第3章「Ⅰ 精神神経に作用する薬 」3眠気を促す薬 1)2)
3眠気を促す薬 からは1問出るかどうかです。H27,28年は出題がありませんでした。
3回以上の頻出項目は3つです。
1)代表的な配合成分等、主な副作用
第1項
抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に用いられるものであり、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象とするものではない。 |
抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、一時的な睡眠障害の緩和に用いられるものであり、慢性的に不眠症状がある人を対象としたものではない。(H21) |
抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、慢性的な不眠症状の緩和に用いられるものであり、一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)に用いられるものではない。(H23) |
抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に用いられるものであり、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象とするものではない。(H29) |
「ドリエル」などの睡眠改善薬についての問題です。
あくまでも「一時的な不眠」に対して用いる薬であると理解しておきましょう。
※かぜ薬などに配合される抗ヒスタミン成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩の副作用の一つである「眠気」を利用したものです
第3項(過去4回出題)
ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素は、脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある。 少量でも眠気を催しやすく、それにより重大な事故を招くおそれがあるため、これらの成分が配合された医薬品を使用した後は、乗物や危険を伴う機械類の運転操作は避ける必要がある。 |
ブロムワレリル尿素は、痛みを感じる感覚を過敏にする作用を示すので、ブロムワレリル尿素を含む医薬品を解熱鎮痛薬と併用する場合には、注意が必要である。(H21) |
ブロムワレリル尿素は、脳の興奮を抑え、痛みを感じる感覚を鈍くする作用を示すことから、解熱鎮痛薬に配合されることがある。(H22) |
少量でも眠気を催しやすく、重大な事故につながるおそれがあるため、ブロムワレリル尿素が配合された医薬品を使用した後は、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要がある。(H23) |
アリルイソプロピルアセチル尿素は、脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用があり、少量でも眠気を催しやすい。(H29) |
〇〇尿素とはいわゆる鎮静剤です。
痛みの感覚を鈍くするので、解熱鎮痛薬に配合されていることが多いです。これが解熱鎮痛薬の眠気の原因です。
※ブロムワレリル尿素とブロモバレリル尿素は同じものです。(waをドイツ語読みするとバになります)
第5項
ブロモバレリル尿素は胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである。 |
ブロムワレリル尿素を含む催眠鎮静薬は、妊婦の睡眠障害に適している。(H22) |
ブロムワレリル尿素は、胎児障害の可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けることが望ましい。(H24) |
ブロムワレリル尿素は胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである。(H26) |
鎮静剤は妊婦にはよろしくない、というくらいで覚えておきましょう。
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第3章関連リンク=====================
第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向)
Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問)
1 かぜ薬 (3~4問)
6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬) (0~1問)
Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)
1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)
2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)
Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)
1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)
2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)
Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)
Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)
Ⅵ 婦人薬(1~2問)
Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)
Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)
Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)
Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)
XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)
Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)
XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)
XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)
XV 公衆衛生用薬(2~3問)
XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)
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第3章「Ⅰ 精神神経に作用する薬 」2 解熱鎮痛薬 1)2)3)
2解熱鎮痛薬からはだいたい1問出題されそうです。
1)痛みや発熱が起こる仕組み、解熱鎮痛薬の働き
第1項
解熱鎮痛薬とは、発熱や痛みの原因となっている病気や外傷を根本的に治すものではなく、病気や外傷が原因で生じている発熱や痛みを緩和するために使用される医薬品(内服薬)の総称である。 |
解熱鎮痛薬の使用は、痛みや発熱を一時的に和らげる対症療法であって、それらの原因を根本的に解消するものではない。(H23) |
解熱鎮痛薬は、発熱や痛みの原因となっている病気や外傷を根本的に治すことができる。(H27) |
解熱鎮痛薬の使用は、発熱や痛みを一時的に抑える対症療法であって、疾病の原因を根本的に解消するものではない。(H29) |
2)代表的な配合成分等、主な副作用
(a)解熱鎮痛成分【化学的に合成された成分】
第9項(過去7回出題)最頻出です!
