して免疫ができますが、免疫ができるということはその物質に平気になるということではなく、「次に入ってきたらやっつける態勢ができている」ということです。
つまり、もし原因となった医薬品などが体内に入ってきた場合、免疫機能がスクランブル発進して、即時性のアレルギー症状が発現します。ひどい場合はアナフィラキシーの症状が出ることもあります。なので一度アレルギー症状が出た場合は要注意なのです。
第15項
医薬品の中には、鶏卵や牛乳等を原材料として作られているものがあるため、それらに対するアレルギーがある人では使用を避けなければならない場合がある |
医薬品の中には、鶏卵や牛乳等を原材料として作られているものがあるため、それらに対するアレルギーがある人では使用を避けなければならない場合もある。(H28) |
アレルギーについて、医薬品の原材料まで気を配る必要があるますよ、ということです。
第20項(過去7回出題)
一般用医薬品においては、通常、その使用を中断することによる不利益よりも、重大な副作用を回避することが優先され、その兆候が現れたときには基本的に使用を中止することとされる。 |
一般用医薬品は、軽度な疾病に伴う症状の改善等を図るためのものであるので、副作用の兆候が現れたときであってもその使用を継続することが重要である。(H21) |
一般用医薬品では、副作用の兆候が現れたときには基本的に使用を中止することとされている。(H22) |
一般用医薬品においては、通常、重大な副作用を回避することよりも、その使用を中断することによる不利益の方が優先される。(H23) |
一般用医薬品においては、通常、その使用を中断することによる不利益よりも、重大な副作用を回避することが優先される。(H24) |
副作用の兆候が現れても、通常はその疾病が治るまで同じ一般用医薬品を継続して使用することとされている。(H25) |
一般用医薬品においては、通常、重大な副作用を回避するよりも、その使用を継続することによる利益の方が優先される。(H26) |
一般用医薬品は、通常は、その使用を中断することによる不利益よりも、重大な副作用を回避することが優先され、その兆候が現れたときは基本的に使用を中止することとされている。(H27) |
重大な副作用を回避することは医療用医薬品であっても絶対重要なことです。ですので、一般用医薬品においては言わずもがな、ということです。
第21項(過去3回出題)
一般用医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等から副作用の発生の経過を十分に聴いて、その後の適切な医薬品の選択に資する情報提供を行うほか、副作用の状況次第では、購入者等に対して、速やかに適切な医療機関を受診するよう勧奨する必要がある |
登録販売者は、購入者等に対して、一般用医薬品についての適切な情報提供を行っていれば、副作用の状況にかかわらず、医療機関を受診するよう勧奨する必要はない。(H23) |
医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等から副作用の発生の経過を十分に聴き、その状況次第では、速やかに適切な医療機関を受診するよう勧奨する必要がある。(H25) |
一般用医薬品の販売等に従事する専門家においては、副作用の相談を受けた場合、その状況次第では、購入者等に対して、速やかに適切な医療機関を受診するよう勧奨する必要がある。(H26) |
副作用の状況、症状に応じて医療機関を受診するように受診勧奨も重要な役割です。
第22項(過去8回出題)
副作用は、容易に異変を自覚できるものばかりでなく、血液や内臓機能への影響等のように、直ちに明確な自覚症状として現れないこともある |
一般用医薬品の副作用は、直ちに明確な自覚症状として現れないこともある。(H21) |
副作用は、容易に異変を自覚できるものばかりとは限らない。(H22) |
一般用医薬品の副作用は、容易に異変を自覚できるものばかりである。(H23) |
副作用は、血液や内臓機能への影響等のように、直ちに明確な自覚症状として現れないこともある。(H24) |
副作用は、直ちに明確な自覚症状として現れないこともあるので、継続して使用する場合には、購入者に対して、定期的に検診を受けるよう、医薬品の販売等に従事する専門家から促していくことも重要である。(H25) |
副作用は、容易に異変を自覚できるものばかりでなく、直ちに明確な自覚症状として現れないこともある。(H26) |
副作用は、容易に異変を自覚できるものばかりでなく、血液や内臓機能への影響等のように、直ちに明確な自覚症状として現れないこともある。(H27) |
医薬品の副作用は、すべて明確な自覚症状として現れる。(H28) |
必ず出題されると思っておきましょう。
副作用は明確な自覚症状として現れないこともある。と覚えておきましょう。
第23項(過去3回出題)
継続して使用する場合には、特段の異常が感じられなくても医療機関を受診するよう、医薬品の販売等に従事する専門家から促していくことも重要である。 |
一般用医薬品を継続して使用する場合、異常が感じられなければ特に定期的に検診を受ける必要はない。(H22) |
購入者等が一般用医薬品を継続して使用する場合は、特段の異常が感じられなくても定期的に検診を受けるよう、医薬品の販売等に従事する専門家から促していくことも重要である。(H24) |
副作用は、直ちに明確な自覚症状として現れないこともあるので、継続して使用する場合には、購入者に対して、定期的に検診を受けるよう、医薬品の販売等に従事する専門家から促していくことも重要である。(H25) |
継続して使用する場合は、異常がなくても医療機関への受診が必要かもしれません。例えば、頭痛がちでずっと痛み止めを使用している場合などです。
第1章 関連項目リンク
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