サリチル酸系解熱鎮痛成分において特に留意されるべき点は、ライ症候群の発生が示唆されていることである。アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む。)及びサザピリンは、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない。 |
・顧客の夫(42歳)と子供(10歳)がかぜをひいたとのこと。 ・かぜの症状は、2名とも、発熱、咽いん頭痛のほか、咳せきが出ている。 ・医療機関への受診及び他の医薬品の服用はしていない。 ・かぜをひいている2名とも服用できる薬が欲しい(購入したい医薬品は1種類のみ)。 ******************************************************** アスピリンを含む医薬品を購入しようとしたので、アスピリンを含む一般用医薬品は、顧客の子供の年齢では、いかなる場合も使用しないこととなっている旨を説明した。(H21) |
アスピリンについては、一般用医薬品では、小児(15歳未満)に対してはいかなる場合も使用しないこととなっている。(H22) |
【アセトアミノフェンについて】一般用医薬品では、小児に対してはいかなる場合も使用しないこととなっている。(H23) |
アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む。)、サザピリンについては、一般用医薬品では、小児に対してはいかなる場合も使用しないこととなっている。(H24) |
アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む。)、サザピリンは、一般用医薬品では、小児(15歳未満)に対して使用することができる。(H25) |
サザピリンは、ライ症候群の発生が示唆されており、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない。(H27) |
アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む。)及びサザピリンは、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない。(H29) |
アスピリン・サザピリンは小児(=15歳未満)は使ってはいけません!と覚えましょう。理由はライ症候群の発生のリスクがあるためですが、理由が問われた出題はありません。
第13項
エテンザミドは、痛みの発生を抑える働きが作用の中心となっている他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強いため、作用の仕組みの違いによる相乗効果を期待して、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されることが多い。 |
エテンザミドについては、痛みの発生を抑える働きが中心である他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みの伝わりを抑える働きが優位であるとされている。(H22) |
エテンザミドは、痛みの発生を抑える働きが中心である他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みの伝わりを抑える働きが優位であるとされている。(H25) |
エテンザミドは、痛みの発生を抑える働きが作用の中心となっている他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強いため、作用の仕組みの違いによる相乗効果を期待して、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されることが多い。(H29) |
エテンザミド=痛みの伝わりをブロック、と覚えましょう。
20年位前のノーシンなどのCMでは「ACE処方」を謳ったものが多かったですが、アセトアミノフェン、カフェイン、エテンザミドを配合したものです。
第15項(過去5回出題)頻出です!
主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない。その分、他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害は少なく、空腹時に服用できる製品もある。 |
・顧客の夫(42歳)と子供(10歳)がかぜをひいたとのこと。 ・かぜの症状は、2名とも、発熱、咽いん頭痛のほか、咳せきが出ている。 ・医療機関への受診及び他の医薬品の服用はしていない。 ・かぜをひいている2名とも服用できる薬が欲しい(購入したい医薬品は1種類のみ)。 ******************************************************** 咽頭痛があり、のどに炎症がある様子であったので、解熱鎮痛作用のほか、抗炎症作用のあるアセトアミノフェンを含む医薬品をすすめた。(H21) |
【アセトアミノフェンについて】他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害は比較的少ないとされ、空腹時に服用できる製品もある。(H23) |
アセトアミノフェン - 痰の切れを良くする。(H24) |
アセトアミノフェンは、主として中枢性の作用によって解熱・鎮痛をもたらすと考えられている。なお、他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害は比較的少ないとされる。(H25) |
アセトアミノフェンは、主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、胃腸障害を生じやすく、空腹時に服用できる製品はない。(H27) |
主な解熱鎮痛成分の作用=プロスタグランジン抑制⇒抗炎症作用&消化管粘膜防御機能低下、に対しアセトアミノフェンは中枢作用によるので抗炎症作用もない代わりに、胃腸障害も少ないということです。
第19項
③ イブプロフェン イブプロフェンはプロスタグランジンの産生を抑制することで消化管粘膜の防御機能を低下させるため、消化管に広範に炎症を生じる疾患である胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎又はクローン氏病の既往歴がある人では、それら疾患の再発を招くおそれがある。 |
イブプロフェン - 胃・十二指腸潰瘍の既往歴のある人に再発を招くおそれがある。(H22) |
イブプロフェンは、プロスタグランジンの産生を促すことで消化管粘膜の防御機能を低下させるため、消化管に広範に炎症を生じる疾患である胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎又はクローン氏病の既往歴がある人では、それら疾患の再発を招くおそれがある。(H26) |
イブプロフェンは、局所のプロスタグランジンの産生を抑制する作用により、体の各部(末梢)での痛みを鎮める。(H28) |
イブプロフェンをはじめ多くの解熱鎮痛成分は、
プロスタグランジンの産生抑制⇒抗炎症・鎮痛作用&消化管粘膜防御低下、となります。H26年はすごいいやらしい感じのひっかけでした。
2-3)相互作用、受診勧奨ではH26年に1問出ていますが、他の年は出題されるかどうか、という感じです。
出題詳細は下図の通りですが、出るかどうか分からないところはスルーでいいでしょう。
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第3章関連リンク=====================
第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向)
Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問)
1 かぜ薬 (3~4問)
6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬) (0~1問)
Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)
1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)
2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)
Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)
1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)
2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)
Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)
Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)
Ⅵ 婦人薬(1~2問)
Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)
Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)
Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)
Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)
XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)
Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)
XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)
XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)
XV 公衆衛生用薬(2~3問)
XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)
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第3章「Ⅰ 精神神経に作用する薬 」1-2)主な配合成分等(g)(k)、3)主な副作用、相互作用、受診勧奨
1-2)(g)(k)からは1問出題されるかどうかです。
漢方などやや難解な分野なので、苦手な人は第21項だけ押さえるだけでいいでしょう。H25年のように(g)から1問出たら、あっさり諦めるのも作戦のうちです。
第21項
① 葛根湯 体力中等度以上のものの感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こリ、筋肉痛、手や肩の痛みに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。 まれに重篤な副作用として肝機能障害、偽アルドステロン症を生じることが知られている。 |
・顧客の夫(42歳)と子供(10歳)がかぜをひいたとのこと。 ・かぜの症状は、2名とも、発熱、咽頭痛のほか、咳が出ている。 ・医療機関への受診及び他の医薬品の服用はしていない。 ・かぜをひいている2名とも服用できる薬が欲しい(購入したい医薬品は1種類のみ)。 ******************************************************** かぜのひき始めにおける諸症状、頭痛、肩こり、筋肉痛、手足や肩の痛みに適するとされている小柴胡湯の漢方処方製剤をすすめた。(H21) |
「かぜのひき始めにおける諸症状、頭痛、肩こり、筋肉痛、手足や肩の痛みに適すとされるが、 体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪 心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることが知られている」、かぜの諸症状の緩和に用いられる漢方処方製剤はどれか。 |
葛根湯 は、かぜのひき始めにおける諸症状、頭痛、肩こり、筋肉痛、手足や肩の痛みに適すとされる。(H25) |
「かぜのひき始め、肩こり、筋肉痛」などのキーワードがあれば葛根湯でOKです。
3)主な副作用、相互作用、受診勧奨 からの出題は下図の通りですが、まあスルーでいいでしょうね。
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第3章関連リンク=====================
第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向)
Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問)
1 かぜ薬 (3~4問)
6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬) (0~1問)
Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)
1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)
2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)
Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)
1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)
2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)
Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)
Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)
Ⅵ 婦人薬(1~2問)
Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)
Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)
Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)
Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)
XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)
Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)
XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)
XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)
XV 公衆衛生用薬(2~3問)
XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)
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第3章「Ⅰ 精神神経に作用する薬 」1-2)主な配合成分等(a)(b)(c)(d)(e)(f)
Ⅰの1-2)からは2問、そのうち(a)~(f)で概ね1問出題されそうです。
頻出項目は3つ。
(a) 発熱を鎮め、痛みを和らげる成分(解熱鎮痛成分)
第9項
かぜ薬に配合される主な解熱鎮痛成分としては、アスピリン、サリチルアミド、エテンザミド、アセトアミノフェン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等がある。解熱作用がある生薬成分としてジリュウが配合されている場合もある。 |
イブプロフェンは、解熱鎮痛成分(生薬成分を除く。)による胃腸障害を低減させることを目的として、配合されている場合がある。(H22,29) |
サリチルアミド - 鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる。(H22) |
主な解熱鎮痛成分を覚えておけばなんてことない問題ですが、それが難しいからこのページを見ていると思います。
頻出問題を押さえておけば十分点数が獲れるという前提の勉強法なので、ここでは「イブプロフェン」と「サリチルアミド」だけは「解熱鎮痛成分」であると覚えておきましょう。
(b) くしゃみや鼻汁を抑える成分(抗ヒスタミン成分、抗コリン成分)
第11項(過去5回出題)頻出
かぜ薬に配合される主な抗ヒスタミン成分に、クロルフェニラミンマレイン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、メキタジン、クレマスチンフマル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩等がある。 【Ⅶ-1】抗ヒスタミン成分によりヒスタミンの働きが抑えられると眠気が促される。 |
フマル酸クレマスチンは、抗ヒスタミン成分であり、くしゃみや鼻汁を抑えることを目的として、かぜ薬に配合されるが、服用によって眠気が促されることがあるため、注意が必要である。(H21) |
メキタジン - 鼻汁分泌を抑える。(H23) |
フマル酸クレマスチン - 発熱を鎮め、痛みを和らげる。(H24) |
メキタジン - 痰の切れを良くする。(H28) |
メキタジン - くしゃみや鼻汁を抑える。(H29) |
抗ヒスタミン成分=くしゃみ・鼻水を抑える&眠気がでる、と覚えておきましょう。
あとは、メキタジンとクレマスチンフマル酸塩(ルルに配合されてます)は抗ヒスタミン成分であることを最低限覚えておきましょう。
ちなみに、カルビノキサミンは大正製薬のかぜ薬(パブロンシリーズ)に多く配合されている「シベロン」のことです。
(e) 痰の切れを良くする成分(去痰成分)
第14項(過去4回出題)
かぜ薬に配合される主な去痰成分に、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、ブロムヘキシン塩酸塩、エチルシステイン塩酸塩等がある。 |
塩酸ブロムヘキシン - 発熱を鎮め、痛みを和らげる。(H23) |
痰の切れを良くする目的でかぜ薬に配合される成分として、正しいものの組み合わせはどれか。 |
ブロムヘキシン塩酸塩 - 発熱を鎮め、痛みを和らげる。(H28,29) |
ここでは、ブロムヘキシン塩酸塩は去痰剤、と覚えておきましょう。
H27年の問題は、グアイフェネシンを覚えるのが大変でも、イブプロフェンが去痰剤ではないことや、ジフェンヒドラミン塩酸塩は抗ヒスタミン成分だ、と分かれば正解が導ける問題でした。
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第3章関連リンク=====================
第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向)
Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問)
1 かぜ薬 (3~4問)
6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬) (0~1問)
Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)
1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)
2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)
Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)
1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)
2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)
Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)
Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)
Ⅵ 婦人薬(1~2問)
Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)
Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)
Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)
Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)
XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)
Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)
XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)
XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)
XV 公衆衛生用薬(2~3問)
XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)
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第3章「Ⅰ 精神神経に作用する薬 」1-1)かぜの諸症状、かぜ薬の働き
第3章の40問のうち、7~8問がこの「Ⅰ精神神経に作用する薬」から出題されます。およそ4ページで1問の割合ですね。
さらに、「1かぜ薬」からは例年3問ほどが出題されます。
まずは、1-1)のテキスト項目別の出題傾向は下図の通りです。 だいたい1問出題されています。
過去3回以上の頻出項目は、4項あります。
第4項
かぜとよく似た症状が現れる疾患に、喘息、アレルギー性鼻炎、リウマチ熱、関節リウマチ、肺炎、肺結核、髄膜炎、急性肝炎、尿路感染症等多数がある。急激な発熱を伴う場合や、症状が4日以上続くとき、又は症状が重篤なときは、かぜではない可能性が高い。 |
かぜとよく似た症状が現れる疾患は多数あり、急激な発熱を伴う場合や、症状が4日以上続くとき又は悪化するようなときは、かぜではない可能性が高い。(H21,25) |
かぜとよく似た症状が現れる疾患は多数あり、急激な発熱を伴う場合や、症状が4日以上続くとき、又は症状が重篤なときは、かぜではない可能性が高い。(H29) |
全てYesです。テキストの改訂もあり若干文言が違っていますが、症状が急激、重篤であったり、4日以上続くような場合はいわゆる「かぜ」では済ませていけませんよ、ということです。
当然店頭でこういうお客様がいたら、受診勧奨するということになります。
第6項
インフルエンザ(流行性感冒)は、かぜと同様、ウイルスの呼吸器感染によるものであるが、感染力が強く、また、重症化しやすいため、かぜとは区別して扱われる。 |
インフルエンザは、ウイルスの呼吸器感染によるものであるが、感染力が強く、また、重症化しやすいため、かぜとは区別して扱われる。(H21) |
インフルエンザ(流行性感冒)は、かぜと同様、ウイルスの呼吸器感染によるものであり、感染力が弱く、重症化することもない。(H27) |
インフルエンザ(流行性感冒)は、ウイルスの呼吸器感染によるものであるが、感染力が強く、また、重症化しやすいため、かぜとは区別して扱われる。(H28) |
インフルエンザもウイルスによる感染症ですが、冬に予防接種をするのを考えれば、「感染力が弱い」というのは違うな、と分かりますよね。
第7項
かぜであるからといって必ずしもかぜ薬(総合感冒薬)を選択するのが最適とは限らない。発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしている場合には、症状を効果的に緩和させるため、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎を緩和させる薬などを選択することが望ましい。 |
かぜであるからといって必ずしもかぜ薬(総合感冒薬)が選択されるのが最適ではなく、発熱、咳 など症状がはっきりしている場合には、効果的に症状の緩和を図るため、解熱鎮痛薬、 鎮咳去痰薬などが選択されることが望ましい。(H25) |
発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしているかぜであっても、別の症状の発現予防のため総合感冒薬を選択することが基本である。(H26) |
かぜであるからといって必ずしもかぜ薬(総合感冒薬)を選択するのが最適とは限らない。 発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしている場合には、症状を効果的に緩和させるため、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎を緩和させる薬などを選択することが望ましい。(H29) |
店頭での商品選択にかかわる大事な出題です。
OTCというのは原則対症療法のための薬剤です。症状の元を「治す」のではなく、症状を「和らげる」ことが目的です。そのため、商品を選択する場合は症状に応じた成分が入っていれば十分で、余分な成分は無駄であるばかりか、余計な副作用を生じる原因ともなります。
ただし、「風邪で鼻水が出る。症状はそれだけ。」というお客様に「それなら鼻炎薬がいいですよ」と説明しても「鼻炎じゃない、風邪なんだからかぜ薬でしょ!」というやり取りが店頭ではよくあります。なので「それなら、鼻の症状を効果的に抑えることができる鼻炎薬がいいですよ」という感じで丁寧に説明すると納得してもらえるでしょう。
第8項(過去5回出題)頻出です!
かぜ薬は、ウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスを体内から除去するものではなく、咳で眠れなかったり、発熱で体力を消耗しそうなときなどに、それら諸症状の緩和を図る対症療法薬である。 |
かぜ薬は、ウイルスの増殖を抑えたり、体内から取り除くものではなく、咳で眠れなかったり、発熱で体力を消耗しそうなときなどに、それら諸症状の緩和を図るものである。(H25) |
かぜ薬は、かぜの諸症状の緩和のほか、ウイルスの増殖抑制や排除を図るものである。(H26) |
かぜ薬とは、ウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスを体内から除去することを目的として使用される医薬品の総称であり、総合感冒薬とも呼ばれる。(H27) |
かぜ薬は、ウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスを体内から除去するものである。(H28) |
かぜ薬は、細菌やウイルスの増殖を抑えたり、体内から取り除くことにより、咳や発熱などの諸症状の緩和を図るものである。(H29) |
H25年以外は全てNoです。
細菌をやっつけるためにはいわゆる「抗生物質」が、ウイルスをやっつけるためには「抗ウイルス薬」が必要です。外用剤ならOTCでも販売できるものがありますが、内服薬ではOTCにはありません。
第7項でも説明しましたが、OTCは対症療法が目的と理解しておきましょう。
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第3章関連リンク=====================
第3章 主な医薬品とその作用(出題傾向)
Ⅰ 精神神経に作用する薬(7~8問)
1 かぜ薬 (3~4問)
6 小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬) (0~1問)
Ⅱ 呼吸器官に作用する薬(3~4問)
1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)(2~3問)
2)代表的な配合成分等、主な副作用 efg 、3)相互作用、受診勧奨
2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽(そう)薬) (1問)
Ⅲ 胃腸に作用する薬(4~6問)
1 胃の薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)( 6.5 p) (1~3問)
2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬) ( 9 p) (0~2問)
Ⅳ 心臓などの器官や血液に作用する薬(3~4問)
Ⅴ 排泄に関わる部位に作用する薬(7.5p)(2~3問)
Ⅵ 婦人薬(1~2問)
Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)(6p)(1~3問)
Ⅷ 鼻に用いる薬(3p)(1問)
Ⅸ 眼科用薬(5.5p)(2問)
Ⅹ 皮膚に用いる薬(2~4問)
XI 歯や口中に用いる薬(1~2問)
Ⅻ 禁煙補助剤 ( 2 p)(1問)
XIII 滋養強壮保健薬 ( 6.5 p)(2問)
XIV 漢方処方製剤・生薬製剤 ( 6 p)(1~3問)
XV 公衆衛生用薬(2~3問)
XVI 一般用検査薬( 4 p)(1問)
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第2章「III 症状からみた主な副作用 」3-6)皮膚に現れる副作用
3-6)皮膚に現れる副作用
3年に2回は出題されていますが、出題にばらつきが多い感じです。
(a) 接触皮膚炎、光線過敏症
第32項(過去7回出題)最頻出です!
かぶれ症状は、太陽光線(紫外線)に曝されて初めて起こることもある。これを光線過敏症という。その症状は医薬品が触れた部分だけでなく、全身へ広がって重篤化する場合がある。貼付剤の場合は剥がした後でも発症することがある。 |
接触皮膚炎は、原因となる医薬品と接触してから発症するまでの時間は様々であり、医薬品が触れた部分だけでなく、全身へ広がり、重篤化する場合がある。(H21) |
かぶれ症状は、太陽光線(紫外線)に曝されて初めて起こることもある(光線過敏症)。(H22) |
光線過敏症の症状は、医薬品が触れた部分だけでなく、光が当たった部分の皮膚から全身へ広がり、重篤化する場合がある。(H23) |
貼付剤の使用による光線過敏症の症状は、貼付剤を剥がした後でも現れることがあるが、医薬品が触れた部分に限られる。(H25) |
光線過敏症は、医薬品が触れた部分の皮膚にのみ生じ、全身へ広がって重篤化することはない。(H27) |
光線過敏症は、医薬品が触れた部分だけでなく、全身へ広がって重篤化する場合がある。(H28) |
光線過敏症は、貼付剤では、それを剥がしてしまえば発症することはない。(H28) |
今から15~20年ほど前までは光線過敏症については医療界でもあまり認識されていなかったと思います。
この症状の厄介なところは、①医薬品が触れた部分から全身へ広がってどんどん酷くなることがあることと、②貼付剤をはがした後も発症の可能性があることです。
最頻出問題ですので、確実に押さえておきたいですね。
(b)薬疹
第40項
医薬品を使用した後に発疹・発赤等が現れた場合は、薬疹の可能性を考慮すべきである。重篤な病態への進行を防止するため、原因と考えられる医薬品の使用を直ちに中止する。痒み等の症状に対して、一般の生活者が自己判断で対症療法を行うことは、原因の特定を困難にするおそれがあるため、避けるべきである。 |
医薬品の使用によって引き起こされた痒み等の症状に対しては、一般の生活者が自己判断で別の医薬品を用いて対症療法を行うことが求められている。(H22) |
医薬品を使用した後に発疹・発赤等の症状が現れた場合には、一般の生活者が自己判断で別の医薬品を用いて対症療法を行うことが望ましい。(H23) |
医薬品を使用した後に発疹・発赤等が現れた場合は、薬疹の可能性を考慮すべきである。重篤な病態への進行を防止するため、原因と考えられる医薬品の使用を直ちに中止し、痒み等の症状に対しては、まずは一般の生活者が自己判断で対症療法を行う。(H29) |
医薬品が原因と考えられる発疹・発赤が現れた場合は、まずは当該医薬品の使用を中止するとともに、速やかに医薬品の専門家に相談するように購入者に説明するようにしましょう。
軽度の場合は登録販売者でも対処可能な場合もありますが、たいていの場合は薬剤師に対応してもらうか、医療機関への受診を勧めるようにしましょう。その際は、どの医薬品をどの期間使用して、症状発現の期間と程度などを的確に医師に伝えるようにアドバイスできるとGoodです。
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第2章関連リンク======================
Ⅰ 人体の構造と働き(10~13問)
Ⅱ 薬が働く仕組み (3問)
Ⅲ 症状からみた主な副作用(4~6問)
1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等
3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用
第2章「III 症状からみた主な副作用 」3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用
3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用
3)~5)で1問出るかどうか、という感じです。また3)からはほとんど出題されていません。
ページ数は2ページ弱で、過去3回以上出題されたのは4題ありますが、確率を考えたらパスしても大丈夫です。
4)排尿機能や尿に現れる副作用
(b)排尿困難、尿閉
第20項
副交感神経系の機能を抑制する作用がある成分が配合された医薬品を使用すると、膀胱の排尿筋の収縮が抑制され、尿が出にくい、尿が少ししか出ない、残尿感がある等の症状を生じることがある。 |
排尿困難は、自律神経系に働いて、副交感神経系を抑制する作用がある成分が配合された医薬品の使用によって、その症状を生じることがある。(H21) |
副交感神経系を抑制する作用がある成分が配合された医薬品の使用によって、膀胱の排尿筋の収縮が抑制され、排尿時に尿が出にくい、尿が少ししか出ない、残尿感等の症状を生じることがある。(H23) |
( a )に働いて、( b )を抑制する作用がある成分が配合された医薬品の使用によって、膀胱の排尿筋の収縮が( c )され、排尿時に尿が出にくい、尿が少ししか出ない、残尿感等の症状を生じる。(H25) |
※H25年の(a)は「自律神経系」(改訂前の出題)
副交感神経は分泌を促す系の神経です。副交感神経の抑制=涙、鼻水、唾液、尿などが出にくくなると覚えておきましょう。
5)感覚器系に現れる副作用
(a)眼圧上昇
第22項
眼球内の角膜と水晶体の間を満たしている眼房水が排出されにくくなると、眼圧が上昇して視覚障害を生じることがある。 |
眼球内の角膜と水晶体の間を満たしている房水が排出されにくくなると、眼圧が低下することによって視覚障害を生じることがある。(H21) |
眼球内の角膜と水晶体の間を満たしている眼房水が過剰に排出されることで、眼圧が上昇す る。(H26) |
眼球内の角膜と水晶体の間を満たしている眼房水が排出されにくくなると、眼圧が上昇して 視覚障害を生じることがある。(H27) |
眼房水が排出されない=溜まることで、圧力が高まっていく、と理解しましょう。
そして医薬品によっては、眼房水の排出に影響を及ぼすことがあることを覚えておきましょう。
第23項(過去4回出題)
例えば、抗コリン作用がある成分が配合された医薬品によって眼圧が上昇し(急性緑内障発作)、眼痛や眼の充血に加え、急激な視力低下を来すことがある。特に緑内障がある人では厳重な注意が必要である。 |
抗コリン作用がある成分が配合された医薬品の使用によって、急性緑内障発作が誘発され、眼痛、目の充血とともに急激な視力低下を起こすことがある。(H21) |
抗コリン作用がある成分が配合された医薬品の使用によって眼圧上昇が誘発され、眼痛、目の充血とともに急激な視力低下を起こすことがある。(H22) |
ジフェンヒドラミン塩酸塩が配合された医薬品によって眼圧が上昇し(急性緑内障発作)、眼痛や眼の充血に加え、急激な視力低下を来すことがある。(H26) |
抗アドレナリン作用がある成分が配合された医薬品の使用によって眼圧が上昇し(急性緑内障発作)、眼痛や眼の充血に加え、急激な視力低下を来すことがある。(H27) |
H26年のジフェンヒドラミン塩酸塩は抗ヒスタミン成分に分類される成分で、くしゃみ・鼻水を止めるためにかぜ薬に配合されていたり、副作用の眠気を利用して睡眠改善薬に配合されています。抗ヒスタミン作用には抗コリン作用も含まれます。
H27年はひっかけですね。
(b)その他
第26項(過去5回出題)頻出です!
医薬品によっては、瞳の拡大(散瞳)による異常な眩しさや目のかすみ等の副作用が現れることがある。眠気と同様に、そのような症状が乗物や機械類の運転操作中に現れると重大な事故につながるおそれがある |
医薬品によっては、一過性の副作用として、瞳孔の散大による異常な眩しさ、目のかすみ等の症状が現れることがある。(H21) |
瞳孔の散大(散瞳)を生じうる成分が配合された医薬品を使用した後でも、乗物や機械類の運転操作は注意して行えば問題はない。(H22) |
散瞳を生じうる成分が配合された医薬品を使用した後は、乗り物や機械類の運転操作を避ける必要がある。(H23) |
抗コリン作用がある成分が配合された医薬品によって、副交感神経が抑制されると瞳孔が収縮するため、異常な眩 (まぶ)しさや目のかすみという副作用が現れることがある。(H26) |
瞳の拡大(散瞳)を生じる可能性のある成分が配合された医薬品を使用した後は、乗物や機械類の運転操作は避ける必要がある。(H27) |
瞳孔が開けば、たくさんの光が目に取り込まれるため、まぶしくなります。通常はまぶしいくらいの光が目に入る場合は、瞳孔を閉じるようにして光の量を調節しますが、抗コリン作用のある薬の影響で瞳孔が開いたままとなることがあるのです。
当然そんな状態で自動車なんか運転しちゃいけませんよ!ということです。
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第2章関連リンク======================
Ⅰ 人体の構造と働き(10~13問)
Ⅱ 薬が働く仕組み (3問)
Ⅲ 症状からみた主な副作用(4~6問)
1-3)肝機能障害、4)偽アルドステロン症、5)病気等に対する抵抗力の低下等
3-3)心臓や血圧に現れる副作用、4)排尿機能や尿に現れる副作用、5)感覚器系に現れる副作用